コアラんさんのレビュー一覧
投稿者:コアラん
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紙の本図説奇形全書
2004/10/05 03:46
決して面白半分で書かれた本ではない、知る事の意味。
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「奇形」という言葉を聞いて何を思い浮かべるか。「不自由」、「ハンデキャップ」、「不完全」、「失敗」、「化け物」…五体満足な人々の多くは劣悪なイメージにを思い浮かべてしまうのではないだろうか。私自身この本を読むまではそうであった。
これほどまでに自らの奇形を生きる糧にしてきた人々がいたなんて。きっと奇形ではない人間には計り知れない程のハンデの辛さがあるのだろう。しかしこの本で紹介されている多くのスター達はとても生き生きとしていて、中には最高の富、栄誉までも手に入れた人もいる。決して劣っているわけではない、それどころか、まるで自らに与えられた才能であるかのように希望に満ちていた人々もいた事実に仰天させられた。紹介されている内容はあくまでその存在のみなので、実際その人々が本当に幸せであったかは定かでないが、人間の強さを感じれることは間違いない。
しかし、「奇形全書」というだけあって勿論これだけでは終わらない。時代と国によっては奇形として生まれただけで殺されてしまったこと、人口的奇形における残酷な事実があったこと等もこの本では包み隠さず紹介している。また、知識面でも様々な方向から余すことなく掲載され、図版もかなり充実しており、最後まで飽きさせる事はない。
まずは怖いもの見たさでこの本を手に取るのもいいだろう。このようなテーマだから賛否両論もいたしかたない。だが、全てを読み終わった後、必ず何かを得ることの出来る一冊だと私は確信している。
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