BOYさんのレビュー一覧
投稿者:BOY
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人口減少社会の設計 幸福な未来への経済学
2004/09/26 01:01
日本経済の現状分析が新鮮!労働生産性と労働分配率から日本経済を再点検。
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松谷先生の近著が評判になっているが、定価2,000円は高いなと思い本書を購読した。
「人口減少社会にどう対処するか」が本書のテーマではあるが、むしろこれまでの日本経済の分析に新鮮な印象を受けた。
特に、「終身雇用制の下、労働者の企業への忠誠心の強さが、我が国の労働分配率の低さを支え、結果的に国民に幸福な生活を実現させる事が出来なかった」。「バブル発生の原因は賃金水準の抑制の下、企業の内部留保が増加し大量の余剰資金が土地や株式に向かったもの」。「90年代の景気低迷も企業が人件費抑制に向かい労働生産性の上昇を労働分配率が下回ったのが原因」等々他の経済学者・エコノミストの誰もが従来指摘していなかった意見。
尤も、「日本の物価高の原因は一部に労働生産性の低い業種・企業が政府の手厚い保護を受けているため」との従来から指摘されている点もある。
こんな現状分析から、筆者は人口減少社会にあっては設備投資も減少して行くのは自明の論理、投資減少に見合う貯蓄抑制が必要であるが、個人消費拡大以上に企業の貯蓄抑制つまり労働分配率の改善が重要であり、呼び水としての政府公共投資についても見直しが必要であると論点を進め、資源配分の適切化のためには住民一人一人の意識の変革が重要であると指摘している。
「人口減少社会にどう対処するか」については高齢化社会、医療費問題等絡め一足速く人口減少社会を迎えているヨーロッパ事情を例に挙げザックリとした印象の提案に止まっている感があり、この点ぜひとも更なる具体的な提案を期待したい。 早速、筆者の近著を読もうと思っています。
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