黒田ネコさんのレビュー一覧
投稿者:黒田ネコ
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姑獲鳥の夏
2003/05/21 15:03
憑き物落とし!
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私がこの本を読んだのは今からかれこれ4年前。この4年間、この作品以上に生唾を飲む作品には出会っていません。現代では胡散臭く思われているオカルティズムも、この作品を読めばかなり納得できるかも。
作品の舞台は昭和27年夏。戦後、復興しつつもまだ闇の残る日本で事件は起きます。一人の視点からではどうしてそれが起きているのかさっぱりわからないこの事件。これはもう憑き物が憑いているとしか思えない!と誰もがそう思わずにはいられなくなった頃、京極堂こと中禅寺秋彦が重い腰を渋々上げて、憑き物落としの作法を披露します。
京極堂の憑き物落しは、ダメ人間・関口の病んでる精神にシンクロして物語を読んでいた、読者の〔憑き物〕も一緒に祓ってくれます。読み終わった後は憑き物が落ちたみたいにスッキリと晴れやかな気分になれること間違いなしです。
あ…、他人の薀蓄聞くの嫌いな人は読まないほうがいいかも…です。
クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い
2003/05/20 19:53
タイトルからして…
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タイトルを見てこの本を手に取った人。いい勘してます。ミステリー好きにはたまらない文字です「クビキリ」。かくいう私もタイトルに惹かれて買ってしまったクチです。
ミステリーを期待して買った人は最初は結構がっかりするかもしれない。事件が起きて、もちろん死体もあって、と、ここまではいいのだが、その事件に使われたトリックがミステリーに慣れている読者には容易に想像のつく代物だからだ。普段読者がミステリーを読む場合、その主な目的は作品内で起きた事件のトリックを読みながら解くことにあるが、そのトリックは決して作品の中盤で解けてはいけないというのが暗黙の了解であったはずである。帯に、「新」本格ミステリーと銘打ってあるにもかかわらず、話半ばで読み終わってしまっては仕様がない。しかし、そこに「新」の「新」たる所以がある。トリックが解けた程度ではこの事件は終わらない。終わった事件をさらに終わらせる「人類最強の赤き請負人」の登場。解決し終わっても解決できないサイクル。いーちゃん(主人公)と友(友達?)の理解しきれない心の中。
読んだらきっとどつぼに嵌ります。個人的に気になるのはいーちゃんの本名。今後、明かされる日はくるのか……どうだかな。
きみとぼくの壊れた世界
2003/12/12 14:21
確かに壊れてマス
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えーと、多分この本を読もうと思った人は先に西尾維新氏の本を何冊か読んでいると思うので、敢えて彼の小説の世界観を紹介することは省きます。
この本は、一応ミステリーなんですが、いつものごとく主人公の壊れきった内面を描くことに重点をおいている小説です。「死体が出た」「トリックは何だ」「犯人を捕まえろ」、そんなことはどうでもいいんです。生まれたときから最良の選択を選びつづけ、結果的に最良の「現在」を獲得しているはずの主人公。しかしその「最良の選択」は誰にとっての「最良」だったのか。いつのまにか壊れてしまった自分の周囲の世界。気付かなかった自分の歪みが周囲までも狂わせる結果となってしまったことの悲しさ。そして、そんな世界をこれからも取り繕いながら生きていくしかないということへの絶望感。今回の作品が『クビキリ…』シリーズと違うところは主人公の精神的問題点に、意外にも、読者が共感できる点ではないでしょうか。読み終わってみると、結構沈みます。
付け加えですが、この本、『クビキリ…』と比べると幾分か言葉のくどさが無くなり読みやすくなっているような気がします。なんて、単に私が西尾氏の言葉の並べ方に慣れただけかもしれませんが。ま、みなさん、気が向いたら読んでみて下さい。
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