まりのすけさんのレビュー一覧
投稿者:まりのすけ
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夢の靴職人 フェラガモ自伝
2004/11/08 11:19
天才靴職人
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特にブランドに興味のない人でも、フェラガモの名前ぐらいは聞いたことがあるだろう。日本でもある時期、流行に敏感な女性達の足元を見るとフェラガモのロゴ入り金具付きの靴という時があった。が、ファッション通以外でサルヴァトーレ・フェラガモ氏が実際どのような人物か詳しく知る人は少ないかもしれない。
この本はフェラガモ氏の自伝であり、靴職人を天職とし、“靴作りの天才”と言われた彼の靴に対する思い入れや愛情、良い靴とはどういったものか等々、参考になることも多い。
幼い頃から靴職人に憧れていたが、イタリアでは靴職人の地位は低かったため親に反対された。しかし、近所の靴職人の技術を見よう見まねで覚え、内緒で妹の洗礼時に履かせるために作った靴が認められ、親に靴職人になることを許される。それからはあっという間に親方を越すほど腕を上げ、十代で自分の店を持つ。その後事業に失敗したこともあったが、靴職人という仕事を天職と考えるようになる。独自の靴作りの哲学から靴を履いたときの重心の位置にピンを入れバランスが取れるようにし、“足を痛めない健康な靴”を作り出した。フェラガモ氏は、お客の足を見ただけで、その人の歩き方の癖を見抜き足に合った靴を作り出したという。そして、扁平やタコ、魚の目などトラブルを抱えた足の持ち主にはトラブルが解消する靴を提供した。彼の作った靴は、履き続ければ数ヵ月後〜半年くらいでトラブルが解消し本来の理想の足に矯正できるリハビリ靴でもあった。デザインや素材も斬新で、顧客にはハリウッドの俳優達や世界中のセレブたちも多く、有名ブランドにまで発展した。その軌跡は彼の靴の博物館で見ることができるそうだ。もちろん、フェラガモという人の歩んできた人生や靴作りに対する哲学などとても興味深いが、何といっても重要なのは足にあった靴選びであり足をいたわることの大切さだということを再認識させてくれる。
現代の私たちの生活と切り離すことのできない靴。どうしても流行やデザイン、ブランド、価格で単純に選んでしまいがち。今となっては、フェラガモ氏に直接足を見せてピッタリの靴を作ってもらうことは叶わないが、この本では自分の足に合った良い靴の選び方も説明されている。
現在、日本でも偏平足、外反母趾などの足のトラブルを抱えた人は多く、自覚がなくても専門家が見るとトラブル予備軍がかなりいるらしい。最近では頻繁に雑誌などでも足が健康に及ぼす影響や足裏の重要性が指摘されているし、シューフィッターのいる店やオーダーメードの靴店も多くなってきた。
ブランドに興味のある人もない人も、靴作りの天才と言われたフェラガモ氏の靴に対する熱い思いに触れて、日々頑張ってくれている自分の足に感謝の気持ちを込めて良い靴を選んでみてはどうだろう。
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