サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 温 さんのレビュー一覧

温 さんのレビュー一覧

投稿者:温 

9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本あらしのよるに

2004/09/11 23:40

世界で一番似ている人は、あなたの天敵かもしれない

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

漫画デスノートに通じるときめきだと聞いて読んだのです。
ははあ、なるほどね。
正体が知られたら殺されてしまう、けれどその相手は誰よりも自分に似ている——そんなスリルともどかしさなのです。



嵐の夜、まっくらな小屋に雨宿りする山羊と狼。
二匹は暗闇で互いの顔が見えないまま世間話を始めます。
山羊は相手が狼だと気づいています。
バレたら食われてしまいます。
それでも平然と会話を続けていきます。
ところが、食う者と食われる者であったはずの二匹は、実は同じようなことを考えて日々生活をしているのです。
狼が、「私たち、顔も似ているのかもしれませんね」と思うほどに——。



もちろん生きとし生ける物全て同じなんだよ!!
というような絵本らしい教訓話のみに終わらず、
ラストの続きを想像しても楽しいのではないでしょうか。
もし二匹がこの後、お日様の下で出会ったとき、どうなるのか……?


ひたすら会話で続いていくストーリーの中には、
ひづめが触れるシーンあり、雷で室内が照らされるシーンあり、
スリルで冷や冷やさせられる場面も満載。
ひゃーバレちゃうよー…とドキドキしながらページをめくるのです。



こんなに1ページめくるたびに緊張する絵本は初めてでした。
『100万回しんだねこ』と並ぶ、一生物の絵本ですね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本燃えよ剣

2004/03/20 02:04

ドラマや漫画だけじゃなく、史実も小説も男前です。土方歳三。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「バラガキ(乱暴者)」と呼ばれ、多摩で喧嘩を繰り返した男がやがて京へ出、
親友の近藤勇を頭に立てて日本史上例のない喧嘩屋集団——「新撰組」を作り上げる。
これは新撰組を陰で作り上げた日本一の喧嘩師・土方歳三の物語。
やがて時代は悲惨な結末を彼らに与えることになるのだが、
そこに至るまでの彼らはギラギラと目を輝かせている。


土方歳三の視点から見ているので現在ドラマでは主人公(しかも新撰組局長)の近藤勇の陰は薄い。
ラスト近くではカッコイイと思ったけど、正直、新撰組華やかかりし頃の勇はゴツいだけのアホに見える(失礼)。
しかしその学もないのに政治思想に焦がれ、口を開けば立身出世、大名となって故郷に錦を飾ることを夢見る近藤に、土方は戦国の武将の性分を見るのだ。
だからこそ、学問だけの小賢しい奴等を鼻で嗤い、斬って斬って周囲を震え上がらせ、アホだが人間味のある(たびたび失礼)勇をして最強の喧嘩屋集団「新撰組」のボスの座に座らせるために目を輝かせて策謀をめぐらせ戦を仕掛ける。


大名になりたいと夢見る勇はもちろん、金も地位も要らずただ天性の勘と剣で最強の剣客組織を作り上げることに熱中する土方やそれを楽しそうに見詰める沖田も、まるで新しい遊び・新しい玩具に夢中になる少年のようで、読んでいるこちらまで血湧き肉踊る感じがする。


後半は恋愛小説としても泣けます。
セックスはできても女は本気で愛せない。新撰組と二人の親友があればそれで充分だ。そう割り切っていた土方が、ある日、凛とした武家の未亡人・お雪に惚れる。
女といえば抱くだけのものと思っていた土方が、お雪にはなかなか手を出さず、ただ通い詰めては自分の生い立ちを語りつづける。自分の存在を覚えていてほしいとでもいうように。
お雪はそれを黙って聞く。一言も漏らさぬように。
土方は結婚やら妾やらという形式でお雪を囲うことを厭う。
それは当時にしてみればあまりに先鋭的な純愛だっただろう。



最後には土方の仏前で泣き崩れる鉄之助(遺品を預けられ、強制的に戦地から返された年少の隊士)と一緒に、自分も一時間くらい突っ伏して「隊長……!!」と泣き崩れそうでした。
しかもこの後、「PEACE MAKER(漫画)」読んだら、その泣きシーンから始まるんでやんの……ひでえ。泣きっぱなし。
 

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本いま、会いにゆきます

2004/03/20 01:32

一番好きな人に今すぐ会いにゆきたくなる小説

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

……と、オビに書いてありました。
まさに、「一番好きな人に今すぐ会いにゆきたくなる小説」。
北村薫の「時と人シリーズ」などが好きな方には是非オススメです。
優しくて暖かくて読みやすい。そして最後はほろりと泣ける。
そんな恋愛小説です。


「たっくん」は、ちょっと間抜けだけどかわいい男の子と一緒に暮らす若いお父さん。中学生の頃からゆっくりと恋を育んできた妻は、子供を産んですぐに亡くなってしまった。
「たっくん」は脳に分泌される化学物質の不都合のせいで人よりも不器用にしか生きられない病気を抱えているものの、自分のペースでゆっくり子育てと仕事をこなし、幸せに暮らしている。
そんなある日、家の前に亡き妻にそっくりな記憶喪失の女性がたたずんでいた。


「この子が大きくなった頃、雨の季節に、また会いに来るわ」


ちょうど今から梅雨の季節。
妻の言葉を思い出した「たっくん」は、その女性と一緒に暮らし始める。
君は死んだんだよなんて言ったらショックを受けてしまうから、
ちょっと寝込んでいただけでずっと一緒に暮らしてきたふりをして——。


まるで昔に戻ったようなたっくんと妻の幽霊(?)と息子の佑司の三人の生活は本当に幸せそのもの。
嘘がつききれずに起こるドタバタがコミカルなだけに、やがて女性が記憶を取り戻し始めてから後の場面はどこを読んでもせつない。



高校生の生徒のオススメでした。
本を選ぶセンスの良い子だと思っていたので信用して読みました。これもハズレなしです。
 

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本Blue

2003/05/25 00:51

あの頃のそれ等がもし色を持っていたとしたら、

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

“あたしたちはきっとすごく純粋で それだけなんだ
 それで汚いことをしてしまっても
 本当にそれがいけないことかな”



女子高の同性愛モノ。言われれば確かにそうなのだけれど、「同性愛」とだけ説明されると違和感がある。
これは、かつて誰しも高校生の頃抱いた「好きすぎた友達」の思い出じゃないだろうか。
だから、自分には関係ない世界には思えず、身につまされ心を裂かれるような切なさが込み上げる。
二人は一生懸命だ。
一生懸命現実の世界を生きて、17歳の女の子の精一杯の現実の中で、たった一人の大切な人を想う。
運命に流されたのではなく自分で自分の夢を選び取ったからこそのあのラスト。
言葉に言い表せない複雑な感想は、あの頃、わずか17で人生を選ばなければいけなかったもどかしさに似ていた。


本当にはありえない世界かもしれなくても、
これを読むと、あの頃大切だった友達の顔が浮かんでくる。
「ずっと忘れないと思う」
彼女たちが大人になってもなお、それは本当だと思う。
例え実際には、あの頃の思い出が、どうしようもなく美化されているとしても。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本Fine days 恋愛小説

2003/05/05 01:11

青空が影を落とす過去の物語

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この人の書くオンナノコは、オンナノコに好かれるオンナノコだと思う。


それはさておき。

これは、さりげなくホラー要素・ミステリ要素を含んだ短編を書いてきた作者の、初めて「恋愛小説」と銘打たれた短編集だ。
恋愛らしくないキャラクターが恋愛らしくない言動を繰り広げ、身の周りに起こる不思議な現象に諦めをつけて折り合いをつけようと生きていく短編集。
テーマはたぶん、「恋愛」じゃなくて「過去」。


過去の絶望は、曇り空で語られるより、青空のほうが鮮烈に影を落とすみたい。
表題作の読後はもう、その日の空の青さしか、印象になかった。

……ちなみに、オビの「僕は今の君が大好きだよ。たとえ、君自身が、やがて今の君を必要としなくなっても——」という言葉は、「イエスタデイズ」より。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本リリイ・シュシュのすべて

2003/04/03 21:35

『人間にとって最大の傷は、《存在》』

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ごく少数の間でだけカリスマ的に崇拝される歌姫・リリイシュシュ。
彼女のファンは、「リリフィリア」というサイトに集い、
ウタを聴いては感想をつぶやき、語らい、時に熾烈な言い争いを繰り広げる。
その「リリフィリア」のBBSを本にしたもの。


これほどまで崇拝されるリリイシュシュの歌声が想像つかなくて観た映画「リリイシュシュのすべて」は、神秘的な歌声がすとんと納得がいった。
そして、映像は酷く綺麗だった。
ヴァーチャルワールドから観たのが小説版「リリイシュシュ」なら、
映画の「リリイシュシュ」は、茨を踏むような痛ましい日常・リアル。

鮮やかな空、田園風景、くすんだ日常。
その中に、リリフィリアに書き込まれた言葉が流れていく。


けれど、映画に流れるコトバは、全てじゃない。
できれば次に観るときは、
この本の綺麗な、もしくは痛切なコトバを抜き出して、
手許に大事に置いて観たいと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本MOONY 桜花寮トリロジー

2004/02/01 15:45

寮の青臭くてムサい感じがお好きな方に。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

長期休暇でみんな実家に帰ってしまった田舎大学の男子寮。
残ったのはユースケと、偏屈な学生・森谷との二人きり。
夜になると目が見えないんだと言われたユースケは、
夜の間、森谷が視界の悪さで不自由しないようについていてやることにする。
ところが一緒に過ごすうちに、森谷を好きになってしまったらしいユースケは、
ゲイの寮生・諏訪と相談するうちにセフレになってしまう。

後日、思い切って告白したはいいが罪悪感にかられて諏訪との関係を告げたユースケに森谷は——。


ユースケ×森谷+ユースケ×諏訪(リバ)の話プラス、諏訪に片思いの後輩の話や、諏訪の昔の男の話や、寮の幽霊騒動の話などが入った男子寮モノの短編集です。


笑えるの有り、泣けるの有り、学生寮の小汚い雰囲気有りで、寮モノが好きな方にはオイシイと思います。
ただ、表紙のイメージほどせつない系ではないので、
表紙にちょっと騙された私は純粋な内容の評価より★一個下げてます。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本うたかたの日々

2003/05/19 00:57

最愛の人に咲く、死の睡蓮

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この漫画の原作はポリスヴィアンの『うたかたの日々』。
実は小学生の頃からこの原作を読みたいと思っているのだが、有名なわりには田舎の書店には滅多に置いていない一冊で、ならばBK1で……!と思いつつ、ずるずる後延ばしにしていたものだ。
——そういうわけで、原作と比較しての感想は書けないのは「仕方ない奴だ」と許して欲しい。
その「仕方ない奴」の視点から言えば、「漫画版を読んだからもう原作は読まなくていいや」ではなかった。
この漫画の原作なら、本当に衝撃的に違いない。例え、結末を知っていたとしても、つい読んでしまうだろう。


絵も台詞も、作中に印象的に散りばめられた原作の文章も、クールで退廃的。
「少女の肺に巣食う睡蓮」という、聞くだけで魅力的な設定を裏切らない切なさ。
一日にたった2匙の水しか飲めずに苦しんで泣くクロエの涙や、なめらかな胸から咲く睡蓮の絵の美しさはもちろん、台詞や本文の逆説的な言葉の並べ方や世界観が、意味深な違和感を見せて素敵じゃないか。
森博嗣が好きなオンナノコあたりが好きそうだなァと思う。



ちなみに、『クロエ』という映画がある。
日本に設定を移し変えた『うたかたの日々』の映画だ。
綺麗な映像が魅力的だが、退廃的な近未来的世界観にハマると、映画のほうは多少物足りないかも。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

自意識過剰に見せかけた客観性

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

頭が固くなってるときにはヒいちゃうかもしれないけど、結構これって本音じゃないのかな。
「そうそう」と「えー?」を行ったり来たりしながら読んでしまうエッセイ。
だけどこの人、無茶してるようで、かなり冷静だと思う。
自分のことを駄目人間のように言う口調がすごくユーモラスだから、逆にぞっとする瞬間がある。


エキセントリックな言動も、たぶん、彼女のセックスみたく、サーヴィスのための自己暗示じゃないのかな。
エッセイが素じゃなくて何が悪い。
本気でここまで自意識過剰だったら完全にヒいている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

9 件中 1 件~ 9 件を表示