有吉ゆう子さんのレビュー一覧
投稿者:有吉ゆう子
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がんになる人ならない人 科学的根拠に基づくがん予防
2004/08/12 16:37
「白い巨塔」の里見先生が本を書くと…
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日本のがん予防の最前線、国立がんセンターの医師による、がん予防の良書。
がんセンター? そう、あの「白い巨塔」で財前医師に大学を追い出された里見助教授が務めた研究・治療施設のモデルとなったところである。
本書もまるで里見医師が著したかのようにきわめて科学的、実証的に書かれており、がんについて知りたい、がんを予防したい人にとり、信頼できる良心的な内容となっている。
目次を開くと、まるで医学の教科書のようで、中身もグラフや統計が多く、一見とっつきにくい印象を受けるが、日本語はきわめてわかりやすく丁寧に書かれており、中学生でも読破できるだろう。
ちまたには、「がんにならない方法」「こうすれば、がんは防げる」など安易なタイトルのガン予防法が並ぶが、そうした本とはまさに一線を画しており、
がんに関心のある人だけでなく、予防医学や医学そのものにも興味をもつ人にも是非一読をすすめたい。
嗜好品の文化人類学
2004/08/20 22:15
油、塩が嗜好品?「目うろこ」間違いなしの良書
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世界の嗜好品をめぐる、日本や中国、韓国の文化人類学者のフィールドワークをまとめた興味深い一書。
我々日本人にとって、嗜好品とは酒やたばこ、せいぜい甘い物ぐらいだろうが、
世界には何とも多様な、また驚くべき嗜好品があることが分かる。とにかく目からウロコは間違いなしだ。
中でも圧巻は、アフリカ・ピグミー族のリポート。何と、塩や油が彼らの嗜好品だというのだ。
ほとんど塩なしや、油なしで長期間過ごしたら人の味覚はどのように変化するのか。塩や油を今のように大量摂取することは必要なのだろうか。
我々の食生活を考え直す上でも一読をすすめたい。
パンク・ポンク 1 (フラワーコミックス)
2004/08/09 06:03
シュールな児童用ギャグ漫画の名作
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1970−80年代に小学生だったあなた! パンク・ポンクを覚えているでしょ。そう小学生向けの学習雑誌に連載されていたあのお尻顔のデブうさぎの話。
子供のころはただどたばたのギャグ漫画としか思っていなかったけれど、
今読み返すと、児童用漫画なのにシュールな内容のものもあってびっくり。パンクと飼い主のポニーちゃんとの間の友情にもけっこうジーンとくるよ。
長く絶版になっていて、古本屋などでも見つかりにくかったパンク。とりあえず作者の自選集で上下2巻という形で復刊されました。
あのころのノスタルジーに浸りたいあなた、ちょっと古いギャグにもう一度
笑いたいあなたにぜひおすすめ。「むちゃー!」。
スローキャリア 上昇志向が強くない人のための生き方論
2004/10/25 05:12
キャリアチェンジ犬?
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ある盲導犬の生涯を感動的に描いた映画「クイール」をごらんになっただろうか。この映画で盲導犬クイールを演じたワンちゃんは実は人懐っこい性格が災いして、盲導犬の養成過程で最終的に不合格となった犬だという。
こうした盲導犬にはなれなかったものの、別の世界で活躍する犬を盲導犬の世界では「キャリアチェンジ犬」というとか。
著者はこの犬の例を挙げ、人間の世界でも同じだと強調する。一企業でのキャリア作り、ひとつの職業だけにこだわるのはもはや時代遅れの何者でもなく、
リストラや社内の配置転換、左遷についても何も恐れる必要がないと主張する。
今の仕事がだめになれば、これまでのキャリアはリセットするつもりで、新たな道に進み出せばいい、過去の経験は必ず新たなキャリア作りに生きてくるはずだから。
問題は、新たな一歩を歩みだすのを恐れないことだと著者は力説する
自分の進路を決めかねている若者にもフリーターやアルバイトでなく、きちんとした職につき、しばらくは頑張ってみることが大切ではないかと説いている。
21世紀のインド人 カーストVS世界経済
2004/10/25 04:53
観光案内書では知りえないインド
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21世紀に大きく経済発展を遂げる潜在能力を持つのは、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)といわれて久しいが、筆者はインドについてはそう単純ではないと力説する。
根強いカースト制度の弊害、グローバリズムと相容れないインドの商・生活習慣。赴任1年を経ないで多くの日本人駐在員がノイローゼになるのはなぜか。世界中ほとんどどこにでもある中華料理店がインドにはほとんどないのはどうしてか。
著者の長年のインド滞在経験による、数々のエピソードにはただただ驚かされるばかりだ。
観光案内書では知りえないインド。ビジネスマンだけでなく、比較文明やアジア文化に興味を持つ人にも是非読んでいただきたい一書だ。
安心のファシズム 支配されたがる人びと
2004/10/25 05:32
そよ風とともにやってくるのは
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2001年9月の米中枢同時テロ以降、戦時下にある米国はもはや一種のファシズム国家だといわれる。一度テロリストとみなされたらすべての人権はないに等しく、テロ防止のためなら盗聴、尾行、持ち物検査なんでも許されているとされる。
その米国の同盟国を自認する日本の状況はどうか。
筆者は、イラクの人質事件の際の自己責任の議論、自動改札機や携帯電話の普及の真の狙い、日本中に増殖する監視カメラの問題などから、日本も同じ状況に進んでいるのではと警告する。
日本の右傾化批判は最近、数多く聞かれるが、筆者は身近な例からわかりやすく論じており、イデオロギー色もほとんどなく読みやすい。
ファシズムはそよ風とともにやってくるといわれる。
愛国心を持つことと、政府や大企業の管理に従属するということは違うのだということをぜひ分かってもらいたい。
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