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真愛さんのレビュー一覧

投稿者:真愛

96 件中 16 件~ 30 件を表示

紙の本もりのおとぶくろ

2010/04/20 15:18

懐かしい絵本。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 『おとぶくろ』と言う言葉と可愛いうさぎ達の表紙に目を惹かれました。表紙を開くとそこはうさぎ達が生活をしている森の中にお邪魔した様。
 足をけがしたおばあちゃんの為にうさぎの兄妹はおばあちゃんが遠い目をして話してくれた森の様々な音を届けると元気になるのでは? と音を探しに行きます。兄妹それぞれ風、水、鳥の声、森の葉の音と探す音を分担します。その音の表現は可愛らしく独特で絵を見ていると本当に聴こえて来そうです。
しかしお兄ちゃんうさぎがどうやっておばあちゃんの所までこの音を持って行くのか気付きます。確かに音はそこに居ないと聴けないものですよね。兄妹達と一緒にわたしまで悩んでしまいました。
 日がくれ翌朝になった時うさぎ達は自分たちが今まで見付けた音が聴こえて来る場所へ急いで行きます。そこには大きな木がありました。森に何百年と居るその大きな木は森の音を集めていました。うさぎ達は事情を話すとおじいさんの木はその集めた音を貸してくれます。そうそれが謎だった『おとぶくろ』どうやって木は『おとぶくろ』を作ったかは読んでからのお楽しみ。おばあさんうさぎは早速その森の音を聴くと見る見るうちに活き活きとしてきました。そしておばあちゃん治っておめでとうとうさぎの末っ子のお誕生日を祝う楽しく仕合せな笑い声がお家から漏れます。
 うさぎの兄妹は翌日大きな木へおとぶくろを返しに行きます。そこには知らず知らずに前日のうさぎ達の楽しい笑い声が加わっていました。大きな木はこれからもずっと森の音を集めて行くのだろうな。
 読んでいてとても懐かしい気持ちにさせてくれる絵本でした。森の中、冒険したい年頃の優しい心を持つ子ども達、どんな森の奥でも変わってゆくものたち、それを見守る長寿の木。幼い頃に読んだり、テレビで観ていたその時の心を思い出させてくれます。
そしてうさぎ好きには絵の細かな部分に注目。お家の屋根はうさぎのおみみの他うさぎの兄妹の持っている物等うさぎの絵が描かれていたりうさぎマークを見付けるのも楽しいですよ。

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紙の本赤ずきん

2009/10/18 17:46

衝撃の赤ずきん!でも。。。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 書店で作者と表紙の絵を見てこんなにも心揺さぶられたのは久々の事。箱乗りしている赤ずきんを放置するなんて出来ませんでした。表紙同様、挿絵もシュールな物ばかり。ほしよりこさんの絵ですもの何だか納得。
 お話も正直一度読んだだけでは理解出来ませんでした。もう愕然とする程に斬新で衝撃的。理解が、頭がついて行かない。何度か読むうち「あぁ理解ではなく感じる物語なのね。」と漸く気付くと不思議と距離が縮まった感じ。でも読む度に感じ方が変わるのはやはりいしいマジックなのか???
 物語は”目にはみえない赤ずきん”を身にまとう赤ずきんがこれまた”目にみえない犬”おおかみと共にマグロ船ドンデコスタ丸で出て行ったジローへの手紙口調でジローとの思い出も交えながら最近の出来事を綴っている。「出来事」といってもこれまたとんでもなく不意打ちの様なファンタジィ。だけど”目に見えない赤ずきん”を纏ってる赤ずきんは永遠の危うい少女の様でジローへの想いは一途で可愛らしく、また周囲への行動は強がりや時に攻撃的で大人の女性の生き様のよう。
 最後は赤ずきんの手書きのジロー宛の手紙となって終わります。誰にも見えない赤ずきんをしっかり捉えたジローはかけがえのない人。誰しも本当の自分を見てくれるジローの様な唯一無二の誰かを待っているのかもしれませんね。
 初め「対象 小学生」と見て、イヤこれは大人向けでは?と思いましたが柔軟な子どもだからこそ向いているのかな?と読み終わってから再確認。とは言え幅広い年齢対応の作品だと思いました。
 

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紙の本くまのがっこう

2002/11/17 23:22

かわいい12匹のくまさん

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

児童書コーナーに行った途端、目に付きました。鮮やかな黄色の表紙、そこにいっぱいいるくまの子たち。ページをめくると、かわいいくまたちが所狭しと動いていました。12匹12通りの性格。本を読むのも、絵を描くのも12通り。お掃除の時間、一斉に床をみがく12匹のおしりはかなりかわいいです。学校がおわり家に帰って寝る準備。ママが恋しくて1人と泣き、2人と泣き、連鎖の様に鳴き始めます。そしてとうとう1番のおちびさんまで…。大人が見てもかわいいなとおもえる1冊です。是非、そのページを開いてみて下さい。かわいい12匹のくまの子が迎えてくれます。

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紙の本しゃっくりがいこつ

2011/09/08 16:34

ナイスキャラながいこつ。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 一時品切れでなかなか購入出来なかった絵本をやっと入手出来ました。
表紙とタイトルだけでとっても気になっていた絵本。読んでみると「なるほど」と人気の訳がわかりました。

 朝起きるとしゃっくりが止まらないがいこつ。ヒックヒックさせながらもいつも通りの日常生活を送ります。ここで興味深いのががいこつの日常。お部屋はこうなのね、こう一日を送るのね、と絵本と理解しつつも何故か妙に納得して微笑ましくなります。シャワーを浴びるだけではなくきちんと骨のお手入れも欠かしていないなんて感心してしまいます。
でもそんな日常生活を送る間もしゃっくりは一向に止まらず。ハロウィンのかぼちゃのランタン作りは微妙に下手なのがしゃっくりのせいかがいこつの不器用さなのかちょっと気になったり。
 がいこつはしゃっくりが止まらないままおばけの友達と遊びます。おばけの友達はがいこつにしゃっくりを止める様々なアドバイスをします。誰もが知っている水を飲む、と言うシーンではがいこつのあらゆる所から水がだだ漏れなのには思わず声を出して笑ってしまいました。なかなか止まらないしゃっくり。おばけの友達は意外な方法で止めます。「えっ!?がいこつくんそれって。。。」とちょっとキョトンとしてしまいました。

 しゃっくりは最後には意外な方法で止まりめでたしめでたし。でもわかっていても何度も読みたくなる。大人でもこのがいこつのキャラに惹かれるのだからきっと子どもなら好きだろうなぁ、と感じました。

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紙の本さよならペンギン 復刻

2011/07/14 14:48

お洒落で絵本の真髄。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この絵本は糸井重里さんが1976年に出版した絵本の復刻版です。糸井さんはコピーライターとしか知らなかったわたしには新鮮で興味をそそるには十分でした。しかしそこに「完全復刻」の文字とバーンと惹き付けるペンギンの表紙はインパクト大。『ほぼ日』にて当時の絵本を持っている方へ呼びかけ実現した絵本。
 期待は外さない。
 内容はペンギンが海水パンツを買いに行くのですが面白い程突拍子も無い所へ迷子になって行ってしまうのです。
その突然さが「これぞ絵本の成せる技」と思わせる楽しさ。文章も短くてリズムが良く繰り返し読みたくなります。その文章を崩す事無く描かれる絵はページをめくると心地好さまで感じます。ユーモラスで絵本の中を駆け回るペンギンはとってもキュート。

 またタイトルの『さよならペンギン』とだけ読むと「何かお別れの本?」等読む前に様々な寂しさを連想しましたがこれもまた違いました。
「さよなら」は次の新しい出会いへの「こんにちは」
そう「さよなら」を終わりじゃない、と気付いたのは初めてでした。

 読み終わった後笑顔になる。そんな絵本に久々に出会いました。
 復刻されて出会えた事に良かった、と思える一冊です。

 

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華やかな上品さ。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 PAUL & JOEが誕生し十五周年。その記念ムック。2011年SSコレクションを代表する鮮やかな花柄ドレスと同じ柄の表紙は一際目を惹きます。

 書籍の始まりはなかなか拝見する事の出来ないパリのオフィスから。グッとPAUL & JOEの世界への興味をそそられます。デザイナー・ソフィーが写らなくとも存在を語るデスクはデザイナーならではの個性の気がします。またスタッフの方達の紹介ではPAUL & JOEのお洋服を最高に着こなし「このブランドを愛しているんだなぁ」と思わせます。
パリ郊外にあるジュニアスイートも紹介されていますがまさにソフィー色!こんなにも素敵な部屋へ泊まりたい、と想いを馳せてしまいます。
その後のページは圧巻の2011年SSのパリコレ、様々な芸能人の方が着るPAUL & JOE、そして2011年SS新作のPAUL & JOE、HOMME、SISTER、小物類、BEAUTEの紹介が畳み掛ける様に続き素敵過ぎて「はぁ〜」とため息が漏れるばかり。BEAUTEではモデルさん使用カラーやメイクの仕方等お洋服とは違う魅力を見せてくれます。

 わたしが住んでいる札幌ではコスメしか手に入らない為実際PAUL & JOEのお洋服に触れたり、見たり、着たり。。。想いは募るばかり。
付録のビッグトートがその想いを落ち着かせてくれる素敵な作りです。

 とても満足な一冊ですが欲を言うと十五周年ヒストリーが少なかったのが残念です。折角素晴らしいテキスタイルのPAUL & JOEなのでそのテキスタイルだけでもページを設けて欲しかったです。

 とは言えとても満足してしまう不思議な一冊です。

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紙の本へっぽこまじょこニコとニキ

2011/02/25 16:36

心に寄り添う魔法。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 『くまのがっこう』コンビの絵本。
 失敗ばかりの双子の見習い魔女が魔女学校で大活躍するお話です。うさぎの魔女学校、それだけでページを開くのにわくわくしました。

 絵は『くまのがっこう』の様に細部にわたり果てなく可愛いです。双子の魔女が持つ魔法のほうきは特別可愛らしい。お話は魔女学校ですのでたくさんのうさぎ魔女が描かれています。場面も学校で盛大に行われる町の人を招待するお祭りではたくさんのうさぎが圧巻です。でもどの子も豊かな表情。そんなたくさんのうさぎの中双子のうさぎを見付けるのも楽しいです。

 そんなお祭りでも双子の魔女は失敗をしてしまい遂に学校を追い出される事になってしまうのです。でもその原因となった小さなうさぎの男の子の家族が学校へお礼を言いにきます。それは双子の魔女が魔法を使った訳ではもちろんありません。ごくごく自然に小さなうさぎの男の子の寂しさに気付きその寂しさを溶かしてあげたのです。そしてその子の両親に「むかしみたいにあそんであげてください」とお手紙を書いたのです。

 例え優秀な魔法使いでも心の寂しさに気付き和らげる事は難しいしそれが出来ても無機質で逆に寂しい気がします。心には心で応える。それが出来てこそ初めて温もりが生まれ心は満たされるのだと感じました。誰かの心にそっと寄り添える事は偉大な魔法の気がしました。

 もちろん双子のうさぎは学校に残れて栄誉を讃えられます。
  
 絵と文章がぴったりと合っていて読んでいる途中でも自然で心地好く読み終わった後にはぽわぽわ心が温かくなる感じを覚えました。

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紙の本となりのうさぎちゃん

2010/12/18 16:39

こんな事思っているのかなぁ。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 表紙から何とも可愛いうさぎさん。
まるで「どうしたの?大丈夫よ」と慰めている様な温かさ。
この書籍の写真は季刊誌『うさぎと暮らす』の巻頭写真を撮影している方です。雑誌掲載分に取りおろしを加え写真に文章が付けられています。

 7テーマに分かれ可愛いうさぎさん達がユニークな会話を交わしています。
ティモテ(顔を洗う行為)は恋心の切なさを表したかと思うと泣いた後の涙ごしごしをも表す。うさぎのどういう行為か知っていても他のうさぎさんからの文章の流れで見慣れた仕草が「あれ?実はこう思っているのかも」と思わされてしまいます。
草原や洋風のインテリアの中で見るのが多かったですが夏をテーマにしたページは日本家屋を使用し「和とうさぎ」という組み合わせが意外と新鮮で情緒を感じました。
小さなうさぎ同士、大人うさぎと子どもうさぎのぎゅうぎゅうにくっついた後ろ姿は決して警戒心は忘れず切なくなる程に美しく大好きな姿です。

ふわふわでまだ小さな子うさぎから大人うさぎまで。うさぎの種類も立ち耳、垂れ耳。。そんな可愛いうさぎさん達が全身を使って胸がキュンキュンする仕草や表情がいっぱいです。またどの写真もうさぎさん達の毛の流れ、まつ毛等細かな所まで写されているので視覚から触覚を感じれそうです。

 この書籍を見るとその仕草と文章で「実はこんな事思っているのかなぁ」と考えてしまいます。話せないからこそ感じ取る気持ちは無限大。甘えるだけじゃない様々な感情がある事を再確認させられました。

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紙の本うさぎの品種大図鑑

2010/11/19 16:45

本格的な家庭版。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 うさぎの飼い方や種類の本と言うのは今までポピュラーなうさぎばかり掲載されておりそれは多くの種類のほんの一部しか知る事が出来ませんでした。実際何かの縁で一緒に暮らす事になるのはその様なうさぎばかりなので仕方無いと言えばそうなります。しかし世界にはもっと多くの素晴らしいうさぎがいます。一種類でもそのカラーバリエーションだけで圧倒するくらい。
この本はアメリカのARBA(アメリカン・ラビット・ブリーダーズ・アソシエーション)が2010年現在認定している47品種に加え現在申請中のうさぎが掲載されその見応えは十分すぎる程です。

 本書はうさぎの品種を只紹介しラビットショーの審査箇所を提示するものではないのが何よりの魅力です。まず初めに飼いうさぎのルーツ、身体の仕組み、ボディタイプ、カラーバリエーションを説明した上で様々なうさぎを丁寧に紹介していきます。原産国、開発者、ARBA登録年、ボディタイプ、歴史、身体の特徴その他グルーミング、飼い方ポイントも記載されている為「この子と暮らしたい」と感じた際自分が対処出来るか否かの判断が出来ます。「可愛いから」「犬や猫より簡単そうだから」そんな安易な理由でうさぎを飼おうとしている人には是非読んで頂きたいです。また既にうさぎと暮らしている方はラビットショーに出なくとも「うちの子はどのタイプかな」と探すのも楽しいです。

 後半は系統図、血統やブリーディングについて書かれています。五十音順のうさぎ用語辞典は簡潔でわかり易いです。
本書はうさぎと暮らしている方に知らない人はいないであろう「うさぎのしっぽ」店長であり様々なうさぎの書に携わって常により良い環境でうさぎが過ごせる事に尽力を注いでいる町田修氏の著書なので一見の価値は十分にあると思います。

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紙の本ポロメリア

2010/08/11 16:54

『Cocco』を垣間みた。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 彼女初小説。それはまるで自叙伝の様。読んでいると「これは小説?それとも彼女の事実?」と混乱してしまう。しかし読み終わると感じる。「混乱する事等無い」と。それは紛れも無く本の至る所に『Cocco』が散りばめられているのだ。
 小説は中学性になったばかりの一週間を綴っているが話はその頃だけではなく幼き頃、家族の事、特に大好きな母親、沖縄芝居の国指定重要無形文化財の祖父への想いは溢れんばかりに語られている。読んでいるこちらがその想いの凄さに真摯に受け止めなければ、と思ってしまう。
 彼女の歌を聴いた方はその独特の世界観に恐怖さえ覚える方も少なくないだろう。しかしその世界観を創る視点はこの本にたくさん隠されています。そして確かに彼女ならではの視点、思想を多いに感じますがその内幾つかはわたし達も感じた事はあるだろう、と思いました。只それを「一つの通過点」と捉えそれっきりにするか「何で?どうして?」と当時感じた事を今でもリアルに思い出せるかの違いの様な気がします。彼女はその感覚が悲しい程に研ぎすまされているのだと思い知らされます。
 小学生から中学生になる思春期。クラスメイトがちらほら少女から女性に変わるのを目の当たりにする。戸惑う事無く受け入れる子に反し「私」はその子達を別世界の人、違和感、嫌悪感を感じる。抗う様なその感情は後半に向けはスピード感を増します。まるで急な坂を全速力で駆け下りる感覚。読み終わると息切れがする程に。しかしそれは同時に「私」の感覚を体感したかの様な気分にさせます。
愛するのは「過去」と「未来」だけでいい。要らないのは「今」。。。痛々しい程伝わる想い。
現在の「私」はどうなのだろう、と思わずにいられない。

 またこの小説はページを開くと一瞬にして沖縄にいる気持ちにさせてくれる程沖縄への愛も感じます。Coccoの『Raining』の歌詞の様子を表した箇所もあるので探してみて下さい。こうして様々な彼女の歌とリンクさせてみるとまた違った解釈や理解が出来るでしょう。

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『ひまわりっ』よ永遠に!!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

とうとう完結してしまいました。
こんなにも登場人物それぞれのキャラが濃く「もう一体誰が主役だっけ?まっ楽しいからいいかぁ」と細かい事すら取っ払ってしまう良い感じのゆるさ。そして小ネタのマニアックさ。
クスっと笑うのではなく爆笑してしまう。漫画を読んでこんなに爆笑するのは久々です。
初めはかなりの頻度で登場の父・健一。転勤により一時登場が少なくなり物足りなさを覚えたのも束の間。副主任・猿渡の破天荒過ぎる行動に「次は、次はッ」と釘付けに。蛯原との寸劇はもう病み付きの域。
最近触角漫画家・ウィング関に押され気味でしたが13巻はこれまでの主要登場人物総登場します。改めて父・健一と健一2号の天然振りには想像の遥か遠くだなぁ、と実感。そしてここぞとばかりに好き放題の猿渡。これは笑い無しでは読めません。
「これ本当に完結するの??」と疑問を抱きつつも少女漫画テイストを含めキュンとさせながらも『ひまわりっ』らしさを忘れないラスト。
連載は終了したものの心の何処かで「あぁこの人達はまだ続いているのだな」と思わせます。
そして節子よ。実は結構いいヤツだったんだね。邪魔だな!と何度も思ってごめんね。この場で謝罪。
またゆっくり1巻から読み返そう。

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紙の本ふたつの花

2009/11/28 16:48

愛とは感謝。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

隣同士で生まれたお花。ぽつりぽつり、と交わす短い言葉の中に互いの愛情を感じます。絵からも互いをかばい、守り、想い合う。。そんなほんわかと心が温かくなる感じを受けます。
想う故のケンカもします。それって何とも想っていない相手にはしない事ですよね。ケンカもいがみ合うのも相当なパワーが必要ですから。それにケンカをしても許し合う心があるからこそ出来る事。信頼関係があってこその気がします。
生まれてからその一生を遂げる寸前まで出会う様々な人々とこの絵本の様な関係が築けたらどんなに素敵な事かと感じました。それは人同士は勿論、大切なペットや人形等の物へも築く事が可能だと思います。言葉を話せなくとも動かなくとも注いだ愛情はしっかり伝わっていると思うから。
そしてきちんと言葉で「ありがとう」とそれまで想ってくれた事、愛してくれた事を相手にありったけの愛情を込めて伝える事が何よりの愛の表現の様に思えました。また中程の真っ赤な花が絵本いっぱいに描かれているのを見た際自分も絵本の花に愛されている気がしました。これの愛された出会いの一つです。

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紙の本ぼくのキュートナ

2003/01/09 22:00

こんなに想われたいな

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は「はいけいぼくのキュートナ」で始まる、15通のかわいい手紙です。そしてこの本は荒井良二ファンの私にとって一番好きな1冊です。

 日常的な事の報告の様なのに、そこにはしっかりと「いつもキュートナを想っているよ」と言うのが、すごくよく伝わってきます。荒井氏のマジックでしょうか? もう「キュートナ」の世界にくらくらです。
 「ぼく」はキュートナにうまを贈ります。
 「ぼく」はキュートナとふわふわデートをします。
 「ぼく」はキュートナにすーっごく、でもゆっくり会いたくなります。
 「ばく」はキュートナに「おやすみ」を言います。

 キュートナへの手紙の合間に、2〜3行程の短い言葉が挟まれています。そこにも「ぼく」の想いが溢れています。こちらは、キュートナへの手紙の内容よりストレートで想いが表されています。
 その中でも最後の「おやすみ」の手紙の前の言葉は私の胸に一番響きました。

  「ねむれないときは灯台になって
   笑顔をおくるよって、きみ。
   じゃあ、きみがねむれないときは…」

 続きの1行は読んだ方の胸に響かせて下さい。
 きっと、「こんなに想われたい」と思う事でしょう。かわいくて、優しい手紙を贈る「ぼく」。こんな「ぼく」の様な人に出会いたいですね。

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紙の本死者のための音楽

2012/04/05 17:57

まるで語り継がれる昔話。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 先に書評を書かれた方が記載してしまいましたが著者「山白朝子」は「謎の女性怪談作家」とされていますが乙一の別名義の一つ。怪談と言っても恐怖より昔どこかの町であった昔話を母、その母、そのまた母。。。と語り継がれた様な懐かしく不思議な感覚を覚えます。また読んでいると時々おばあさんが語るお話を聞いている様な錯覚を何度も感じました。
 
 この書は表題を含む全7話の短編集。
読めば読む程女性が書いた優しくて柔らかいが、どことなく女性特有の残酷さの描写もあり、だが乙一の影は見当たりません。
 
 個人的には、何度も何度も完全なる木の仏像を彫り続ける少女の『未完の像』、黒く大きな鳥が頭に望んだ事を持ってくる『鳥とファフロッキーズ現象について』、表題にもなっている死の淵で心地よい音楽が聞こえる『死者のための音楽』。。。それらが特に印象強いです。

 ずっと文庫化を願っていたので読めた嬉しさ以上に不思議な感覚を何度も味わえた事も出会えて良かった書と思います。
きっと山白朝子という作家は大きな愛を持っているのでしょう。懐かしさ、安堵、何より優しさに幾度と無く触れられるのですから。また逆に大きな愛があるからこそ失った際の喪失感、憎悪もゾッとする凄みが感じられる。
 乙一と念頭に置いて読んでもそれはいつしか忘れ、尚且つ山白朝子という女性作家をどの様な人かと考えてしまう。改めて乙一の秀逸さを感じさせる一冊です。

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紙の本しんとしずかな、ほん

2011/09/19 17:18

「しん」に包まれる。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本を読むまで「しん」としたイメージは悲しく密やかな、と暗いものでした。でも「しん」は様々なシーンに訪れるのだと気づかされました。
 思いやり、新しい物へのドキドキ、一人願いを込める時、仲良しの子と居る空間、何かに夢中になる時。。。言われてみると確かに息をひそめたり「しん」とした空間が出来上がる事ばかり。
もちろん怒られてしょんぼり、ガシャーンと大きい音の後、誰かを待つ時、と個人的に思いつくちょっと寂しい「しん」もあります。でもそれは「しん」の中ではものすごく少なくて意外でした。
先にも述べましたが印象深いのはやはり誰かを想う愛おしさや思いやり、ありがとうの「しん」 
静寂が優しく清らかな空間と感じられます。読み終わった後はほわっと暖かい気持ちが生まれているのが不思議な感覚でした。

 また翻訳が江國香織さんなので短い言葉にギュッと大きな意味合いを詰め込みその簡潔さがより一層状況を際立たせます。言葉のリズムも心地いいです。
対として発売されている『にぎやかなほん!』も期待出来そうです。 

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