神が書いた本のようださんのレビュー一覧
投稿者:神が書いた本のようだ
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〈映画の見方〉がわかる本 『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで
2002/09/09 11:37
まさに核爆弾級の読みごたえ!!
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かつてこれほどまでに映画を愛し、そのエッセンスを搾り出した批評家がいただろうか。著者は渾身の力を振り絞って観客が誤読または未解読のままにしていた長年の諸問題を明確な形にしている。
『時計仕掛けのオレンジ』とはスラングから引用されていることや、この作品に触発されていた人間から端を発する暗殺の連鎖。
また『2001年宇宙の旅』の様々な謎がどのように出現し、また後のキューブリック演出に決定打を放つことになったのか。
さらに『地獄の黙示録』『ダーティー・ハリー』等々にからむ驚愕の真実。
徹底的に原著にあたり、また全てのソースを餓鬼のように漁り尽くした膨大な作業のなかから導き出されていく結論には、まさに創り手の真実に到達しようとする嬉しい狂気に裏打ちされたものだけに余談を挟ませない。
著者の映画を理解し尽くそうとする執念は、まさに従来の“ぬるま湯的映画感想屋”の駄文を一蹴するものであり、その意味に於いて“町山イズム”を前にして生き残れる批評家はほんの一握りになるだろう。
全ての批評家が彼に倣うべきであり、映画芸術の致死的な魅力に淫した男の誕生に喝采を送るべきだ!
腐った批評家の本を数万冊積んでも、この本の一行にも値しない。
感動と狂気を愛する者ならば誰しも一生に一度は読んでおくべき一冊。
必読です。☆×10万
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