サイト内検索

詳細
検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、年齢認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. 電子書籍ストア hontoトップ
  2. レビュー
  3. 森本真紀さんのレビュー一覧

森本真紀さんのレビュー一覧

投稿者:森本真紀

1 件中 1 件~ 1 件を表示

誕生日の子どもたち

2003/01/29 06:57

子ども時代の無垢なる自分へのレクイエム

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 自分の子ども時代を思い出すことはできても、そこに生きつづけることができるとは、だれも思わないし、また思ったとしてもほとんど不可能なことだろう。そしてもし、神さまが(いるとしたら)子ども時代に返してあげよう、といわれたとして、躊躇なく「かえりたい!」と言える人も少ないのではないだろうか。しかし中には「いいや、自分は絶対にかえりたい!」と言い切れる幸せな人もいるかもしれない。そこで、そんな人にこそおすすめしたいのがこのトルーマン・カポーティの『誕生日の子どもたち』だ。
 ここに収められた六編の作品は多少の作風の違いはあるものの、どれもそんな子ども時代に由来する、人間の素の姿──無垢さ──を描いている。無垢、というとなにか無条件によいもののような響きがあるが、少なくともここで描かれている無垢な人々は、かならずしもその無垢さによって現世的に幸せに恵まれているとは言いがたい。カポーティは無垢というものが、その人間が元来もっている真実さであり、希有な魅力あふれる資質である反面、それは時にはまわりの者を傷つけ、自分自身をも壊してしまう、危険でかつ脆くはかないものだということを、これらの作品のなかであますところなく描いている。「ありのまま」が自分をこわしていくという事態を受け入れられる人間はそういない。現実を生きるために忘れていった自分の姿をこの作品の中に見た人は、その存在感、リアルな肌触りにおののきながらも惹き付けられるのだ。
 村上春樹氏の翻訳ということで手に取られる方もあるかもしれないが、期待に違わず心に迫るもののある一冊だと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示

本の通販連携サービス

このページの先頭へ

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。