ケンさんのレビュー一覧
投稿者:ケン
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ノコギリザメのなみだ
2003/04/03 21:05
自分自身を振り返るきっかけに。
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ノコギリザメのおじいさんののこぎりの歯はボロボロ。そこへ海のオバケがやってきて「わしがなおしてやるよ」と言います。オバケはノコギリをぽいっと取って、その代わりに、たこ、イソギンチャク、うに、サンゴ、オバケ自身、海藻などをつけますがノコギリザメはしっくりきません。涙を流します。その度に涙は海の中を「静かにながれていったよ」。
オバケは何とかしたいという気持ちがとても強いのでしょう。いろんな工夫をします。私がとても感動したのは、「つきのきれいなよる。オバケがこういうのはどうですか?ときいた。しばらくだまっていたオジイサンは さみしいよーといってなきだした。なみだがひかって、うみにおちたよ」
という場面。ここは絵の説明がないと何のことかわかりませんね。三日月の出ている夜に、オバケがノコギリザメのオジイサンをもちあげて、丁度三日月の端がノコギリザメの口にかかるように工夫します。実際に三日月はついてないのですが、みている人にはうまい具合に、ノコギリザメに三日月がついたように見えます。
さて、この絵本はとても重要なことを示しているものと思いました。というのは、援助する側のオバケの存在は、実際に人を援助する立場の人(カウンセラー、教師、福祉職、その他身近な友人や家族の援助に当てはめて考えてもいいかもしれません)をとてもうまく表しているものと思われます。援助する人は、自分ではとてもいいことをしていると思って様々なことをするかもしれません。いや相手のためを思っていろいろ思い悩んで、援助しているのかもしれません。しかし実際の援助を受ける側にはしっくりこずに涙を流していることもあるのかもしれないのです。
実際に、オバケの三日月のアイディアに私は感動しました。しかし、ノコギリザメにとってはこれっぽっちもいいことではなかったのです。むしろ涙が流れた。ここが大事だと思うのです。なかなか気づきませんよね。いいアイディアだと自分が思っているものほど、相手にとってもいいものだと思い込みがちですからね。特に私はこの傾向がとても強いのでどきどきしてしまいました。
クライマックスはどんな展開を見せるのでしょうか。とても素敵です。是非この絵本を手にとって、読んでみてください。「なるほどなー」と腹の底から私は納得させられてしまいました。キーワードは「なみだ」です。
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