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胸騒ぎさんのレビュー一覧

投稿者:胸騒ぎ

22 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本自己肯定感って、なんやろう?

2011/07/19 19:02

自己肯定よりも自己肯定感だ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自分を肯定する事と自己肯定感は
言葉では似ているけど違うとこの本は云いたいと感じます。
絵本でいい話というのは在りすぎて、正直たまりません。
僕は絵本はまったく買いません。独身ですし子供いませんし。
タイトルだけで買いました。自己肯定感が分からなかったから。
読んでいくと著者も説明することが難しいのだということを感じます。
言葉で説明できないものは短い人生の中でも多々感じます。
自分が感動した事を語って他人に同じくらい感動して
もらえたという実感はないでしょう。
それぐらい自己肯定感というものも難しいのだと分からせくれる一冊です。

内容をおおよそ説明すると、
自分自身を受け容れて、そこからの自分で行動していこう!
といった悪く言えばよく聞く内容です。

成人を超えてから初めて読んだという事もあり、
自らの資質の限界=受け容れざるを得ない自己の能力に
ぶつかってきて本の内容はそりゃそうだろと思う事が多々です。
自己肯定感というのはやはり少年・青年の悩みなのでしょう。
中学・高校・大学生に向けているといった印象を受けますが、

どうしてこんな事で傷ついてしまうんだろう?と泣いてしまい
どうしてあんな事をしてしまったんだろう?と酒を飲み
僕は私は生きている価値がない・・・・!と誰かに依存する。
こうした行為をしてしまうのは果たして若者だけでしょうか?
苦しいと感じている方に
とりあえず立ち読みでも図書館でも構わず一読してほしいです。
あなたはあなたが許せば生きていていいのだという事を感じてほしいとこの本は云いたいのだと思います。
専門家がどうしたら言葉にできないものを感じて
あなたがもっと長く生きてほしいのかを言葉で現したのかを
感じて頂きたいのです。
あなたが今も生きている事はあなたが決める事であって
他人が決める事では決して無いのです。

といっても
私は自己肯定感というものがわかりません。
分かる事よりも考える事を与えてくれる一冊ではないかと思います。

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紙の本勤めないという生き方

2011/04/20 23:16

勤めたから勤めない生き方をみつけた

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

就職し離職してから紆余曲折の末に運よく好きなことに従事できている方を集めた本です。主に高学歴で頭の良さそうな方が多く、最高学歴が高卒・専門学校卒・浪人して地方大学卒でこれから起業するぞ!と意気込んでいる方にはあまりに共感を抱けなくて高学歴の方々でピンとこない…と僕は思いました。情緒面では共感する事は多く、自分の好きな事を追求してお金のためだけではない自分らしい生き方を目指して現状は成功をしていると感じさせる現状からさらに夢を語る。読んでいて反省する事はどんな人も同じだと勇気づけられます。しかし、負債をどう返済し好転させたのか。ページ数の都合もあると思いますがどうもマイナス面の転換をどう行ったのかは曖昧で頭の回転ありきの成功を感じ、愚鈍な人間には別世界の書籍に感じられてたまりませんでした。この書籍を読んで勤めない生き方を決めた!という方もこの書籍を読んで勤める生き方を我慢して生きよう…と諦める方にもひとつの契機になるんじゃないかと思った本です。

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紙の本はじめての認知療法

2011/08/08 18:56

こんな事で悩むのは私だけ・・・と思っている人へ

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

他の認知療法の書籍は読んだ事がありませんので
認知療法とは何かを分かり易く解説されてますので
啓蒙書といった趣も感じられました。

私個人は精神疾患は特になく、普段の生活で悩みを抱え易い
性格から試しに手にとってみました。
認知療法とはこちらの書籍では
認知とは「物事の受け取り方・考え方」と説明しています。

精神疾患やストレスは認知次第で起こりうるものであり
表面上に現れた疾患を治しつつ、土台部である
認知を改めていく事で治癒に向かいながら
普段の生活も生きやすくする事を目的としたものが
認知療法であるというのが私の解釈です。

その理由をこちらの書籍では
親しい友達にメールを送った時に
すぐに返事がなかった時を例に説明しています。
1.自分がきっと嫌われているから来ないんだ・・・
2.あの人がきっと怒っているから返事が来ないんだ・・・
3.あの人は返事を寄こさない嫌な奴だ!

事実は返事が遅れている、無かっただけで
上記の三つは個人の認知によって変わってきます。
認知療法というのはズバリ貴方の考え方は間違っているから
うつになりにくい絶対的な正しい考え方をしていく事でははなく
自分自身の考えた事が現実なのだという思い込みから一歩出て
現実的な思考に変えていくという事です。

上記の例でいえば受け取った側の人にも様々な都合があり
実際に嫌っていてメールが来なかったかもしれませんし
実際に怒っていたのかもしれませんし、不当な人なのかも
しれませんが、その事を自分の観念だけで絶対に
決めてはいけないという当たり前といえば当たり前の事に
気付いていくための療法です。
(個人的に帯の「こころが晴れる」には違和感を感じます。
即効性を期待してしまう一文だなぁと思いますが
認知療法は自分の認知を改めていくわけですから。)

あらゆる現実は自分だけではなく他人も見ていますし
自分が辛いと感じている時に他人も苦しいと感じています。
また自分が楽しいと感じている時に他人は辛いと感じているかもしれません。
苦しい・・・辛い・・・と思っているとどうしても独りよがりになりがちです。
そういったことの多い方は読んでみていいんじゃないかと思います。
目の前の他人にも人生があり都合がある事に気付かされます。

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「私らしさ」をやめてみる

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは著者の前著「自分で決められない人たち」で提示した現代の若者に蔓延している「依存性パーソナリティ障害」の類型として新たに「拒絶性パーソナリティ障害」と「自己愛性パーソナリティ障害」から起こっている現代の若者の働かない、働けない問題を示唆した一冊です。
拒絶性パーソナリティ障害については一貫した問題性格としてではなく、ある場面において現れる「拒絶性スタイル」として表現されています。例として表記されている人物像には誰もが断片的に持っている性格の一部として感じられます。それが私だったからなのか、一般的にそうなのかはわかりませんが心の奥では否定したい、したくないと思っていても、他人に嫌われることのほうが先行して黙ってそれをやらなかったり、駄々をこねるような拒絶反応をしてみたり引き伸ばしといった行為が拒絶性スタイルの人間には大きな決断以外の場面でさえ現れるところが問題であるとこの本は提起しています。
それを著者は他人中心の略で「他己中」としており「自己中」の対義語としていますが、どこか皮肉めいて感じられるのは私だけでしょうか。ちなみに自己中の典型として「自己愛性パーソナリティ障害」といった自分の未知なる超人的な才能を認められないことによって社会に適応できないでいる人も紹介されています。本物の私を追及するがゆえに起こるズレが彼らの問題のようです。その中間にも様々なパーソナリティが存在していますがそれは本を読んで欲しいと思います。
こちらでは「自己愛性パーソナリティ障害」に重点がおかれていますので後半になるとその処置の仕方が記載されています。「私らしさ」を求めることを諦める事や平凡な幸福を咀嚼して味わっていく姿勢を作っていくことなどだそうです。つまり、「個性的」な姿勢を捨てるということですが、私が一番感心したのは個性的なことの価値って何なのだろうという事です。個性を認めるのは他人であって、自分がまず個性的であるかを判断に執着しすぎるとパーソナリティ障害が起こるのだと思います。「私らしさ」をやめてみれば自然と「私らしさ」がついてくると。
どちらもどこかしら社会に対して欠陥があり、それを適応するために作られたものなのにそれが社会との折り合いをつきにくいものにしているというのは何とも不幸な話なのかもしれません。けれど、そうでない人などきっといないでしょう。彼らがただ大きく目立つ存在だったというだけで。
これを読んで思ったことは、人間は最終的には一人で生きていき、一人では生きてはいけないという事なのだと思います。

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辛く苦しい時に…

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

読んでみて感じた事は
タイトルの「覚悟」という言葉は書籍の中ではほとんど出てきません。
(私はこの度の震災で大きな被害を受けた者ではありません。)
これは東日本大震災を被災された方達への宛てたメッセージです。
つまり、震災後の世界をどう日本人として生きればいいのか悩んでいる人へあてた書籍といっていいと思います。
個人的に覚悟ってなんだろうって思われている方からみると物足りないかもしれません。

そうはいっても東日本大震災と現在とを切り離して考える事は不可能です。
震災以後どう生きるかというのは全国民にとって覚悟のいる事なのだと思います。

あの震災以前、以後とで世界は一変しました。
その不安・恐怖・苦しみに対して誰も答えられないと思います。
自分自身もずるいようですが日々の生活が不安でたまりませんし、
何といっていいのかどうしていいのか未だにわかりません。

そこへ5人のお坊さんが声をあげてくれたのがこの書籍です。

現在10月末と書籍発行時の原発被害による情報のズレは否めませんが
各々のお坊さんの震災時の状況・そこから感じた事・現状から被災された方々・被災を目の当たりにした方々へ
個人的に感じた事を仏教的解釈を踏まえて
今、改めてどう生きるかが問われている事から
こう生きてみればいいんじゃない?というお話をしています。

仏教にはこれが唯一正しいという考えを持ってはならないため
各々のお坊さんのお話のどれかに
自分がしっくりくればそれでいいというスタンスだと思います。
各々の答えは全て異なっており、是非一読して欲しいです。

個人的にこの書籍を読んでも救済はないと思います。
けれど、あの震災以後、被災された方々へ
自分自身を含めて何を語る事が出来るでしょうか?
頑張ろう!頑張ってください!・・・・なんてきっと無理でしょう。

この書籍は勇気ある表明だと思います。
もしも被災された方々へ何かしたいと思っておられる方は
一読してからどう接すればいいのかを一考して頂ければと思います。

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絵に完璧を求めてしまう人へ

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書はマンガの技術的な描き方よりも、絵を描く事の心構えと
堅苦しい言葉に置き換えればそういった事を頭から終わりまで
つづった本だと感じた。
まずマンガが落書き精神から生まれるという考え方は、個人的に
強く共感できる。極端にいえば、絵は自分が犬を描いたとして
描けたと思えさえすれば成功なのだと観念的な問題なのだという
具合ではないかという事である。
現代のマンガのマニエリスムに走っているせいか、マンガの
地位が格段にあがっている。そのため、絵が描けない描ける
という観念がと技術的な格差に裏打ちされてより敏感に感じ
やすくなっているのではなかろうか。(マンガの洗練されていく
傾向においては喜ばしい気もしないでもないが)
つまり、マンガは綺麗に描けなければマンガではないという
観念が具体的にではないにしろ出来上がっているのではないかと
思える。
しかし本書はそこへマンガの地位はあがり、マンガという物が
描ける人たちはごく一部しかいないという観念に楔を打つように、
元々は一般の方(技術の稚拙はさておいて)が描いた落書き、
それ自体がマンガであるのだという完璧主義への投石のように
思える。
マンガは皆の物であるというマンガの神様からの、この言葉は
マンガが楽しいものかというのを改めて思い出させてもらった。

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いま自分が大人になるということって

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は当たり前として受け入れている放送や学校は大人になりにくいように(結果としてであるだろうけれど)作られているシステムであって、そうした現代を生きていく子どもが大人になるという事の困難さとその価値への希望を高校生、大学生へ送った本だと思います。
目次と著者を列挙しますと
『わからなくていいのだ』玄田有史
『大人になることの苦味と希望』菅野仁
『できちゃった婚から一生独身まで』山田昌弘
『大人をつくれない学校』苅谷剛彦
『「将来」によって食いつぶされる「いま」』浜田寿美男
『大人になっても忘れないこと』茂木健一郎
『ヒトは二段階で大人になる』佐倉統
『理不尽な現実をどう受け止めるか』吉澤夏子
『大人になるためのイニシエーションとは』島田裕巳
『法律の視点からみたと』内野正幸
『こうしてメディアは大人になりそこねた』武田徹
『たいがいのことは映画から教わった』紅野謙介
『サブカルチャーとともに大人になること』斎藤環
『歴史と出会い社会を見いだす』佐藤健二
『大人になること、自由になること』西研
『大人/子供の危うい綱渡り』小谷野敦
といった各ジャンルの方々に大人になるという事をキーワードに独自の語り口と資料を元に社会的に、精神的に大人になるってのはぁきっとこうなんじゃないかぁ?とむしろ問いかけられているような優しめの文章で語りかけてくれています。
近代社会が出来てきて子どもを労働から解放するという目的から義務教育が始まり、そうした学校というモラトリアムの時間が増えた事により思春期や青年期という物が生まれ、徐々に大人になるという事が延長されていったそうです。
昔は子どもも労働力の担い手として働いていた時代において子どもという概念もなく、すでに一人前の大人として扱っていたというのが当たり前であったらしく、わたしの拡大解釈かもしれませんが子どもという概念が生まれたのは至極最近の話なのかもしれません。
成熟社会において食べ物に困らなくなった副作用で生まれた多大なる考える暇の弊害なのだと感じましたが、だからといって今から社会を逆行する事は無理な話でもあり、精神的に病んだりするという悪循環が生まれたのではないでしょうか。
一つのテーマに絞ったというだけであるはずなのに、わたし個人として全ての著者のメッセージとして受容できるメッセージはこうした現代において起こる様々な諸問題への対処として大人になるという意識が大きな手助けになったり、必要なのではないかとこの本は伝えたいのではないかと思います。
いまこの国で大人になるということに対して何で?どうして?と考えなければならない現代にこの本は少しだけヒントを与えてくれていると思います。具体的な内容については本書を読んでみてください。

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関心の矛先を

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

マイナス思考とか哲学的に考えすぎるらしい私へ何かしていたら変な考え(自分自身としては大真面目なことでも外からみたらそう見えたのでしょう)を起こす事はないとかよく言われてきましたが、いつもいつもそんな事はないと否定してきていました。
それがどんな状態でどんな姿をしていたのかは全ての関心が自分に向きすぎていたのだなぁとこの本を読んで感じました。一挙手一投足、他人の視線が気にかかっていて不自由していたのだなぁと。それもこれも自分の関心が他人というイメージを通じて自分に向いていたのだとはさっぱり考えもしませんでした。
その事に気が付くと今まで何だか勿体無い時間を浪費してきたような感覚に囚われました。最近は複雑に絡み合っている若者の精神的な問題が社会問題化しているせいか、そういった若者に対して文化人や教師がメディアに出てきてはいろいろと有り難い言葉を投げかけている中に「好きなものができたりすると今まで見えていた世界が一変する」というようなものがありました。私はその感覚がいまいちつかめませんでした。その疑問にこの本は大きなヒントを与えてくれたように思います。つまり「内(自分)」に向いている関心を「外(趣味とか)」に向ける事が何よりも大切であることということです。だからって全ての問題が解決したわけではありませんが。
その事を知るとせっかく備わっている関心の矛先を持て余しているような感覚になり今まで自分の事ばかり考えていた事が人生においてもしかするとそんなに大きな事ではないのかもしれないと感じました。
関心を外に向けるという感覚はまだしっくり来ませんがこれから徐々にならしていきたいなぁと思います。

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紙の本努力論 改版

2004/12/03 00:09

努力するということ

13人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 人が生まれながら背負う宿命に翻弄されているとしたら、努力はたったひとつだけ運命に対抗しうる事の出来る方法ではないでしょうか。その努力するという事すら運命といってしまえばそれまでかもしれません。けれど、私は努力にそれ以上の価値も込められていると思います。
 生きるという事実だけで、人は生きてはいけません。特に今は「生きる意味とは何か…」という問いの答えに渇いているように思います。その答えは誰一人として合致する物ではありませんし、決して本から得られる物ではありません。
 幸田露伴の努力論はかなり意義のある一石を投じた人ではないかと思えます。特に「運命と人力と」という章は目から鱗ものです。
 文体は現代からみると若干難しい仮名使いという事はありますが、理解できる所だけかいつまんでも伝えたい内容は染みてくるように思います。現に私がそうですし。これは日本語の職人、幸田露伴の真骨頂なのではないでしょうか。
 努力なんて堅苦しくて、誰もが知っている言葉だからこそ、その持っている価値や意味をもう一度考えてみてはいかがでしょうか。

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紙の本石田徹也遺作集

2006/07/16 22:29

絶望と希望を思い出させてくれます。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

石田徹也の絵には一貫して同じ男の人が登場します。
作者自身ではないその男の人は自分の中に存在している
男性性なのかもしれないし、女性性の変形かもしれません。
じっと眺めていると、それは人間の形をした
心の象徴なのかもしれないと思えたりしてきます。
石田徹也の絵には空虚感と絶望感が漂っているように思います。
一体、生きる事って何なのだろう?という懐疑的な
視点を持ちながら生きてたんじゃないかと想像させられます。
何故なら一枚一枚の絵に描かれているのは
機械の一部として人間があるという物ばかりだからです。
しかし、人間がとても好きだったからこそ、
この現代の世の中の人間が人間らしくなく生きている姿に
映って悲しんでいたのかもしれません。
石田徹也の魅力は絶望と希望との微妙で曖昧な境目を
思い出させてくれる所ではないかと思います。
もっともっと作品を観たかった…。

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紙の本マイ仏教

2011/11/02 18:16

仏教はマイ解釈がベスト

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者のみうらじゅんさんは幼少期に仏像への強い興味から仏教にも関心を持ったと語っています。
流行語にもなった「マイブーム」の生みの親である著者が様々なマイブームを経ながら
ずっと続いているマイブームが仏像鑑賞・仏教だそうです。

みうらじゅんさんが何で仏教の本を出してるの?と
テレビやマンガでの活躍しか知らなかった為
読み進めていく内にかなり仏教的な解釈を踏まえた生き方をしているのだと感じました。
(街にある文字を写真におさめて般若心経を作った
アウトドア般若心経といった書籍を発行している事も知らなかった)

これが本当に面白いです。

仏教では禁欲が当たり前です。
けれどエッセイやボブ・ディランなどの文化にどっぷりつかった著者は
文化の原動力である欲望は必要だと語ります。
この感覚こそが現代で仏教を活かす方法として不可欠なんじゃないかと思います。

仏教の教えをそのまま受容して
他者にこうすると幸福になれると語る事も必要だと思います。
しかし、仏教に丸まる合わせるでなく自分で消化して
自分流にアレンジ・解釈をするという事が
人間として生きていく上で素晴らしいのではないでしょうか。
万人に通用する宗教としての仏教の真髄さえ感じます。
仏教についてほとんど詳しくない私ですが興味が膨らみました。

もっと面白いエピソードや最後に「地獄」の必要性を語っておりますので
是非仏教かみうらじゅんさんに興味がある方にはオススメです。

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自分の事がわからないのなら

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もしも自分はどこの対人関係、組織において
これといって価値の無い人間なのではないかと感じているとすれば
早急にこの本を一読するのをおすすめします。

やや傲慢的にも横暴にも見えるかもしれない数々の人生のススメを
若かりし頃への著者と思われる若者への手紙乃至メッセージという文体で、
分かりやすく表現されています。
具体的に何がどうとかは言えませんが、
社会的には全く肯定的に受け取られない人生の訓練が書かれています。

社会的に肯定される行動以外に価値を見出せない価値観を
今現在持ち合わせている方には一読をお勧めします。
できるけれどしないという事と
最初からできないという事との間にはとてつもなく大きい溝があるのです。
それをこの書籍は行動面から教えてくれていると思います。

例え他人に嫌われようとも、社会的に多大な評価を受けたくて
受けたくてしょうがないけど、自らの力量がどれくらいか
苦しいほど感じてしまった方は、自分を殺し続けて迎合する事よりも
自分が自分でいる事の方に、もしかしたら生きる理由をみつけられる
契機になるかもしれない一冊だと思います。

かもしれないという表現を使ったのは、極論に次ぐ極論ゆえ、
共感すら感じる事ができない方もいるという想定での事ですが、
もしも自分の感受性や性分に悩んでいる人は絶対読んだ方がいいです。
最初から理解も共感も出来なくとも構いませんし、
自分の事を言っているのだと心底感じたのだとしたら、
そしてこの本の事を忘れられるようになったら、
きっと読む以前より、少しは生きやすくなっているんじゃないでしょうか。
少なくとも自分はそう、感じています。

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紙の本藤子・F・不二雄のまんが技法

2004/11/29 21:33

楽しいまんがの描き方

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは1989年に刊行された『藤子・F・不二雄のまんがゼミナール』の文庫化した物です。タイトルから想像できますように、中身はまんがを描く上で大切な事が書かれています。それも小学生が対称なのでとても優しい文体で丁寧に説明されており、どれもいいたい事がすぐに馴染んでくる感覚です。これを読めばまんがが描きたくなるのは間違いないと思います。しかも、これは藤子さんのエッセイの要素も沢山含まれているように思えます。読んでいて藤子さんの性格がドラえもんの人気を産んだのだなぁとつくづく感心させらるばかりです。藤子・F・不二雄さんのまんがに対しての気持ちが凝縮された一冊です。小学生の頃は当たり前だった事ですが、まんがはやっぱり楽しくないと。

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悩むのは人間だけ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

業田良家作品のSF傾向にある漫画でロボットを利用した人生の悲哀を題材とした
短編集という印象。人間を主人公としたら悲劇になってしまうだけ話も
人間的なロボットを主役にする事で死の概念も軽く感じつつ、
人間の行っている事の馬鹿らしさを笑うような作品集として感じられる。

しかし、一読のあと読み返してしまう。
ゴーダ哲学堂に近い「問い」を感じるから。
ロボットが行っていることは全て人間がプログラムした指示通りの動作。
それなのに、ロボット達は悩み、苦しむ。中には自爆し、逮捕され廃棄される。
プログラムされた通り、それ以上を人間に期待されている。ロボットなのに何故か切ない。

人間が作ったものにより人間が困惑させられる姿を見る。
ロボットと人間の関係は何かというよりも、
ロボットが人間に目覚めた時、改めて自らの人間性、情けについて改めて考えさせられます。
毎日毎日効率性や生産性について考えなければならない人は一読をおすすめしません。

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紙の本天才の読み方 究極の元気術

2003/02/24 23:09

天才を知る一冊

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

様々に氾濫する天才への偏見をこの本は一つの解答へ導いてくれています。俗に言う天才に対しての視点は天才とは凡人には不可能な難題を簡単にこなす事が出来る、やる事が病的で性格が変人であるなどから普通の人間と天才とは格段の差があると考えてはいないでしょうか? それははっきり言って誤解です。普通の人から見れば天才のやる事の一端は変人のように写る場合も確かにあります。だからといってそれだけを観て天才と変人をイコールで結び付けるのは間違いであるという事を著者は言っています。それを著者が選んだ超一流の天才を例にとって説明しています。ピカソ、宮沢賢治、シャネル、イチローといった一度は耳にした事のある名前が並んでいてそのおかげなのか非常に親しみ易く入って行けると思います。私個人ではピカソには変人と言うイメージがありました。ですがこれを読んで天才と呼ばれるためのプロセス、理由が解り易く説明されているのでその人間像が垣間見る事が出来、ピカソと言う人物が多少なりとも噛み砕け、身近に感じられました。そして著者は彼ら四人に天才と呼ばれる所以である共通の一事として『大量の数をこなす』事を提唱しています。(他にも様々な元気術のコツを挙げていますがそれは本を読んでみて下さいね。)これは誰しもが天才になれなくとも天才と呼ばれるための道を指し示された事によって希望を与えてもらえたと思いませんか? 人生を有意義に生きるコツを教えてくれる、それを天才という名を借りた教師が教えてくれているのです、そのメッセージ性をこの本は教えてくれています。現状打破を考えている方、更なる飛躍、進歩を考えている方へ本当に元気、希望を与えてくれる一冊だと思います。

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