葛城リョウジさんのレビュー一覧
投稿者:葛城リョウジ
自立と孤独の心理学
2003/05/18 18:26
読んで考える
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この本には人間の心理、そこからくる行動、これらの本質が書かれている。恐怖、不安の根底には何があるのかよくわかる。全体的に難しい用語や表現もなく、非常に読みやすかった。逆に表現が曖昧過ぎて、考えてしまう所もあったが大丈夫だろう。悩んでいる人は一度読んでみてはどうか。
鉄槌!
2002/11/19 18:41
まず読むべし
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本書は漫画家であるいしかわ氏が、自身が体験した裁判について綴った、ノンフィクションの傑作である。
数年前の1月、著者は友人とスキーをするため、志賀のスキー場へ出かけた。その帰り、著者らはトイレ休憩のためバスを降りた。トイレから帰ってくると、バスはいなかった。厳寒の山中で、スキーバスに取り残されてしまう。まもなく、違うバスが通りかかったおかげで、何とか助かることができた。その後、この出来事を漫画誌に書き、なぜかスキー会社に訴えられてしまう。ここから、長い裁判が始まる。その中で感じた初めて裁判に向かう難しさ、裁判自体の不可思議さを、ユーモアを交えた読みやすい文体で、展開している。
評価する点は多々ある。しかし、まず読んでもらいたい。一度読んでみて、損はない。
図南の翼
2002/11/14 17:17
図南の翼
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十二国記の魅力は、壮大であり、緻密でもある世界観である。図南の翼でも、この世界観をストーリーの中で、十分に表現している。今回は十二国記シリーズを通して、頻繁に登場する舞台を使用し、物語を展開している。だが、全く使い慣れた舞台という感じがしない。これは、世界観が完全に設定されていない場合、不可能である。
確かに、主要な登場人物はシリーズごとに変化し、同じ舞台を登場させる場合は、新たな視点からストーリーを展開している。この手法を採れば、どの物語も新鮮で、飽きが来ないと考えられる。現に、この様な手法で物語を展開している作品は、世の中に数多く存在する。しかし、架空の世界を舞台に、この手法を使うことは非常に難しい。
架空の世界で主要な登場人物をシリーズごとに変えればどうなるだろう。世界観が固定していない場合、雰囲気が変わり、全く違う物語となる。人と人、人と生活環境、人と世界等に矛盾が生まれる。同じ舞台を新たな視点から見る場合も、同様である。世界観が広く、深いものでなければ、ストーリー展開に無理が生じる。あるいは、新鮮さがなく、すぐに飽きが来てしまう。
したがって、十二国記シリーズの手法は、世界観が完全に設定されていない場合、不可能である。この物語の中では、大事業を企てることを、図南の翼を張ると言う。正に、図南の翼を張っているに値する世界観を、多くの人に感じてもらいたい。
魔性の子
2002/12/03 00:17
良い設定
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ファンタジー小説である十二国記の、もう一つの物語である。それにも関わらず、十二国記を読んでいなくても、十分楽しめるものとなっている。
確かに、十二国記に限られた用語もある程度使われている。登場人物は、いうまでもない。しかし、ある手法がこれらの制限を消している。
それは主人公設定である。ストーリーの主人公である広瀬は、十二国記の世界観に何の関わりもなく、知りもしない。これにより、読み手側も広瀬と同様、自由に世界観を体験できる。
十二国記を読んだことある人も、そうでない人も一度読むことを薦める。
黄昏の岸暁の天
2002/11/29 00:25
深まる世界観
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今回のストーリー内容は、十二国記の世界観をさらに深めるものとなっている。多国間の協力、唯一天の意向を知る碧霞玄君の登場、十二国記の世界を定める天の摂理の性質、等を中心としたストーリー展開は、大きな世界観の表現に、重要な役割を担っている。
多国間の協力では、延と慶の二国に加え、恭、範、才、漣、奏の五国、計七国となっている。それぞれの国の、王、麒麟に大きな魅力が感じられた。これらの、魅力あるキャラクターが、ストーリーにどう絡んでいくかは、非常に見ごたえがある。
碧霞玄君に関しては、その存在を通し、様々な面から、天の存在意義に迫ることになる。その過程では、不思議な緊張感を味わうことができる。
天の摂理では、覿面の罪等を例にし、その意外な性質が明らかになる。これは、ストーリーの大きなポイントになっている。
十二国記の世界観を、さらに深めたい人は、一度読む価値がある。
「自分」に執着しない生き方 なぜ“逃げの人生”を選ぶのか
2002/11/16 13:56
人生に楽はない
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本書は、自分に執着しない生き方について、著者の実体験を踏まえ、様々な角度から述べたものである。全体的に読みやすい文体で書かれ、内容も分かり易く、共感する部分も多かった。それと共に、自分に執着しない生き方を行う難しさを感じた。
確かに、誰しも自分に執着している。それゆえ、悩み、悲しみ等の様々な負の感情が生じる。人生の中で、これら負の感情から逃げてしまう時も少なからず存在する。自分に執着しなければこの様なこともないのかもしれない。しかし、そんなに簡単に自分の執着から抜け出せるのだろうか。
本書では、著者は自分に執着しない生き方を実践しているが、その苦しみは計り知れない。負の感情と共に喜び、楽しみさえも、消えている気がする。そこまでして、何が得られるのだろうか。それは生きがいである。生きている実感である。人生でこれに勝るものはないだろう。
自分に執着しようがしまいが、個人の自由だが、生きがいを得たいのなら、ある程度の苦しみは必要である。人生に楽はないのだ。この本を読めば、苦しい気持ちが、少しは楽になるかもしれない。
子どものトラウマ
2003/05/18 18:12
深い傷はトラウマだけではない
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子どもの虐待にはどのようなものがあるか、非常にわかりやすくかかれている。子どものトラウマに関しても、理解しやすく述べられている。しかし重要なことがぬけている。それは心理的虐待でおきる心の傷だ。これに関する記述が少ない。
確かに心理的虐待では、性的虐待でおきるようなトラウマはない。だがその辛さはトラウマに匹敵する。本当に傷ついた心を癒したいと著者が考えるのなら、これに関してもう少し書いてほしかった。
これから 五〇代の居場所
2002/11/17 20:29
若さ
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本書はマンガコラムニスト、マンガ評論家、夏目氏のエッセイである。題名通り、50代を迎えた著者が、これからの人生について、自分の考えを述べている。ユーモアを交えて、書かれているので、全体的に非常に読みやすく感じた。不思議なことに、著者の考え、意見を読んでいると50代の人というよりむしろ、20代の青年のような雰囲気が感じられた。
確かに本書には、老眼になった、孫ができた等の、50代らしいエピソードが数多くあるし、自分の年代の立場、責任についても、しっかりとした考えを持っている。
しかし、それらの中にも、他人の意見をしっかり聞き入れようという柔軟性がある。というよりむしろ、他人の考え、意見を聞きたがっていると言ったほうが正しいのかもしれない。
この様な、謙虚な姿勢がエッセイの要所で感じられた。これも、著者の心の若さにあるのだろう。マンガを様々な視点から評価できる、柔軟さも、この心の若さにあるといっても過言ではない。
だサル コンピューター魔道篇
2002/11/15 22:15
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漫画家である、いしかわ氏のパソコン苦労話第9弾である。毎回苦労話が絶えないが、今回も様々なトラブルに奮闘している。パソコンを使っている人なら、経験がある、あるいはこれから起こりそうなトラブルばかりで、著者の苦労を身近に感じることができる。内容が難しそうだと感じる人がいるかもしれないが、その心配は全くない。
確かに、ある程度のパソコン用語があり、多少の知識も必要かもしれない。時には、パソコンを使っている人でも、読んで理解できないところもある。しかし、この様な場合、著者も理解していないのだ。
これがこの本の魅力の一つである。本の中では、パソコンに問題が起きた場合、様々な方法で対処し、その過程を詳細に書いている。それにより、読者側は問題が解決した場合、著者同様にその原因がよく理解できるし、解決しなかった場合は、理解できない。いい意味でも、悪い意味でも、共に一体となっている。
したがって、内容が理解できても、できなくても、どちらでもいいのだ。必要な知識は何もない。あなたも、著者と共に奮闘してみてはいかがか?
秘密の手帖
2002/11/15 02:29
新たなページ
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この本は、漫画家である、いしかわ氏と様々な人物との出来事、関係を中心としたエッセイである。秘密の手帖という名前通り、著者だけが知る出来事を、ユーモアを交え、読みやすい文体で展開している。全体的に、著者の人間に対する信頼感が大きく感じられた。
もちろん中には、自身の楽しい体験ばかりではなく、嫌な体験も書かれている。それに加え、どの体験も詳細に、且つ理解し易く書かれていることで、著者の考えが手に取るように理解することができた。しかし驚くべきことに、全体を通し、他人に対する悪意が全く感じられなかったのだ。
これは著者の人間性によるところが大きい。本の中では、様々な人物が登場するが、どの人物との出来事にも、自分の解釈を素直に書いている。それに、著者に親しい人物は当然ながら、面識の少ない、あまり友好的ではない人物まで、詳しく観察している。
これらは、心の中に人間に対する信頼感をもっていなければ、大変難しい。著者は、どんな状況であれ、心のどこかで人間を信頼しているのだろう。秘密の手帖の新たなページを発見した気がした。
「哲学実技」のすすめ そして誰もいなくなった……
2002/11/11 18:39
諸刃の剣
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この本の内容は、人間同士の対話により、哲学実技の方法を明らかにしていくものである。対話では、著者が自分の考えを話し、それに対し他の人間が意見、考えを述べる。考えが合わない、理解できない、あるいは対話をする必要がないと感じた人間は、対話から抜ける。感想としては、理論の展開方法、内容等は興味深く、満足できた。だが全体的に、対話という手法が生かされていないと感じた。
確かに、対話という方法により、個人の意見や考えが多面的に評価され、理解も深まる。本の中でも、その利点がある程度感じられた。しかし、全体的な流れが無理に一定方向に傾いている違和感があった。
特にそれが表れているのは、以外にも利点であるはずの対話という方法である。本の中では、ある意見、考えに理解できない人間は、対話するメンバーから徐々に抜けていく。この対話の展開方法は、流れのアクセントになっているが、これにより物事の多面的な評価が薄くなっているのだ。それにより、一方的で強引な理論が部分的に見られた。
したがって、対話という手法が生かされていない。皮肉にも対話のある一定の展開方法が、諸刃の剣となり、その剣により対話という手法が殺されてしまったのだ。
自分をとり戻すための読書術 本と対話する生き方
2003/05/24 22:20
著者の読書術
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自分をとり戻すための読書術が書かれているわけではない。著者自身が読書によって、自分をとり戻していることを述べている。エッセイに近い。全体的に、非常に読みやすかった。普段あまり読書をしない人に薦めたい。
放浪の戦士
2002/12/01 20:44
稚拙
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全体的に、非常に文章が洗練されていない。人物、風景等の描写が乏しく、まったく世界観から魅力が感じられない。その上、文章の大半が人物同士の会話で構成され、読者側は非常に読みづらい。会話ばかりだと、文章にリズムがでない。そのため、すぐに飽きがきてしまう。
ストーリー、登場人物等を見ても、この手の小説としてありがちで、魅力がない。全体的な世界観も安定していない。文章の稚拙さが、これらをさらに強化している。
太宰治弱さを演じるということ
2003/05/24 11:11
過剰な弱さは演技か?
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私は、太宰治の小説を読み、彼が弱さを演じていると思ったことはない。この本を読んでもそれは変わっていない。自殺をする人間が弱さを演じるだろうか。私は、演じているとは思えない。
