つんどくさんのレビュー一覧
投稿者:つんどく
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日本語 新版 上
2003/03/10 12:21
日本語の面白さ、奥深さを具体的に教えてくれる格好の本
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普段何気なく使っている[日本語」。私達(日本語を読み書き話す人々)は当然と思っていることが、実は非常に特異なことであり、特に欧米圏の言語とは一線を画するものがあることを豊富な例を挙げて示している。例えば、この上巻に出てくる「日本語の多様性」という章では、日本人が言葉の使い分けが相手によって様々に変化する例をあげて、これが小説を書く場合には大変便利なものになることを、尾崎紅葉の「金色夜叉」のある会話の場面を引いて解説している。また、「男女の性別による言葉のちがい」というのも日本語の特徴で、日本語なら男言葉と女言葉が大体決まっているのでスラスラと読めるものが、西洋の小説では男女が会話している場面を延々と書くと、終いにはどちらがどの会話の主か分からなくなる場合が多いそうで、そうなったら初めから会話の部分を数えなおして、これは奇数番目だから男だと確認しなければならない時があるそうだ。これなどは欧米圏に男女の言葉使いや違いがないことを我々に教えてくれる好例である。その他、日本語が意外なことから影響や制約受けている事実や、日本の自然や文化からくる語彙の豊富さと、それとは逆に関心のなかったものには驚くほど語彙が少ないことなど、著者の永年の研究成果と幅広さを決して論文調ではなく、分かり易くコンパクトに読める本になっている。日本語を教えたり、公に文章を書いたりする人には必読の書ではないだろうか。
哲学の教科書
2003/02/15 05:57
哲学とはかくも大変なものなのか
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何気なく手にとってみて、冒頭の筆者の言葉に引き込まれついつい買ってしまい、哲学の奈落の底を垣間見たような気にさせる一冊である。もともとこの著者との出会いは「うるさい日本の私」という著書であったが、その時は偏屈な大学の先生もいるもんだ、程度にしか認識していなかったが、まさか哲学者、それも筆者のいうところの「痛めつけられ引き回される」のたうちまわる、哲学者であったとは。
とにかく、哲学というものを真摯に真正面から論じ、「おたく」的になりがちな論理を駆使することなく、哲学というものに多少の興味を覚える人に語りかけるような、好著であると思う。ただし、息抜きに読むというものと思うこと無かれ、それなりに覚悟をして読むべし。
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