hornedorangeさんのレビュー一覧
投稿者:hornedorange
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希望の美術・協働の夢 北川フラムの40年 1965−2004
2005/10/26 21:40
美術のあたたかさ、ともに働く喜び
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「美術とは何か」などと大上段に考える前に、美術を見て楽しみ、あるいは癒され、心地よく思った経験は、誰にでもあるだろう。この本は、そんなやわらかな記憶を、心のなかに呼び覚ましてくれる。しかし、著者はそこで終わらない。美術のあたたかさ、ささやかさを立脚点にして、政治・経済・社会へと、世界の大海原へと漕ぎだしていくのである。全国津々浦々までを巡業する展覧会、美術と街が一体となったパブリックアート……。地域や行政、既成の事実を相手に、壮絶な闘いをくりひろげる。そこでの経験が、「越後妻有アートトリエンナーレ」という、人と人とが協働しあう芸術祭に結実していく。「新しい展望というものは、いつも思いも寄らぬ地点から展けてくる」とは林達夫の言葉だが、いままさに、美術を起点として、世界が変わっていくのではないかと思えるほどの力を、この本はもっている。
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