ことさんのレビュー一覧
投稿者：こと
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Ｇｏ ｗｅｓｔ！
2002/07/25 00:02
ワイルドで格好良い働く男達
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高校を卒業した憲章は、その日暮らしのフリーター。そんな憲章を見かねた伯父は「根性を叩き直してこい」と、騙して連れて来たテキサスの牧場に勝手に憲章をあずけてしまう。そこで出会った牧場主の息子ディランは何も出来ない憲章にまったく優しくない。最初は反発する2人だがディランはだんだんと憲章の素直さに惹かれていく。
実は暇つぶしに本屋に行った際にどうせ読むなら分厚い本（普通の本より１００ページほど多いです）の方が良いという理由だけで選んだので、中身は期待してなかったのです。しかし読んでみたらどうでしょう。世界観がきちっとしていて、とても読み応えがありました。憲章の片言の英語が平仮名で書かれていてとても可愛いです。ディランの格好良さも嫌味なく描かれていて良かったと思います。伯父さんはやりすぎの感がありましたが、特に引っかかる設定もなく、最後まで面白くて一気に読めました。
松岡さんは海外モノが多くて共感できる部分が少なさそうだったので今まで敬遠して読んでいなかったのですが、私が間違っていました。舞台となるテキサスやカウボーイという職業のすごく細部まで調べているようで、彼らの日常が目に浮かぶようにきちんと描かれていて、非常に上手い作家さんだと思いました。これを切っ掛けに集めようと思っています。
ほたか乱さんの挿絵もストーリーを邪魔せず、良かったと思います。
月が空のどこにいても
2002/07/31 23:58
せつない
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「本気で人を好きになるってどういうことか、僕に教えてほしいんだ」
親友の司と母親の両方から恋人を紹介したいと言われ、逃げ出した葵。幼い頃から司に思いを寄せていた葵は衝動的に自殺を図る。それを止めた貴之は「１年間恋人になる」という契約を持ちかける。
司を忘れられなくても優しい貴之。そんな貴之に次第に惹かれていく葵だけれど、神様は残酷で・・・。すごくせつなくて、途中何度も泣いてしまったんですが、すごく心に響く良いお話だなーと思いました。せつねー！！最後まで一気に読んじゃってください！！久々に自分的ヒットだった作品です。オススメです！
恋姫 （Ｂｅｘｂｏｙ ｃｏｍｉｃｓ）
2002/07/17 05:07
嫉妬心
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人気歌舞伎役者・優紀は脚本家・秋川に密かな思いを寄せていた。秋川の興味本位から関係を持ってしまう2人だが、そんな2人の前に茶汲子の菊丸が現れ…。
最近のボーイズラブ作品って表紙が裸で抱き合っていたりして買いにくいの、多くないですか？ それに比べ門地せんせの表紙は買いにくい事って割とないと思います。表紙は作品の顔、やはり印象が良い方がいいですよね。
これは江戸時代が舞台のお話です。今すぐ買え！ってくらい好きです。優紀が健気で気の毒で仕方がないのだけれど、すごく引き込まれる話です。嫉妬とか誰の中にでもあるような感情をすごく上手く描いていて、ページの使い方、コマの使い方、間の取り方などがとても効果的で素晴らしいです。絵は好みじゃない方もいると思うのですが（私は大好きですけど…）、キャラクターの感情の細かい表現がとても上手い作家さんだと思います。大好きな作品です。贔屓。
『蚊帳の外』は書き下ろしなんですが、表題作の続編です。秋川の苦悩というか、菊丸の苦悩というか、優紀の一途さというか…。答えの出ない堂々巡りのような作品で大好きです（え！？）。こういうドロドロに私はトキメキます。とてもオススメしたい作品です。
Ｂｌｕｅ，ｄｅｅｐ ｄｅｅｐ ｂｌｕｅ （Ｃｈａｒａｄｅ ｂｏｏｋｓ）
2002/07/24 23:40
恋愛の不安
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大学生の頃、達也は火事でアパートを出なくてはならなくなったが、それが縁で滋文と２年間の同居生活を送っていた。互いの気持ちに気付きつつ就職をきっかけに滋文の元を離れた達也だが、学者になった滋文が出る番組を見て自分を抑えられなくなり、７年ぶりに滋文と再会する。
どちらかというと地味で好き嫌いが分かれると思うが、男性同士の恋愛ににつきまとうであろう悩みや親の目、不安に揺れる心理描写がとても上手い。硬質な絵柄だが、人物の感情は豊か。本当に日常にありそうな光景ばかりで、読んでいて少々つらくなる。でもまたそれが良かったりするのだが。
今から１０年前の作品なのでそれなりに絵柄に関しては覚悟が必要かもしれない。
ぼくはきみを好きになる？
2002/07/31 23:26
可愛らしい
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春ちゃんはすごく良い子で、こんな子が高校生の頃いたら楽しかっただろうなーなんて思わせてくれる子です。哲史の顔が見られない程照れて変な態度を取ってしまう春ちゃんは可哀相で、ついつい応援したくなります。心がささくれだっている時や、ほんわかしたい時、読んで欲しい１冊です。
哲史が春ちゃんを好きになった訳も、すごく当たり前の事だけど、目から鱗というか、小さな感動でした。
ＮＯと言えなくて
2002/07/31 23:19
ＮＯと言えない意味
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気弱でノーと言えない緋呂人は、大学の同級生や一応付き合っている彼女にいいように使われている。それが災いして彼女にローンで車を買わされる事になってしまう。そこで出会ったディーラーの保科に一目惚れはされるわ、親友の大介に気持ちがバレてしまうわ、詐欺のトラブルに巻き込まれるわ、ロクな事がない。自殺未遂まで起こす緋呂人だが、保科に強引に関係を持たされてしまって、なし崩しに付き合ってしまう。
こういう後ろ向きというか、気の弱い子って好きじゃなかったんですが、なんだか人間として共感できる部分もあり、ただ流されて終わる話じゃなくて、ちゃんと自分の意志を言える子になってくれて良かったなーと思いました。本のうしろのあらすじを読むだけだと、保科がただの傲慢な人みたいですが、優しくて人間的にかなり出来た人だと思いました。気弱だからＮＯと言えないんじゃなくて・・・という感じでしょうか。素敵なお話です。
花のある生活 （Ｂｅ×ｂｏｙ ｃｏｍｉｃｓ）
2002/07/24 23:17
頭の中で争う天使と悪魔
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「伊百川…お前…このままじゃ倉橋先輩に…女にされるかもしれないよ…」友人の藤田にそう言われ、急に同居している倉橋先輩を意識し始めた伊百川。これまでの行動を思い返すと…本当に先輩は変態かもしれない！？
やっぱり門地かおりの描く男の子は可愛い。ピンナップの伊百川が可愛すぎる〜！！ たまりません。睫毛がかなりパサパサ言いそうなほど凄いんだけど、それがまたいいんです。頬を染めてるのなんか、身悶えてしまいました。
内容はトロいちょっと内気な普通の男の子、伊百川にカッコ良くてモテる倉橋が一方的に惚れていて、じりじりと距離を縮めていつの間にか貞操の危機っていう話なんですが、この倉橋先輩がいい！ 変態度合いがたまりません（笑）。作品中でも「ただ奴は人間的に最低だった」とあるように、結構言ってる事とか最低なんだけど、先輩の妄想が凄いと言うか、本当に一人で突っ走ってて可笑しいです。伊百川だけが可愛くて大好きなんだなーって思えます。そう思って読むと本当に倉橋先輩可愛い人なのです。クールっぽいのに本当に好きな人の前では不器用っていうか、鼻血出したりとか（笑）ギャグテイストがかなり効いてます。私的に感動（？）したはスーパーのシーン。どんなシーンかは読んでみてくださいね。
『花のある生活』は可愛いお話なのでどどーんと５つ★でオススメしたいんですが、同時収録の『褪せる』『密室』『ねじ』が痛い話なので好き嫌いがあるかもしれません。っていうか全編エロありです。門地センセって好きな人は大好きだと思うんですが、やっぱり好き嫌い分かれちゃうと思います。『密室』は『運命の人』にちょっと近いかなとか勝手に思いました。私はこういう話大好きです。
甘い断罪
2002/07/31 23:43
断罪なのかな？
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高校時代からの友達、福山が誰かに脅迫を受けていた。そんなおりに、高校時代に密かに憧れていた秋吉が、営業マンとして化粧品会社に勤める俊哉の前に現れた。この再会は偶然なのだろうか・・・。
俊哉がどんどん頭の中で勝手に話を解釈し始めて、オイオイと突っ込みたくなる事数回。かなり突っ走る主人公でした。その分なんだか秋吉が可愛いく思えました（攻めに可愛いって言っていいんでしょうか・・・）
学園モノが多い鹿住先生なので珍しい感じですが、そんなに違和感はなかったですね。最後もラブラブで良い感じでした。
必ずと言っていいほどハッピーエンドで終わる作家さんなので、安心して読めるのが魅力です。
六月の雫
2002/07/24 23:48
ずるい男
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大学生の弘之はイベント会社でアルバイトに明け暮れていた。頼りにされているというのもあるが、28歳にして会社社長の木島直也に憧れているからだ。会社のメンバー達を飲みに連れて行った木島だったが、帰りぎわ弘之にマンションへ飲み直しに来ないかと誘う。
木島ってばずるい男です。女の遊び相手が何人かいて、婚約してる女性までいるのに弘之が好きで、好きだと言ったら混乱するかもしれないと思って気持ちを言わないで抱くだけなんですよ。もーずるい男ですねー、逃げてるだけに見えました。弘之は木島にとって遊び相手の中の1人なんだろうと思ってるから、気持ちを言われない事によって逆に追い込まれちゃう訳ですが、立場的に苦しかったりしてなんだか可哀相になってきちゃいました。
前半は面白かったんですが、後半は失速ぎみに思えました。あと、婚約者の存在意義が見出せませんでした。何故弘之の先輩でなければならなかったのか疑問です。そして最後まで弘之が気付かなかったので別にストーリーとして先輩の存在はいらなかったのでは？と思いました。前半が面白かったためだけにとても残念。
スウィート・ブルー・ソナタ （Ｃｈａｒａｄｅ ｂｏｏｋｓ）
2002/07/24 23:35
大人の恋愛
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前作『Blue,Deep Deep Blue』の続編。
いつまでも２人で生きていくと誓った達也と滋文だが、様々な不安が２人にのしかかる。自分達は変わらなくとも自分達を取り巻く環境は変わっていく。人生の選択につきあたり、達也をなくしてしまうのが怖くて一歩踏み出せない滋文だったが…。
同時収録『Romance』
結構ベタベタしているような、その割にドライのような、結構この主人公は不安感に弱い。達也がはっきり滋文は渡さないと言ったのがカッコ良かった。その後の脇役のストーリーが気になる。
やっぱりこの作家さんは人間の感情を描くのがとても上手い。硬質に見える絵だがふとした表情が色っぽくて良い。
同時収録の『Romance』は受けの子がどう見ても受けに見えないのが残念。大学生の頃の髪型の方が可愛かったのに…どうして〜（泣）
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