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松井高志(元編集者)さんのレビュー一覧

投稿者:松井高志(元編集者)

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待って待ち続けて待って

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 編集者を主人公にした小説やコミックは世の中にたくさんあるが、編集の仕事を手際よく描いたものはとても少ない。テレビの2時間サスペンスでもよく編集者の主人公が殺人事件に巻き込まれる(または被害者になる)。彼ら・彼女らは都会の驚異的に片づいたオフィスに勤務し、「取材」(と称した犯罪捜査の片棒かつぎ)に必要であれば日中どこへでも自由に行動でき、時としてやけに風光明媚な土地に出張にも出かけ、むやみに良い宿に泊まる。決まって、普段は口うるさいが、いざというとき頼りになる上司に恵まれている。
 彼ら・彼女らは自分の机をせっせと掃除したりしないし、経費のことでぐちぐちイヤミを言われたり、編集会議でシカトされたりはしない。まぬけな誤植をしでかさないし、晩飯を店屋物で済ませたりはしない。主人公だからだ。
 国産ミステリーやコミックの「編集者モノ」は、大抵編集経験者からみるとつまらない。それは、編集についてほとんど何も描いていないからで、彼らの職業は、設定の一部なのであって、物語の必須要件、あるいは描くべき事柄ではないからだ。「編集王」も、「ベル・エポック」も、編集マンガではないと思う。なにも主人公が編集である必要がないからだ。
 主人公が就いている特定の職業について細部をリアルに描いてないだけで、一般的な意味で価値が乏しい、などと言うのは言いがかりもいいところであるが、今まで見た中で「編集マンガ」として唯一成功していると感じたのが、このマイナーコミック誌編集部を舞台にした四コマシリーズ。「まんがくらぶオリジナル」(竹書房)に連載されていたもの。惜しくも終了し、単行本も2巻で完結した。編集モノは意外とドラマに乏しく、絵柄もデスクワークが多くて愛嬌に欠け、ネタ涸れを起こしやすい。四コマとしてのクオリティを維持するのは大変だったと思う。
 自分が編集を辞めてみて、振り返ると分かるのだが、雑誌や新聞やテレビの制作の人たちの自意識というのは異様なもので、「この仕事を辞めたら、人間辞めるのと同じ」くらいに思いこんでいる人さえ珍しくない。そういう思いこみと、オフィスの机回りの片づけとは、往々にして両立しないのだ。ギャグ四コマにはそういう人は当然出てこないわけだが。

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