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福川 伸次さんのレビュー一覧

投稿者:福川 伸次

4 件中 1 件~ 4 件を表示

競争優位を生むナレッジ・イノベーションを,いかに企業に根つかせるかを具体例をもって示す処方箋

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 ナレッジ革命とかインテリジェンス経営と題する書籍は,ちまたにあふれていて,読者はどれが好著か迷うに違いない。評者も,この種の書籍を数多く読んだが,あるものはITに特化し,あるものは経営組織論に焦点をあて,企業経営システム全体をどう改革しなければならないかを明らかにしているものは少ない。
 それもそのはずで,多様な市場を対象に,多彩な技術を駆使して,柔軟なITを活用できるこれからの時代において,標準的な経営モデルなどないからである。現に,米国で企業経営者と話をすると,経営システムの「エクスペリメント(実験)」を強調する人が多く,自社にふさわしい独自の経営モデルを探求しようという態度がうかがえる。1社が採用すると他社が追随するという日本とは大違いである
 本書「ナレッジ・イノベーション」の特色をあえて,2つに集約してみると,1つは,企業の変革を起こすものとして,人間的な要素に着目した「ナレッジ・コミュニティー」を中心としていることであり,もう1つは,ナレッジ・プログラムの失敗事例やナレッジ・ビジネス実践法といった現実の事例を豊かに,しかも整理して提供していることである。
 国際企業学習協会の共同設立者で,多くの企業における学習を手がけてきたジム・ボトキン氏は,その著書において,「ナレッジ・コミュニティーとは,従業員が情報を分かち合い,具体的な事業目的に必要な新しい知識を作り出し,それをレバレッジにかけ,共有するグループ」と位置付ける。そして,ITがあくまでも手段であり,企業文化を生み出す人間集団が変革の決め手であることが,実例の中から鮮明に浮かび上がってくる。
 監訳者の米倉誠一郎教授は一橋大学のイノベイションセンター長としてこの分野の第一人者であり,訳者の三田昌弘氏は,実務経験を持つ研究者である。訳文も明解である。
 ナレッジマネジメントを自社に根づかせたい経営者や管理者には,有益な好著である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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「市場と政府」は日本経済の最重要な課題。本書は実証的,理論的に解決案を示す

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 「市場と政府」の関係は,停滞を続ける日本につきつけられた深刻な課題である。バブル崩壊後,度重なる財政支出を伴う景気対策と,歴史上まれな低金利政策にもかかわらず,米国のような力強い成長を回復し得ない日本経済をみると,市場の枠組みが問題なのか,政策が問題なのか,企業家精神が欠けているのか,誰しもが問いたくなる。
 著者の田中直毅氏は,私自身,長年にわたり御交誼を頂いているエコノミストであるが,彼の特徴は,経済のみならず,政治,社会を通じて幅広い視野を持ち,政府批判を中心とした消極的エコノミストが多い中で,将来への問題解決を提示しようという積極提案型の評論家であることだ。さらにいえば,実証型であるという彼の特色も見逃してはならない。
 本書の構成は,彼のこうした特色がにじみ出ていて,もし,書籍に対する興味が著者の人格にふれることにあるとすれば,典型的な出版物の一つであるといえるものである。
 彼は,本書の第1章に「市場と政府の決定的分岐点」を据え,21世紀の日本経済を設計する12の観点や,市場についての改革の系譜を実証的に分析し,日本の改革の展望を描こうとしている。しかもそれは,政治による関与についても,目を配り,なるほどと思わせる情景が描かれている。
 彼は,第2章に「非常時の市場と政府」を置く。日本が1997年以来悩み続け,未だに出口が見えないシステミック・リスクの分析に精力を注入している。本書の副題が,「21世紀日本経済の設計」とされているが,この章の分析はその大きな論拠を提供している。
 第3章は,「政府」の役割の再定義と市場の奥行きについて論じている。政治のなせるわざではあるが,彼はペイオフ解禁延期を激しく批判し,今後問題が深刻となる財政赤字への対応や,2001年1月から実施に移される行政改革に,鮮明に問題を投げかけている。
 その章にある「政府活動の再定義」と「行政改革の経済学」は,我々としても,十分に吟味してみる必要のある課題である。なぜならば,もし仮りに行政改革が失敗に終わろうものなら,日本は2度とはい上がれない淵に落ち込む恐れがあるからである。
 第4章は,e−エコノミックスと市場規律を論じている。ITは確かに我々に「新しい成長」へのモメンタムを与えてくれそうだが,日本が「逆転の構図」を描き得るかは,日本内部の問題である。
 ブッシュ政権は,日本を再評価する動きを見せているが,アジア諸国の間では,かつての日本賞賛の声はもはやない。
 21世紀に向けての日本経済の再設計は,焦眉(び)の急である。本書では,その設計図が示されているが,要はこれをいかにして工事に移すかである。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本制度の政治経済学

2000/12/01 21:16

政治経済学の新しい比較分析手法を用いて,市場と経済主体の調整メカニズムを分析した好著

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 本書は,市場と経済主体の調整メカニズムを取り扱った論文集である。編監訳を担当された名古屋大学大学院経済学研究所の長尾伸一助教授が訳者解説で述べておられるように,1980年代に欧米で発達した政治経済学の概要を紹介する目的で編集されたもので,最近における市場機能の評価とその調整をめぐる分析が要領良く描かれている。
 本書は,冒頭論文と2つの部分から構成されている。冒頭論文は,ロジャー・ホリングスワースとロベール・ホワイエ両氏による「経済主体の調整メカニズムと社会的生産システムの重要性」に関するものである。第1部は,ピーター・ホール氏とピーター・カッツェンスタイン氏の両論文からなる政治経済の制度分析であり,第2部は,ジェフェリー・ハート氏,アラン・ユーソン氏,フィリップ・シュミッター氏及びピーター・ホール氏の4論文を集めた欧州統合をめぐる政治経済学の分析である。
 私は,30年余にわたって,産業行政に携わってきたので,市場の枠組には,関心が深い。ポリティカル・エコノミーから訳出された政治経済学は,沿革的には17世紀にさかのぼり,その考え方も時にはマルクス経済学のように政治体制と結びついた経済学を意味したり,時には一般の経済学と理解されることが多かった。しかし,現実の市場をみると,そのような政治体制の相違に限らずとも,市場にはさまざまな枠組がある。
 1980年代に,長い停滞期から脱出した米国では,市場礼賛の気風が盛り上がる。しかし,欧州では,ミッシェル・アルベール氏の資本主義対資本主義という著作が象徴するように,制度的にいくつかのシステムがあることを分析するようになる。
 冒頭論文では,「現代の経済活動の基本的な特徴の多くは,市場とは異なる調整メカニズムも重要であることを示している」とした上で,「市場とその他の調整メカニズムが社会的生産システムを形成し,逆にそれによっても形成されもする」と指摘する。そして,市場のガバナンスは,市場そのもの,コミュニティー,ネットワーク,アソシエーション,私的ヒエラルキー及び国家にかかわるとする。
 第1部では,国家をめぐる諸理論を分析して,ドイツ,フランス,英国を例にひきながら,資本と労働の組織,マクロ経済政策,産業政策,所得政策などを問うている。
 第2部では,国家と国際競争力の関係,公共政策と民間企業の利害,欧州統合と各国の資本主義の関係を論じている。欧州統合は,制度の政治経済学の好個の事例であり,その相互依存関係は,経済パフォーマンスに多くの好影響を与えることが期待されている。
 本書は,かなり理論的に高い水準にある。しかし,実証分析を多く含んでいるので,理解しやすい。特に日本の経済システムを理解する上で参考となる点が多い。
(C) ブッククレビュー社 2000

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バーチャルリアリティーは21世紀を開くヒューマンな技術。真に理解することが知的活動を飛躍的に拡大する

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 日本語には,英語から翻訳しにくい言葉がいくつかある。「バーチャルリアリティー(VR)」はしばしば「仮想現実」と訳されているが,それがいかに日本人に誤った観念を植えつけているかを本書は説く。
 私は,IT革命は,人間の知的活動の領域を拡大するところに革命の意味があると考えているが,VR技術は正にその典型である。著者の日高俊明氏は,VRは「今までと違った方法で,私たちの知的活動や創造活動を支援してくれる夢の技術である」と定義する。
 著者がジャーナリストの経験があるだけに,本書は実証例が豊かで具体的であることに特色がある。リハビリや心のケア,医療,創造支援,労働災害,教育,能力開発,作業訓練などでその応用を説いている。
 私は,21世紀がITを活用した人間の世紀になると確信しているが,そこではVRの技術が欠かせない。本書はそれを理解する上で有力な手掛りを提供してくれる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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