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7ひきのこぶたさんのレビュー一覧

投稿者:7ひきのこぶた

121 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本謎の私掠船を追え

2012/10/05 00:37

待ちくたびれた

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

やっと出たか、というのが、読む前の感想だ。何しろ、この本は「海の覇者トマス・キッド」シリーズの第8巻目だが、7巻目までは若干のズレはあるものの、ほぼ1年毎に巻を重ねてきた。ところが、7巻の『新艦長、孤高の海路』が2009年に刊行されてから、2年以上も音沙汰がない。不吉な予感がした。翻訳者の大森洋子氏には、徳間書店から出ていた「アラン海へ行く」シリーズを、未完にさせた“前科”がある(実際は、出版社の判断で打ち切ったのだろうが)。海洋ものは、好きな人な好きだが、日本ではあんまり、広いファン層がいないのか。だから、「アラン海へ行く」シリーズも打ち切られることになったのだろう。

  さて、ようやく出版の運びになった本書だが、シリーズの骨格はできているそうだ。強制徴募された庶民のトマス・キッドが徐々に昇進を重ね、提督に出世する夢物語である。第7巻で海尉艦長(コマンダー)に出世して、これまでなら、1巻毎に位が上がったものだ。しかし、敵国フランスとの戦いではなく、密輸を取り締まる役目では、華々しい活躍はできない。代わって、提督の令嬢との恋。親友のレンジに相応しいふるまいを習う。果たしてどうなるか。

  既に12巻目が上梓されていて、13巻も間もなくだそうだ。第8巻の終わり方が、予想もしなかったので、早い翻訳が待たれる。

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原点のレシピ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は<別冊NHKきょうの料理>だが、単純なレシピ集とは捉えないほうがいいのではないか。私は食物文化史の史料的な面のほうに、重きを置いて“読んだ”。
 まだ電気冷蔵庫もあまり普及していない昭和30年代。40年代になって、ようやく普及率は50%を超えた。しかし、まだ食材は昔のままだし、流通も限られている。だから、西洋野菜などは論外。そんな頃の“懐かしい”料理が並んでいる。
 とりわけ、当時としてはまだ目新しかった西洋料理や、中華料理を家庭に持ち込んだのは、「きょうの料理」の功績だ。いまであれば、定番として常識のような料理が、一品として紹介されている。ポテトサラダ、マカロニサラダがそれだし、プレーンオムレツも、もしかしたら仲間に入れてもいいかも知れない。カレーライス、ハヤシライスは全くの捻りのないストレート。また、スパゲッティーナポリ風や、スコッチエッグはどちらかといえば廃れたメニューだが、一世を風靡したのである。
 レシピを見ると、調味料が“貧しい”ことに驚く。だが、その中で本物の味を追求した。四川料理の「麻婆豆腐」は「きょうの料理」で故・陳建民氏が紹介したのが始まりだが、いまと違って「甜麺醤(ティエンメンジャン)」「豆鼓(ドウチ)」が一般には手に入らないから、八丁味噌で代用している。
 圧倒的に多い和食のメニューは、どちらかといえば主菜よりも、副菜のほうが多いように感じた。もっとも、この本は抜粋編集してあるのだから、必ずしも「きょうの料理」全体の傾向ではないかも知れないのだが。
 
 第一章 ちゃぶ台の上の愛情おかず
 第二章 デパ上、洋食屋のメニューが家庭にも登場
 第三章 「きょうの料理」名物先生。人気の味を再現
 第四章 昭和の台所から生まれたあの日の味をもう一度
 (章外) 「きょうの料理」昭和30・40年代のアイデアメニュー
 79品のレシピの他に、エッセイ、コラムも載っていて、当時の食べ物事情を思い出す一助になった。

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紙の本平成鍋物大全

2003/12/26 18:49

「鍋物」に関することは、ほとんど載っている。「ほとんど」とはいったが、私の知識の中では、「全部」といっても過言ではない

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「鍋物」の確固とした定義はない。なぜなら比較的に新しい言葉なのである。『広辞苑』(岩波書店)を調べると最新版(第5版)では見ることができる。だが、「初版」(1955年発行)には、「鍋料理」があるだけで、単語そのものは載っていない。つまり、鍋物という“くくり”ができたのが、最大限に見積もっても、50年弱なのだから、大衆のコンセンサスを得ている定義などないのだ。
 というわけで、編著者グループ・全日本鍋物研究会が独自で定義した。「1.火が見える(食事の場で煮る) 2.複数の人が一緒に食べる 3.各自が自分で鍋の中から具を取り出す 4.鍋の中に汁がある」−これを基本として本書は編まれている。
 ただし、基本に外れていても本書で除外されているわけではない。「大全」とは、その物事に関係したものを漏れなく編集した書物である。だから、本書の場合は、「1.一般的によく知られた鍋物 2.事典に載せるべき価値があると思われる鍋物(過去に存在した鍋物、鍋物に類似した料理も含む) 3.鍋物と鍋に関する熟語 4.調理法、主要な食材、調味料、用具 5.鍋物にゆかりを持つ人物、鍋物イベントなど」が同等の立場で「見出し」になっている。項目の数、ざっと600、かなり読み応えがある。

 すき焼きが鍋物かどうかということについては、かなり意見が分かれたという。冒頭の定義に「4.鍋の中に汁がある」がある。それだと、関東風すき焼きは条件を備えているが、関西風では割り下を使わないので欠格かもしれない。料理の分類からすると、焼き物の色が濃いのだ。だが、食べているうちに野菜や豆腐から汁気が出て、煮る状態とも見ることもできる。だから「関西風すき焼きは途中から鍋物になる」というのが全日本鍋物研究会の見解−これ一つとっても、こういうこだわりがうれしい。
 私は頭から読み始めた。事典として利用するなら、必要な事項を調べるだけでもいいだろう。実際、本書には事典に必須用件の索引も付いている。だが、それだけではもったいない。目的なしに事典(辞典)を読んでいるうちに、案外と知識を吸収できることもある。そして本書で私が真っ先に得た知識は−。 
 鍋といったら「なべ奉行」は有名だが、鍋物に関して“階級”がもう一つ存在するのは知らなかった。灰汁(アク)は取る必要がある。しかし、それも程度による。灰汁を取りすぎると「アク代官」と呼ばれるそうである。
 もちろん、この後「鍋物」の知識もたんと蓄えました。あくまでも「真っ先に−」なので、念のため。

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紙の本おれは失敗作か

2010/02/16 16:43

鹿児島県の阿久根市長は、本書を読んでいるのだろうか?

12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 芸能人が結婚や妊娠したときの、芸能リポーターの質問に「男の子と女の子のどちらが欲しいですか」というのがある。問われた芸能人は決まって「五体満足なら、どっちでもいいです」と答える。質問もくだらないが、その回答にあきれる。「五体満足なら」ということは、裏を返せば「五体不満足なら、要らない」ということにならないか。障害がある人間は、“失敗作”だから、不要なのだろうか。いや、人として誕生した限り“失敗作”ではない。

 もっとも、本書は著者の及川清美(脳性麻痺)が、それを声高に訴えるためのものではない。障害者として生まれた清美の、いうならば自叙伝である。。タイトルは、清美の父親の清二が、清美に対して「お前は、俺の失敗作だ」といったところからつけられた。
 もちろん、障害者としての苦悩が主旋律である。だが、のり子と出会った時点からは、恋愛談の変調が加わる。のり子は清美の入所していた《重度身体障害者更生援護施設「岩見沢桜の園」》の、当時の呼び方では「寮母」、清美は「寮生」として出会う。障害者が健常者に好意を持って、それを打ち明けてもいいものか。打ち明けて、相手にその気がない場合、普通は遠ざかることができるが、清美は「桜の園」にいるより他はない。また、当人同士がいいと言っても、周囲の人間の反対があるだろう。厚く高い壁がある。

 少し、話が脱線するが、障害者に対する「更生」という用語を使うのは適切なのだろうか。辞書で引くと【更生:1 生き返ること。よみがえること。蘇生(そせい)。2 精神的、社会的に、また物質的に立ち直ること。好ましくない生活態度が改まること。】とある。確かに“肉体的”には改善の余地があるが、自分の責任ではない。更生という言葉を、よく目にするのは、「非行少年を更生させる」のように、対象がネガティヴ。少年院も更生施設なのだ。“言葉狩り”をするつもりはないが、障害者のために、何か、違った言い回しがないかと思う。

 清美は現在、63歳。のり子と1978年に結婚して、1男2女をもうけている。

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一般に評判の高い大病院が、必ずしも高く評価されていない

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 医師免許は、それ1枚であらゆる科の医者として標榜を許す。だが、それでいいのだろうか。産婦人科を専門としていた医師が、畑違いの蕁麻疹の治療をして、投薬ミスで高校生の患者は寝たきりになったというニュースで騒がれたのは、去年のことである。かと思えば、一応はその科を専門としていて、大病院でそれなりの地位にいた医師が、手術をした(施術)ら連続して患者死亡というケースもあった。患者が医者にかかるのは、よくなろうとしてだ。それが逆に悪くなる恐れがあるのであれば、しゃれにならない事態である。本書は、著者が直接取材した、それぞれの専門科の名医と目される医師の名前が載っている。
 大きなくくりでは<がん>、<脳神経>、<精神神経>、<眼>、<耳鼻咽喉>、<心臓・血管・呼吸器>、<腎・高血圧・内分泌代謝>、<消化器・肛門>、<泌尿器>、<子宮・卵管・卵巣>、<骨・関節>、そして<がん>だと、《肺がん》とか《胃がん》といったように、もう少し分かれている。さすがに風邪は載っていないが、頭痛や生活習慣病は取り上げられている。なぜなら、初期の段階ではそんなに大したことはないと油断すると、命とりなる可能性があるからだ。
 問題は、この本で収まるくらいしか“名医”がいないのかということだ。350ページ余りだから、普通の本よりは厚い。だが、例えば《肺がん》で名医とされて揚げられているのは、わずかに26人だ。取材対象は全国だから、1都道府県あたり0.5人強の計算である。その上、求める医師がそれほど遠くない地域にいたとしても越えなければならないハードルがある。名医とこの本で書かれている「○○大の××教授」に診てもらうためには、どうしたらいいのか。接点がなければ、ほとんど診察してもらう可能性はない。知っていても「絵に描いたもち」である
そこで、著者は「まとめ」で、かかりつけのプライマリ・ケア医師の存在が大事だという。【認定内科専門医である】、【日々新しい知識を得ようとしている医師である】、【多くの優秀な医師との間に強いパイプがある】、インフォームド・コンセントがしっかり行われている】、【十分に患者の話を聞いてくれ、地域の評判が良い】、以上の5ポイントを満たすプライマリ・ケア医師が身近で見つけられれば、“名医”でなくとも、それに近い医師に出会えるはずだ。
 本音を言えば、名医を教えてもらうより、“やぶ”を教えてくれたほうが、ありがたい。でも、「この病気にこのやぶは避けろ」なんて、実名入りでは発表できないからね。

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もっと、歯医者と医者の連携が必要か−

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「歯を大事にしないと、全身の病気の原因になりうる」ということは、だいぶ前からおぼろげながらも知っていた。だが、肉体的な病のみならず、精神面の病気にも罹りうるとは初耳だった。本書は歯の治療の後「噛み合わせが悪い」と歯医者に訴えれば「むしろいい」といわれ、精神科を訪れれば「気のせい」と積極的なカウンセリングはしてもらえずに、ドクターショッピングの一歩手前まで行った著者の体験記である。
 結論を先にいえば、著者の病気は「口腔心身症」であった。「たとえば胃が痛いと思って胃腸科へいっても異常の見つからない人がいる。そういう人はストレスだと言われることが多い。つまり心理的・社会的な葛藤が臨界点を超えると。その人のいちばん弱いカラダの部分に症状が出てくる。口腔心身症は、これが口腔領域に出る病気」。ストレスだからといって胃は簡単には切れないが、歯のほうは患者が痛みを訴えれば、簡単に削れる。しかし、本来の痛みの原因は精神面なのだから削っても、よくなるどころか、かえって痛みを助長する。
 「心身症」と「精神病」の線引きを今ひとつ説明はできないが、おそらく体が病むことにより心が病むのが「心身症」。対して最初から直接に心が病むのが「精神病」ではないか。だから、著者の場合には精神科の医者では手に負えないのは、うなずける。もちろん、“普通”の歯医者では「口腔心身症」などの病名は、思いもよらない。
 そもそも、医師と歯科医師とはあまり交流がない。かろうじて、口腔外科を介して、両者が接点を持つ。著者がやっとの思いでたどりついたのは、「東京医科歯科大学歯学部付属病院」。そこの「総合口腔心療科」(現・頭頸部心療科)である。中心となる小野教授はもちろん、それ以外のメンバーも心療内科の勉強をしているそうだ。
 小野教授がこの診療科目を立ち上げたのは1999年4月。果たして、いまどのくらいの口腔心身症の認知度があるのだろうか。口腔心身症の名にしても、「歯科心身症」やら「口腔神経症」と統一されていないらしい。

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薬の使い方をよく勉強していない医者がいる。

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「のんではいけない薬」がなぜ存在するか。新薬は高価である。ところが、ほとんどは、従来品より薬効がない。少なくとも、値段と比しては効かない。それどころか害になっている。「医療に必要な基本的薬剤の大部分は1990年までには開発され尽くされてしまったのに、生体に強力に働く物質は多数開発され、製薬企業の力が強くなり、国のチェック機能がますます甘くなっているから」だと、著者はいう。
 そもそも、病気を治すのは自己免疫力を高めるのが一番。身近な例ではかぜだ。かぜは寒いところが好きだから「熱はウイルスよ細菌をやっつけるための重要な防御反応になります。「さむけ」や「ふるえ」は、低すぎる体温を「上げよ」と「脳」が指令した結果、筋肉が収縮するからです。こうして苦労して熱を出すと、かかった本人もしんどいですが、かぜやインフルエンザウイルスはもっとしんどい」。それなのに解熱剤を服用したらどうなるか。一時的には症状が軽減するものの、本質的には治っていないのだから、いわゆる「かぜをこじらせる」ことになる。やたらに薬は飲むべきでない。これは「医療用医薬品」、「一般用医薬品(いわゆる市販薬)」でも同様だ。
 幸いなことに、昨冬、騒がれたほどインフルエンザが大流行しなかった気配だ。その際、話題になったのが「タミフル」という薬。特効薬だと噂されたため各自治体が、流行前に確保しようと躍起になった。だが、タミフルは一部のウイルスにだけにしか効かず、効果があるウイルスに対しても、発病後24時間以内に服用しなければ、効かないという制限があった。それにも拘らず、服用すれば重篤な副作用の危険がある。これはのむべきだろうか。著者はどちらかというと“否定”の立場に立っている。
 <花粉症・アレルギー性鼻炎の薬>、<胃・十二指腸潰瘍の薬>など、病気ごとに解説を加え、最後に《必要》《不要》《危険》、主としてこの3種類(他の分類のこともある)に分けてある。
 実は、私はこの5年間、医者通いをして常用している薬がある。本文にはないが、巻末にある索引を繰っていったら、その薬の名があった。「のんではいけない」と一刀両断されていたら、どうしよう。おそるおそる開いてみたら、《必要》とあり、コメントに「WHOの必須薬であり、世界的には標準薬」、ホッ!

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世界遺産登録とは、ミシュランの☆のようなもの。ハズレはないだろうが、「なんで選定(登録)されていないのか」と首を傾げる物件もある

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「世界遺産」とは、どのようなものだろう。「世界遺産」とは、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて、世界遺産リストに登録された遺跡や景観そして自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値(Outstanding universal value)」を持つ不動産を指す-そう、いわれると何やら権威あるものという気がする。事実、私も本書を読むまでは、そのように感じていた。ところが、必ずしもそうではないようだ。誰しもが知っている名所が“遺産”に指定されていない。わかりやすいところでは「ナイアガラの滝」がそうだという。ちなみに、“世界三大滝”の残りの二つ(イグアスの滝、ヴィクトリアの滝)は、世界遺産である。
 
 そもそも、それを決める手順はどうなっているのか。私が個人的に「○○を世界遺産に指定しろ」と訴えても、ユネスコに門前払いをされるのは自明。「世界遺産条約」を批准した国単位でしか登録申請はできない。「まず、それぞれの国が、自国で世界遺産に登録したい物件をリストアップし、ユネスコに報告する。」これが暫定リストである。その中から、各国は登録してもらいたい物件を2件を限度に選んで、正式な推薦書を提出する。推薦を受けたユネスコは、世界遺産委員会に諮る。それらの物件の価値や保護状況について、事前に世界遺産委員会とは別の専門機関が現地調査を行い、ふさわしいかどうかの勧告をする。そして、勧告をベースに委員会は決定する。したがって、ほとんどの場合、世界遺産委員会の各委員は、事前に候補地を見ていない。あたかも、オリンピックの開催地の決定の際の、五輪委員と同様である。
 暫定リストは、“報告”なのだから、各国の考えで載せられるといえるが、推薦書を提出するのは周到な準備が必要だ。評価は四段階である。「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」である。世界遺産委員会は年に一度だから、「情報照会」なら、期日までに追加書類の提出ができれば、翌年に改めて審査してもらえるが、「登録延期」必要な書類の再提出を行った上で、諮問機関の再調査を受ける必要があるため、世界遺産委員会での再審査は、早くとも翌々年以降になる。そして、「不登録」と決議された物件は原則として再度推薦する事ができない。日本が推薦した物件は、これまで、必ず「登録」されてきたのが、2008年に「平泉-浄土思想を基調とする文化的景観」が、初めて「登録延期」とされた。正直に言って、私の記憶にはないが、“平泉ショック”と、ニュースにもなったらしい。その前の年に登録された「石見銀山」との比較で、「金(中尊寺金色堂)が銀(銀山)に負けた」とも騒がれたようだ。

 2007年に文化庁が各自治体に募集して、「暫定リスト」に載せられることになった物件数は、36である。我が国で、世界遺産委員会に推薦するのは毎年1物件に限られているので、これらが順調に「認定」を受けられて「登録」の運びになったとしても、終わるのは36年後だし、「登録延期」や、新規のリスト掲載物件もあるだろう。それなら、登録に血道を上げる前に、遺産を遺産として残す、国内の“環境”整備が、大事だと思う。

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3食ファストフードにすれば、それは危険だろうね。でも、たまに食べるのも止めるべきか。悩む

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 「ペットボトル症候群」という言葉がある。これは身近に大容量のペットボトルの清涼飲料水があるため、ともすれば摂取過多になり、糖尿病になる恐れがある−そのプロセスを表した言葉だ。お笑いの「安田大サーカス」のHIROが、持ちネタのジュース1.5Lペットボトル一気飲みを封印したのも、そういうわけでドクターストップがかかったのである。
 私の小さいころは、ペットボトルなどなかった。清涼飲料水は200mlのガラス瓶に入っていて、その量だけで満足していた。だが、ペットボトルの出現で、いつしかなし崩しに、大量摂取になれてきた。だってそうだろう。冷たいコーラを買おうとすると、街のあちらこちらにある自販機に350ml入りの缶がある。120円だ。それがコンビニに行けば、140円で500ml入りのペットボトルがあり、240円も出せば1.5L入りのも買える。1.5L入りのほうがはるかに割安なのだから。
 この本の著者は映画「スーパーサイズ・ミー」の監督である。だが、映画の軽い裏話などを期待すると、裏切られることになる。映画で言い切れなかったことを、増幅してはっきりさせた告発本である。ジャンクフードであるファストフードの大量摂取がどれだけ危険か、それにもかかわらず、大量消費を顧客に勧める大企業。幸い、日本では「L」の上の「スーパーサイズ」は存在しなかったが、「L」でも十分多すぎる。
 数字的なカロリーの帳尻は合っているようだが、その栄養素の中身が問題だ。例えば、ある有名なハンバーガーは540kclあるという。昼食やおやつにはちょうどいいカロリー量のようだが、ところがどっこい、飽和脂肪が50%占めていると聞けば、二の足を踏むのではないか。しかし、そこのホームページには、「540kcl」だけしか載せていなくて、後半の情報は“シカト”である。
 この本の内容にはどれだけ信憑性があるのだろう。著者は「スーパーサイズ・ミー」完成後、日本にもプロモーションで来ている。「日本では不思議なことが起こった━━どのテレビ局もラジオ局も、僕にインタビューしようとしないのだ。(中略)代理人たちがメディアに迫った━━スパーロックにインタビューをしたり、映画の話題を伝えたりしたら、そうとうな金額の広告収入を失うことになるぞと」−非公式に広告の担当者やジャーナリスト自身が、会えない理由を教えてくれたという。
 私は、1カ月に二、三回ほど、最大手のファストフードでイートインする(テークアウトしてまで食べようと思わない)。その際、トレイの下に敷いてある紙に「ファーストフード。そのおいしさや安心は、スローに造られています。」と印刷してあるのに、先日、気づいた。意地悪な見方をすれば、今までそのような語句はなかったのに、ここに来てわざわざこんな主張をするのは、この本への対抗策なのか。ま、私の場合、この本を読んだ後でも、利用する頻度はたぶん変わらないと思う。そのくらいなら、大丈夫じゃあないかと思うからである。自己責任だ!

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苦情を言うのにもエネルギーが要る

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 「苦情」といえば、言う側と応じる側と両者がある。へそ曲がりな私は、クレームをつけるテクニックの本だったら、面白いのになあと、いくらか期待して、本書を開いた。だが、ヨミどおり(?)に違った。苦情にどのように対処するかのノウハウ本であった。
 筆者は34年の長きにわたって西武百貨店に勤め、そして退職前には「お客様相談室長兼社員教育部長」を務めた。問屋は顧客がある程度限られていて、相手もそこそこ商品知識がある。一般小売店も専門店なら、商品のだいたいの弱点がわかっているから、苦情もある程度かわせる。だが、百貨店は扱っている商品がいろいろなので、千差万別の苦情が持ち込まれる。だから、それに対応してきた著者は、いわば“苦情のプロ”なのである。
 第一章 私の仕事論
 第二章 百貨店の苦情は百花繚乱!
 第三章 苦情の原因と種類
 第四章 お客様相談室
 第五章 苦情の入手から対応まで
 第六章 教育システム
 第七章 優良企業はお客様の声をどう生かしているか
 「お客様は詐欺師をのぞくと、でたらめは言わないものです」、例外的にクレーマーはいるかもしれないが、まず顧客の言っている状況を正しいという認識からスタートしたい。どんなに信じられないことでも、「絶対ありえない」ということはない。そして非を認めたら、なまじ下手な言い訳はしないほうがいい。若手の店員、いや、売り場主任や課長クラスでもそれを間違える。一度、処理を間違えたら修正は2倍、3倍のエネルギーを要する。
 以前、兄が営んでいた小さな小売店に、品物を購入した客が苦情を持ち込んできたことがある。不良品だというのだ。しかしながら、売る側とすれば決して不良品ではない。完全無欠の商品など存在しない。それは無視できる程度の欠陥、いうなればパソコンの液晶ディスプレイが2、3個点かないのはいいものとするみたいな程度であった。だが、そのお客は納得しない。応対は兄がしていたのだが、けんか腰にならないように、噛んで含めるように“にこやか”に説明していたところ、「なに、“ニヤニヤ”しているのよ」とかえって怒りを煽ってしまった。どう結論した(納得させた)か記憶にないが、ことほど左様に苦情処理は難しいのだ。

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紙の本歴代天皇のカルテ

2006/09/05 20:41

閉鎖的空間で満足に運動もできないのだから、歴代天皇は病気にもなるね

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 皇室関係の記述は、気をつけないと微妙なところがあるが、本書には思想的色合いはない。世界中で一番、万世一系のつながりがはっきりしている歴代天皇の、病歴・死因を分析しているだけである。もっとも、戦前ならば現人神に対してそのような分析は不敬罪だったかもしれない。でも、戦後、昭和天皇が人間宣言をして、いまの憲法下での位置づけは“象徴”。そういう意味では二重に“安心”して、発表できる。
 三重(みえ)の県名の由来は、ヤマトタケル(第14代景行の皇子=日本武尊)がこの地で、膝が三重(さんじゅう)に屈曲する病に倒れ、逝去したことに因るのだという。ま、記紀の時代は伝説。第1代の神武天皇は古事記だと137、日本書紀でも127が崩年(一般人でいう享年)だというのだから、病歴を推測できるよすがもない。いきおい、資料のあるのは飛鳥時代以降になる。
 免疫がないと、病気は大流行する。古代の朝廷でも急性伝染病が多くの宮廷人をなぎ倒した。「とりわけ猛威をふるったのは痘瘡(もがさ、天然痘、疱瘡)である。(中略)痘瘡の未流行地帯である古代倭国に蹂躙され、おびただしい犠牲者がでた」。宮廷も例外ではない。天皇も多くがそれで早世されている。
 聖徳太子は第31代用命の第2皇子で、第33代推古(女性天皇)にとっては甥。それゆえ摂政になったわけなのに、どうして晩年が聞こえないまま舞台から消えてしまったのか、かねがね疑問に思っていた。答は単純明快だった。医者である著者の推測に拠れば「感染力の強い痘瘡に罹った可能性がもっとも高いと思う。(中略)おそらく多量の発汗で脱水症状におちいり呼吸促迫と頻脈から心不全をおこして」49歳で死去に至った。
 痘瘡といえば、第121代孝明の死因がそれだったと著者は“検死”する。佐幕派の孝明天皇が邪魔で、倒幕派の岩倉具視が毒殺したのではといううわさがあるが、複数の侍医がちゃんと診断したのだから、誤診ではない。回復期にかかってからの、様態急変が“毒殺説”の根拠だが、「痘瘡が治癒する過程で細菌感染をおこしたのではなかろうか。発疹がなおってくるとかさぶたが痒くなる。孝明天皇も、かさぶたを爪で引っ掻くうちに化膿をおこし、これが二次感染に移行して重態におちいった可能性が高い。(中略)病状急変は医学的にみて不審であるとは必ずしもいいきれない」そうだ。
 巻末に神武天皇から今上天皇までの“カルテ”がついている。

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紙の本コインの水族館

2011/06/14 21:49

さすがに、海岸線のない内陸の国にはないようだ

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 確認のために辞書を引いてみた。【コイン(coin):硬貨。貨幣】、その他の意味はない。だから、「メダル」と間違えているわけではない。そうすると“水族館”ができるほど、魚介類を意匠にした「お金(コイン)」があるものなのか。私は外国に行ったことがないから、本書を開くまで、半信半疑だったのだが、世界中、そして歴史(古銭)を探せば、結構あるものだ。

 コインは大きく分けて2種類ある。普通に使う「一般硬貨」と「記念硬貨」だ。前者は発行枚数は“必要なだけ”だが、後者は一定の決めた枚数だけである。だから、価値が上がる可能性があるのは、記念硬貨なのだが、「未使用」「プルーフ」なら一般硬貨も負けてはいない。むしろ、手脂が付いてしまった記念硬貨よりも、「未使用、プルーフ」の一般効果のほうが価値があるだろう。

 本書に載っている、日本で発行された魚介意匠のコインは3種類。おそらく、他ならない我が国のことなのだから、漏れはなく、それで全部だと思われる。日本で最初の魚のコインは、残念ながら、「魚だ」ということがわかるだけで、魚種は不明。発行年が1946年というから、終戦の翌年。一般硬貨だから、とりあえずなにかデザインをとばかり、“やっつけ仕事”だったのか。二度目の発行は、1975年の沖縄海洋博の記念硬貨。海洋博のシンボルのイルカが描かれている。ただ、優先事項として「100円」と「EXPO75」と「OKINAWA」と「昭和50年」が、記す必要があるので、イルカはゴマ粒ぐらいの大きさである。
 三度目は2010年、「地方自治法施行60周年記念・愛知県」。「愛知県」と刻印してある1000円硬貨。もしかしたら、県ごとに発行したのかもしれない(魚介以外の意匠で)が、愛知県と記してある魚介は、「シャチホコ」。ただ、シャチホコは想像の動物で、必ずしも「魚類」とは言えないかもしれぬ。もっとも、前記の海洋博のシンボルのイルカとて、分離学上では脊椎動物(海獣)であって、魚類ではないけれど。このコインは、「カラーコイン」である。カラーコインとは、読んで字の如く、彩色してあるコイン。聞くところによれば、1990年代になってからだというから、割と、前からのようだが、カラーコイン=記念硬貨なので、記念硬貨にあまり興味がなかった私は、本書で初めて拝見。なかなか綺麗なものだ。

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日本はどこへ行くのだろう?

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 江戸川柳に「売家(うりいえ)と唐様(からよう)で書く三代目」というのがある。「唐様」とは、中国風の、武士などの上流階級が使う文字体(フォント)のこと。つまり、そういう文字体は、それを使う“おぼっちゃま”を象徴している。一代目が苦労して築きあげた財産を、なんの苦労もせずに受け継いだ三代目は、食いつぶして売家にするしか能がないという意味である。日本の国会議員は二世、三世が大挙して顔を連ねている。それでいいのだろうか。「自民党では、海部俊樹を最後に二世政治家以外の「総理総裁」は誕生していない」、そして本書発行以後、下野した自民党はまたもや谷垣禎一という二世議員を「総裁」に選出している。もっとも、対する民主党とて、鳩山総理自身、四代目と言えなくもないが。
 「三角大福中」といわれ首相の座を争った5人は、みんな一世である(最終的には、みんな“総理の座”に着いた)。「三角大福中」の1人・中曽根康弘元首相は「二世、三世は図太さがなく、根性が弱い」と言ったそうだが、まさしく至言である。

 著者の経歴は「議員秘書として五年、米紙記者として三年、フリーランスのジャーナリストとして七年、筆者は長い間、政治の渦中にいる」そうだが、大新聞の政治記者上がりのいわゆる政治評論家とは、一味違うようだ。世間の常識とは異なった分析をしていることが多い。一昨年、鳩山邦夫法相(当時)が「私の友人がの友人がアルカイダなんです」という“アルカイダ発言”をして騒ぎになった。マスコミはそこだけ切り取って、鳩山法相の発言の軽率さを責めたが、著者はむしろ軽率なのはマスコミなのではないかという。なぜなら、鳩山法相はそれに加えて、「その男はバリ島中央部の爆破事件に絡んでいた」「事件後に、二回も、三回も日本に来ていたようだ」「いまもテロリストは日本国内にうろうろ」「防衛、警察、法務などの役所に伝えたが、みな動かなかった」。つまり、鳩山法相が真に言いたかったことは、「テロリストの存在を、関係部署に伝えたが、みな動かなかった」のほうで、「アルカイダ云々」は前置きに過ぎないのだ。それなのに、「アルカイダ」のを中心に取り上げたほうが、おもしろおかしいから、表面的な発言で叩いた。
 加藤紘一議員がその翌々日の自身のブログに「私と大臣の議論の中で、大臣がアルカイダの幹部の動きを察知していたのは、疑惑ではなく本当のことであることがはっきりしてきました。さらに法務省の入国管理局が、アルカイダの幹部が入国しているという事実を、鳩山邦夫氏から聞き及んでいるにもかかわらず、なんの対応も採らなかった疑いもでてきました」と、記している。どちらかといえば、これまで鳩山法相に批判的な加藤議員ですら、そうなのだる。マスコミは片言隻句を取り上げる前に、情報を収集し、それを分析するのが先ではなかったか。
 鳩山法相絡みで“死神事件”もあった。鳩山法相になってから、やけに「死刑執行」が多かった。平成に入ってからの人数は過去最多だという。だから、非難する人がたくさんいる。だが、法務大臣は刑事訴訟法に定められていることに従っているのだ。そして、刑事訴訟法を定めたのは国会である。メディアや弁護士会が、死刑停止を主張するならまだしも、国会議員が反対するのは筋違いだそうだ。
 
 先ごろ、注目を集めた“記者クラブ問題”がある。記者クラブに加盟していなければ、記者会見にも出られないのはおかしい。そういう変な規則があるのは日本だけだと声を上げ、是正を訴えた。政権交代で、いく人かの大臣の耳に届き、記者クラブ未加盟でも記者会見に参加できるようになったようだ。
 本書にある《アフリカ開発会議の低調さが示す「援助だけで能がない」日本外交》の【追記:POSTSCRIPT】では、形は違うが洞爺湖サミットのことを取り上げて、閉鎖的なマスコミ(対策)を批判している。「すべての海外メディアは、会場から三〇キロも離れた留寿都のメディアセンターに閉じ込められた。記者クラブ加盟社以外は一歩たりとも会場に近づくことができず、各国首脳の様子もモニターすら設置されていないため、NHKテレビで見る以外に方法はなかった」。だが、そんな理不尽な状況も、みんなに知らされることはない。理由は、放送社、新聞社は記者クラブに加盟しているからである。

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紙の本ルポ産科医療崩壊

2009/10/20 01:07

なんとかしなくてはならないと、みんなわかっているが、即効性のある方策はない

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 この秋、藤原紀香主役の「ギネ 産婦人科の女たち」(日本テレビ系列)というドラマが、スタートした。「困ったときの“医者もの”」というわけではないだろうが、テレビ業界は、ドラマにしろ、ノンフィクションにしろ、医者を主人公に据えるのが好きなようだ。だが、これまでは“医者もの”といっても、あらかたは外科医周辺。これまで、産婦人科をメーン舞台にした連続ドラマは、私の記憶にはない。それが、今回、テーマに取り上げられた。その理由は、昔と現在では、あまりにも「出産の環境」が違ってきたからであろう。

 プロローグ 周産期医療の現実
 第1章 産み場所はなぜ消えるか
 第2章 増える「危うい」妊娠
 第3章 増える「困った」妊婦
 第4章 逃げ出す医師たち
 第5章 被災地・NICU
 第6章 助産師は時代の救世主か?
 第7章 安心して産むために
 エピローグ 絶滅危惧種

 日本医師会は、2007年3月『地域の産科が、次々と閉鎖に追い込まれています。それにより、将来50万人の「お産難民」が発生する可能性があります』という意見広告を出した。「お産難民」、その言葉が「出産環境」が、昔とは違ってきていることを端的に示している。妊婦が安心して子どもを産む場所がない。妊娠が判明したら、その場で「予約」をしないと、入院もできない。それも絶対ではない。予約を取って、たびたびの検診も受診して、安心していたら、「産婦人科は、○月×日をもって閉科します」との、妊娠5カ月時点での通告。「お産難民」の発生だ。
 それでも、結果的に出産に異常がなければまだいい。ここ2、3年、出産にかかわるニュースが数多く、報じられている。2006年8月、奈良県吉野郡大淀町の町立大淀病院で分娩中に脳内出血を発症した妊婦が、県内外の19病院に受け入れを断られ、約6時間後に国立循環器センター(大阪府)に搬送されたが、妊婦は1週間後に死亡した。また、一昨年には都立墨東病院がらみで、似たようなことが起こった。墨東病院は周産期医療センターであったにもかかわらず、当直の医師が一人だという、ありえないようなお寒い状況だった。
 また、医師の治療行為に司直の手が入ったこともあった。福島県双葉郡大熊町の福島県立大野病院で、福島県立医大産婦人科医局から“一人医長”として派遣されてきたK医師が、2004年12月、前置胎盤で入院中、帝王手術後、妊婦が大量出血して死亡した。裁判の結果、医療過誤はないということで無罪(その後、確定)。医師は皆、「結果責任で訴追されるのなら、リスクを負う治療はできなくなる」と、口をそろえる。福島県立医大産婦人科の教授は、今でも悔やむという。なぜ、一人医長になる大野病院に派遣したんだろう-と。
 
 産婦人科医は、自分で自分の首を絞めているようだと、他科の医師が評する。ハイリスク分娩自体が減ったのではなく、助ける側が充実しただけで、放っておけば1~2時間で死んでしまう1000グラム未満の超低出生体重児も人工呼吸器をつければ助けられる可能性が高い。大量出血した妊婦も、異常分娩でも、輸血や母体搬送で助かるようになった。ただし、それなりの予後の治療が必要だから、産科医の仕事はますますふえて、崩壊の道をたどることになる。

 

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世界で一番辛い「ブート・ジョロキア」も載っています

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 とうがらしは「ナス科トウガラシ属」、品種は数百種類ある。原産地は北アメリカ大陸で、コロンブスがアメリカから持ち帰って、他の大陸に伝わったというのが定説であるようだ。ちなみにコロンブスのアメリカ上陸は1493年。
 日本に伝来したのは割と早く、1542年にポルトガルの宣教師が大友義鎮に献上した記録があるそうだ。問題? は朝鮮半島との関係。日本から朝鮮半島へと伝来したという説が有力で、一説には、豊臣秀吉の朝鮮侵攻の際に加藤清正によりもたらされたというものがあるけれど、朝鮮半島の人に「歴史上、嫌いな日本人」のアンケートを取ると、ワースト5に必ず入るのが、豊臣秀吉と加藤清正だというから、たかがとうがらしであっても、“そいつら”によって、もたらせられたというのは我慢できないのだろう。韓国では1487年に刊行された『救急簡易方』に唐辛子についての記述があるとして、韓国原産と信じられている。
 九州の一部では唐辛子を「胡椒」と呼ぶことがある。有名なのは大分県の「柚子胡椒」だけど、そういえば、大友義鎮の領国は豊後、今の大分県だから、こちらを最初は胡椒と言っていたのかもしれないね。
 というわけで、「ゆずこしょうペペロンチーノ」を試作。「柚子胡椒」の作り方自体も載っているけれど、「青い柚子」と「青唐辛子」を探しに行くのが面倒なので、その段階はパス(ただし、材料がありさえすれば、簡単にできそうだ)。1.キャベツのざく切りをパスタが茹であがる、1分前に加える。2.フライパンにオリーブオイルと鷹の爪を入れて火にかけ、香りが移ったら、汁ごとのホタテ缶、パスタのゆで汁、こぶ茶を入れ、火を止めて柚子胡椒を溶かす。3.1で茹であがったパスタを湯切りして、2と和える。辛さは好みによるが、柚子胡椒の風味を楽しむように、あまり辛くしないほうがいいのではないかな。

 《とうがらしイロイロ》、《とうがらしはおいしい》、《とうがらし調味料》、《おいしい調味料がほしい》、《とうがらしはこうして食べる》、《とうがらしはどこで手に入れる?》、《こんなとうがらしもアリ!?》、《浅草やげん堀へ オリジナル七味唐辛子を求めて》、《お土産とうがらし》、《からだにウレシイとうがらし》、《とうがらしばなし》、《協力会社・店舗紹介》。全13章、とうがらしについての雑多な知識が、テンコ盛りだ。

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