りあさんのレビュー一覧
投稿者:りあ
紙の本ハイランドの霧に抱かれて
2005/07/26 15:10
続編が早く読みたくなりました。
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
本作は「ハイランダーシリーズ」の1作目に辺り、
原書では既に7巻まで出版されているそうです。
物語は妖精の女王が夫たちへの仕返しの為に、
人間の男にさも魅了されたかのように言ったことから始まります。
それを聞き嫉妬に燃えた妖精の王と側近の道化は一計を企みます。
若い神に例えられる完璧な顔立ちと、
海賊のようにたくましい身体を持った人間の男ホークの下に
完璧なまでに彼を拒絶する美女を送り込め、と。
時を自由に行き来できる妖精の力を使い、
道化は20世紀のアメリカから一人の美女をさらってきました。
つまり美男に騙され苦しめられた過去を持つエイドリアンを。
あらすじを読んで、
「妖精」や「タイムスリップ」とか出てきて中途半端なファンタジーか
慣れない妖精の設定に頭を悩ませながら読む羽目になるのではと
あまり良いイメージがありませんでしたが、
妖精の予備知識なしで十分に楽しめますし、
偏ったファンタジーにもなっていません。
翻訳された文章も読みやすく、冒頭から惹きこまれ
中盤から終盤の辺りでは読み終わるのが勿体無くなってきました。
またシェークスピアの「真夏の夜の夢」をご存知の方は
さらに楽しめると思います。
特にホークは容姿に恵まれているのもあって
女たらしだし、城主という事もあっていささか傲慢に見えますが、
彼に降りかかってきた試練が解る頃には見事、魅了されていました。
エイドリアンは1度の失敗で「美男=悪党」と思い込んで譲らない辺り
強情が過ぎるのでは?と思いもしましたが、
孤児という不幸な育ちと本来の無垢な性格が見え隠れしていて
これまた魅力的な人物に描かれていました。
「訳者あとがき」で2作目の予告らしき事も書かれていて
本当に続きが待たれる作品です。
紙の本愛のソネット
2006/01/08 21:45
放蕩者の苦悩
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
放蕩者で通ってきたジェイソンは結婚に悲観的で、
爵位はいずれ弟に、そして弟の子供に継がせるつもりでいた。
しかし弟は未婚のまま若くして戦死し、
彼は結婚せざるをえなくなる。
そこで渋々ながら結婚を決意した彼は、
親友の前で花嫁の条件を挙げる。
まず人前に出して恥ずかしくない容貌であること、
人並み以上の知性があり、
広大な屋敷の切り盛りもでき、
なおかつ自分が呼んだ時以外は田舎に引っ込んでいられる、
公爵家に嫁ぐに相応しい家柄の娘、というものだった。
さて、ジェイソンは条件に適う女性レノーアと結婚します。
が、望み通りのはずが、
なぜかレノーアが気になって仕方がない。
妻はずっと田舎に置いておき、
自分はロンドンで今まで通りの生活をするつもりだったのに、
現実は独りの寂しさを感じるばかり。
口実を設けてレノーアをロンドンに連れて行くものの、
結局二人はすれ違ってしまいます。
浮気相手なら選り取りみどりの放蕩者が、
妻への想いに苦しむ様子が
この手の話の醍醐味です(と、私は思ってます)が、
それを存分に楽しめると思います。オススメです。
紙の本チアガールブルース
2006/01/08 21:49
リンダはやっぱり秀逸です。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
リンダの作品では「心閉ざされて」「夜を忘れたい」などシリアスかつ切ない感じの物が好みなので、今回は期待外れかなと思っていました。ところが、意外にもとっても面白い!「パーティーガール」や「Mr.パーフェクト」と似た雰囲気ですが、全て一人称で語られているのが新鮮でした。ヒロイン・ブレアの語り、というかぼやきが軽妙でテンポが良く、殺人事件が絡んでいるのにとってもコミカル。一気に読んでしまいました。ただ一人称ゆえに、他の登場人物、特にヒーロー・ワイアットの心の内は直接語られることはなく、そこは残念なところ。でも割りと分かりやすい言動をとってくれるので、読み進むに連れてあまり気にならなくなりましたが。
殺人事件の結末も個性的で、喜劇と紙一重の感じもありましたが良い読後感に浸れる内容でした。
次作はやはり好みのシリアスな物を期待しますが、またこういうタイプのがあったら嬉しいです。
ところで少し引っ掛かっているのですが、「唐変木」って今時使うでしょうか。特にブレアが言うとなると、人物設定からして違和感のある言葉だったので気になりました。原書ではどう書かれていたのか気になります。
紙の本母に習えばウマウマごはん
2005/07/19 15:13
楽しくおいしく
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「ダーリンは外国人」で良い味を出していた一江ママの登場です。
「情けは人のためならず」で独特の解釈をご披露くださった方ですが、
今回もピーナッツ逸話など個性が光っています。
基本は料理本ですが、
それ以外のストーリーも織り交ぜていて
「ダーリンは〜」のファンの方も楽しめる1冊だと思います。
あ、トニーもちゃんと出ていますよ。
料理もカレーからステップアップした物も作れるようになっています。
トニーが好きなトマト料理も幾つかあって、
私は「油揚げのピッツァ」を試してみました。
不思議においしいピッツァでした。
カロリーも抑えられますし、小腹が空いた時に良い1品です。
このピッツァはちょっと変わり種でしたが、
他にも魚の煮込みや味噌漬けなど割と普通の物もあります。
が、普通は使わないようなワンポイントがちゃんとあって、
でも奇抜すぎる感じもないので「使えそう!」な小技ばかりです。
「母のおしえ」のコーナーも
“宵越しのお茶”や“スープが濃くなった時の対処方”など
お役立ち情報が載っています。
あと今回トニーとの共通点を発見しました。
私も「チーズにかけすぎはない」と思っている人間ですよ。
太りますが・・・。
紙の本誘われた花嫁
2005/07/12 02:23
ぜひ続編とあわせて
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ヒロイン、アレックスは大叔父から債権を遺された。
その取立て先は農園を営むファルネーゼ家の兄弟。
顔をあわせた兄弟の兄リナルドは特に恨みのこもった眼差しを向けてくる。
ショックを受けるアレックスだが、
彼女の知らないところで兄弟は1つの賭けをしていた。
コイン投げで負けた方が彼女を誘惑するというのだ・・・。
と、あらすじはこんな感じです。
ここまで読むとこの誘惑があとあと問題になると思いますが、
ヒロインとヒーローの間ではこれは問題になっていません。
ただ最後の辺りでトラブルの元にはなりますが。
舞台はイタリア、
ヒーロー、リナルドもいかにもロマンス小説的イタリア男性です。
いささか傲慢だけど頼りがいのある男性ですね。
リナルドの頑なな心と
父への葛藤をアレックスが解きほぐしていくのが、やっぱりいいです。
リナルドは人知れず
アレックスが債権者であるが故に苦しみます。
途中までは2人は険悪な状態ですが、
想いを告げた後は女性の理想って感じです。
この作品はきっとスピンオフがあるでしょう。
理由は最後の終わり方を見れば解りますよ。
紙の本レディ・エマの微笑み
2005/07/12 02:22
成長の物語ですね。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
これもロマンス小説です。
特にこれといった事件があるわけでなし、
つまらん人には途中で投げ出したくなるであろう一冊。
それなりにページ数あるし。
でもヒーロー(とロマンス系ではいうのです)の成長が素敵な作品。
母親の過剰な執着、溺愛と干渉により
地元でも有名な困ったちゃんだったケニー。
恩人のおかげでかなり性格矯正されたものの
やっぱり自己中心的なところは拭えない。
精神的にもちょっと不安定。
でもプロゴルファーとしてマスターズ出場が決まっていた矢先、
スキャンダルを起こし出場停止に加えトーナメント出場も禁止に。
何とか停止処分を撤回させたいケニーは
協会トップの妻に取り成しを頼みます。
その見返りとして彼女が提示したのがレディ・エマの案内兼運転手。
ケニーはいやいやながらも引き受けるのですが・・・。
レディ・エマは「レディ」の称号から解るように貴族出身(確か伯爵)。
でも親は学者の貧乏貴族です。もちろん英国在住。
エマはある理由から自身の評判失墜を目論んでアメリカに来ます。
でもお守り役のケニーはこれ以上評判を落とすのは自殺行為。
片や寄宿学校出身&そこの校長になった堅物、
片や浮いた噂の絶えない有名なプロゴルファー、
この二人の掛け合いが面白いです。
エマの影響や恩人の導きで
最初と最後のページのケニーはかなり変わっています。
その辺りの成長&葛藤を楽しめる作品です。
でもドキドキを期待する人には拷問的に退屈かもしれません。
紙の本かりそめの花嫁
2005/07/12 02:17
完全な続き物です。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
『誘われた花嫁』のスピンオフ、というかまんま続編です。
前回、兄と同じ女性を好きになってしまい恋に破れたジーノ。
故郷イタリアの農園にはいられず傷心のまま放浪の旅に出ます。
イギリスに辿り着いたところでひったくりに遭い
一晩を公園で過ごした彼が出会ったのがニッキという少女。
ニッキはジーノを気に入り、母ローラに下宿させようと頼みますが——。
このニッキは額が広くなる病気(?)にかかっています。
障害ではないものの、
見た目が原因で友だちも作れないし、父親にも捨てられてしまいました。
しかしジーノは初めから見た目を気にせず接したので
ニッキが「ジーノには魔法がかかってる」と感激します。
ローラは離婚してから下宿を営んでいたので
娘の望むままジーノを泊めることにして。
前作のジーノを知っていると結構ギャップを感じます。
それも彼の苦悩と成長を故なんでしょうけど。
最後ではその苦悩の原因の兄夫婦も出てきます。
和解か決別かは見てのお楽しみ
・・・ってハーレクインなら秘密にするまでもありませんね。
印象的だったのがジーノの言葉。
——兄リナルドは他人の弱みを見せない、豪放な性格だけど
実は弱い部分もある男性で、
だからその部分を知る強い女性と愛し合うようになった。
でも自分はその反対。
他人からは気さくで面白おかしく生きているようにしか見られないけど、
実は外見よりもずっと強い、
だから自分の強さを引き出してくれる
ちょっと脆い所のあるローラに強い結びつきを感じるのだ、と——。
凸凹の二人ががっちり噛み合った関係というか
頼りあえる関係って特別だなと思いました。
現実では〜これが難しい。
だからロマンス小説が好きなんですけどね。
紙の本愛の忘れもの
2005/07/19 14:47
裏の主題(?)も興味深いです。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
11冊目となった「スティープウッド・スキャンダル」シリーズ、
今作もいい作品でした。
ヒロイン・ヘレンはアフロディーテの醜聞のヒロイン・デジレーの友人として登場していました。
デジレーは教え子の父親に襲われていた所を見られ、
それが原因で学校を去りますが、
ヘレンも過去に家庭教師をしていた時に同じような経験がありました。
その現場を目撃したのがオリヴァー・ブランドン。
彼はそれが原因でヘレンを妖婦と思い込んでいます。
そんな彼が今は学校の教師として
しかも彼の被後見人を教える立場にあるのですから
一悶着あるのは必至です。
ところで、このシリーズを通して感じるのが
女性の権利、地位の低さです。
それを前面に押し出している作品はないのですが
登場人物の幾人かはそれで涙していて、
何作か続けて読むとこれがシリーズの裏の主題なのではと思うのです。
ヘレンもそれがあってオリヴァーから非難され、
友人のデジレーも同様に非難されました。
またオリヴァーの被後見人ジリアンも
女性ゆえの規制に縛られ苦しみ危機にも直面しています。
そういう面から読んでみるのも
現在の欧米女性の地位に至る苦労も考えられて面白いと思いますよ。
紙の本美徳の戯れ
2005/07/12 02:19
このシリーズはオススメです。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ハーレクインでも特に好きなヒストリカル(歴史物)、
そのスティープウッドアビーを舞台に繰り広げられるシリーズです。
ハーレクインのシリーズ物の特徴として、
1人の作家が書く通常のシリーズと
複数の作家が書くシリーズがあります。
このスティープウッドは後者の方です。
1冊目はイマイチでしたが2冊目以降は粒揃いです。オススメします。
ウィンダム子爵は社交界にデビューしたばかりのセリーナに魅了され、
セリーナの父・リース卿に求婚の許可を得に行きます。
しかし娘が心変わりをしたと見え透いた嘘で追い払われてしまいます。
一方、子爵からの求婚を心待ちにしていたセリーナは
父から子爵の放蕩振りを聞かされ求婚を断ったと告げられます。
代わりに父から結婚を命じられたヘイルクーム卿は
いやらしく、社交界での評判も良くない人物。
セリーナは子爵への思慕を募らせ、
子爵はリース卿の行動に不信感を抱きますが———。
日本男子にも名誉が何よりも大事な時代ってありましたよね。
今やその文化は風化した感がありますが、
リース卿が拘っているのも自身の名誉。
ここまで拘られると愚かとしか思えない気もしますが、
少しはあってもいいんじゃないかなと思いました。
紙の本愛を捨てた理由
2006/01/19 09:05
ヒロインへの想いに切なくなります。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ケイトの働く会社が買収され、新たな社長がやってきた。それは、5年前に他に女性が出来たと告げ別れた元夫だった。即座に退職届を出したケイトだったが、ショーンは自宅にまで押しかけてきて・・・。
ペニー・ジョーダンの愛憎劇、特に別れた夫婦や恋人の場合は壮絶なやり取りがよく見られますが、今作は若干おとなしめです。それはショーンがケイトに負い目がある事と、彼女への傾倒ぶりも自覚しているので、強い言動でヒロインを傷つけ翻弄するタイプのヒーローではないからでしょう。このショーンですが、何となく『パーフェクト・ファミリー』の改心後のマックと印象が重なりました。ヒロインに抱いている尊敬や感謝の念が似ているからだと思います。それゆえに、ショーンが別れを切り出した理由がより切なく感じられます。無駄にするには5年は長いなと思わずにいられません。
紙の本嵐の予感
2006/01/19 08:47
走るヒロイン
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
クレアは殺人事件を目撃したが、犯人から逃げる際に階段から転落し頭を打ってしまう。ワシントン市警刑事ショーンはクレアが目撃したのは連続殺人犯だと確信するが、病院で目覚めたクレアは事件の記憶を失っていた。
ロマンティック・サスペンスによくある連続猟奇殺人事件ですが、犯人はちょっとばかりおマヌケです。それもクレアが強すぎて犯人が弱く見えるせいかもしれません。
まず殺人事件を目撃した所からして、夜遅くに人気のない裏道を歩くのはクレアの失点だとしても、鞄から催涙スプレーを出してた用心深さにびっくりしました。逃げる時もヒールのある靴をさっさと脱ぎ捨てるし、しかも“オリンピック選手のように速い”という駿足です。後には冷静な判断力と強烈なキックでまたもや危機に対処しています。見た目おしとやかな様ですが、精神は鋼の様なクレア。「神は自ら助くるものを助く」という感じの人です。
他にショーンとのロマンスも、もちろん見所の一つです。ほぼ600ページの長さがありますが、テンポがいいのであっという間に読み終えてしまいました。犯人は除外して、心底憎たらしい悪役も出てこないせいか、サスペンスなのに気持ちいい作品でした。
紙の本プリンセスに変身
2006/01/08 21:39
ヒロインがかわいいです。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ロマンスの展開はゆったりとした物です。
発見当時のシャキラの状態は悲惨と言うしかなく、
精神的にも不安定で言動は少年そのもの。
その彼女が女性として開花していくのを待たなければ、
と我慢のシャリフが、微笑ましい感じさえしました。
またシャキラの溌剌とした性格がとても良かったです。
難民生活の厳しい現実が描かれていますが、
ホッとする内容で安心して読める作品だと思います。
2005/07/19 14:25
デブロー家の解決です。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表紙のキラキラがちょっと恥ずかしかったですが、内容はなかなか。
これは「デブロー家の伝説」シリーズの完結編になると思いますが、
他のシリーズ本を読んでいなくても差し支えないと思います。
私もかなり前に1冊だけ読んでほとんど覚えていませんでしたが
不自由はしませんでしたし。
ヒロイン・デイジーは名門テンプルトン家の末娘として育ちましたが、
養女である事は以前から知っていて、
実の親を探すことを切望していました。
しかし養父母はそれを許さず、デイジーへの援助を止めてしまいます。
デイジーは益々反発し、探偵まで雇って操作を続行、
ついに実の両親を突き止めたのですがそれは思いもよらぬ人物でした。
冒頭は実の両親を知ったデイジーが帰国する場面から始まります。
そして即、実母と対決し、その足で実父との対決に向かいます。
この実父トニーはデイジーの友人の父親であり、
彼女が着いた時はトニーの息子と娘夫婦、
つまりデイジーの異母兄弟の妊娠を祝して乾杯している時でした。
こういう時は「お話があるの」とトニーだけ別室に来てもらうか、
いっそ別の機会に、と暴露を躊躇するのがよくあるパターンですが、
デイジーは気持ちいい位に家族全員の前で
自分はトニーの愛人の子だと宣言してしまいます。
いっそ気持ちがいい位でした。
ですが、このデイジーは好き嫌いが分かれると思います。
私は結構好きなのですが、
というか彼女の気持ちが理解できるのであまり気にならないのですが、慎ましく忍耐強いヒロインが好き!な人はお嫌いかもしれません。
ところで、この本は全部で476頁あります。
普通のハーレクインの2〜3冊位の量ですね。
なのでデイジー以外の人物もかなりの割合で書かれています。
それがトニーとグレース元夫婦だったり、
デイジーの実母、養父母だったりします。
この描写の仕方はペニー・ジョーダンの
「パーフェクトファミリー」シリーズと似ていると思います。
特にトニーとグレースはm
前作の時点でグレースが花形キャスターを降ろされ
失意の中故郷に帰り、やっとトニーと仲直り?な展開でした。
そこへ、そもそもの離婚の原因から生まれたデイジーが乱入し
当然ながらグレースは激怒します。
この二人の問題が
シリーズを通しての問題だったので(というかそうらしいので)、
二人の展開にも注目です。
紙の本強引な求婚者
2006/01/15 00:48
悶々と悩むヒロイン
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
自由を愛し自立心に富んだマリエッタは、男性に縛り付けられる結婚を嫌い求婚者は全てはねつけて来た。幸い継母は家政の一切を任せてくれ、父親も理解のある人だ。マリエッタは今のままで充分に満足だった。
そんな折り、一家は父が新しく獲得した荘園の隣人アラン卿が理想の結婚相手だと知る。継母は結婚を拒否し続けるマリエッタにさじを投げ、実の娘である次女エメリーンをアラン卿の相手にと張り切る。しかしアラン卿が求婚したのはマリエッタの方だった。
この話は前後半で区切られます。前半は求婚から逃げるマリエッタをアラン卿が押さえ付ける、という感じ。後半は馬泥棒をはめる計画に没頭するアラン卿と、妹エメリーンに悩むマリエッタというところでしょうか。
周囲からは美しいと思われているマリエッタですが、本人は無自覚です。しかもエメリーンがアラン卿の前妻に瓜二つらしい事が分かると、なぜあんなに美人なエメリーンでなく自分を選んだのかと悶々と悩みます。
肝心のアラン卿は、馬泥棒を捕まえる準備を頼むものの事の真相はマリエッタに隠したまま、しかも人前でエメリーンと親しげな様子を見せつける始末。
アラン卿の心情がさほど多く書かれていないのもあって、彼の行動の真意は後々になるまでよく解りません。同じように事件解決後の彼の反応も、もう少し書いてくれてもいいのに、と物足りなく思いました。
あと前後半で話が区切られている為、前半の悪役が後半では無意味なものになっているせいで盛り上がりに欠けたと思います。後半の悪役について前半で布石はあるのですが、物語全体を引っ張って行くようなインパクトはありませんでしたし。あまり長くもない話なので、物語を区切ってしまったのは失敗だったように思いました。
紙の本残酷なランデブー
2006/01/08 02:14
CIAものですが、割と地味かも。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
まずは簡単にあらすじを。
違法な養子縁組を続けている犯罪組織を追い、ハンターは囮捜査の為あるパーティに出ていた。そこで元婚約者、7年前、結婚直前に自分が捨て去った女性イーデンと再会する。イーデンもまた事件の関係者だったのだ。
ハンターはCIAのエージェントなのですが、CIAって国内で起こった事件の捜査は基本的にやらないそうですね。でも今まで読んだハーレクインでは国内のにも結構首を突っ込んでいたような・・・。
肝心な事件ですが、もう少し犯罪組織について掘り下げても良かったかな、と思いました。割りとトントン拍子に事件が解決した感じがあって残念。被害者を妊娠させ、監禁したうえ出産後直後に惨殺、嬰児を売るというとんでもない犯罪組織なのに詰めが甘過ぎです。しかもアメリカ国内だけでなく、ヨーロッパまで手を拡げているのに。なのでそこは減点。
でもロマンスとしては充分に楽しめる作品でした。
ハンターがイーデンを捨てた理由というのが思ったより地味だったので一瞬ガクッと来ましたが、考えてみると納得できるものかも。でもハンターが罪悪感で縛られていて、それが彼の心理描写でかなり出てくるのが切なかったです。
最後の危機一髪は、まぁ、ハーレクインのお約束です。ちょっとこじつけっぽく訪れる危機ですが、やっぱり一番の見所ですね。
良い読後感でした。