MIEさんのレビュー一覧
投稿者:MIE
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海のいきものかいかたそだてかた 洗面器でかおう
2000/08/01 15:48
洗面器の中に、自分と全く異なる生き方を見る
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海辺が海水浴客でにぎわう8月、海のなかは恋愛と出産、子育てのシーズンだ。
カップルたちが目のやり場にこまるシーンを見せつけていたり、頼りなげな赤ちゃんたちが波にふらふら揺れていたり……。そんな、四季折々豊かな表情を見せる海の生き物を、机上で観察してみてはいかがだろう。
著者は、ろ過装置やエアーポンプを使わずに洗面器で飼う方法を何年にもわたってためしてきた。そのノウハウと楽しみ方が凝縮された、磯のにおいがしてきそうな本である。洗面器の住人は、あまり動かない動物たち。だが一見おとなしそうに見える彼らも、彼らなりのスピードで動き回っていることに気づく。
いごこちのいい場所をさがしてさまようイソギンチャクは、水の動きに反応して美しい触手を広げる。どん欲なハゼは、イソギンチャクが触手につけて今まさに食べようとしているエサを横取りする。「宿」の引っ越しをするヤドカリが慎重に新居(貝殻)の大きさをはかる姿もかわいらしい。
洗面器のなかは時間の進み方の違う別世界だ。
装丁は子ども向けの学習図鑑といった印象だが、その中身は、想像力をかきたててワクワクさせてくれる読み物である。アソビから遠ざかってしまった大人にこそ読んで欲しい。
ティム・バートンナイトメアー・ビフォア・クリスマス
2000/08/01 15:45
世の中、清廉潔白ばかりじゃつまらない
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舞台は、夜の墓場。怖い夢に出て来そうな奇怪な世界。そこで語られるのは、なんと、現実からの逃避行をするお化けのものがたりだ。
独特の線描が、闇夜の大気をあやしく重々しく描き出し、まるで心霊写真のように何かが浮かんで見えそうで、読者は目を凝らさずにはいられない。
ハロウィーンランドの王者ジャック・スケリントンは、人々を恐怖に陥れる仕事に飽き飽きしていた。あるとき彼は、クリスマスランドのサンタクロースにあこがれて、自分がサンタになろうとする。誘拐してきたサンタの肩に、なれなれしく手をかけて、「あなただけがいつもいつもサンタの役だなんて 許せない!」と言い切るジャックの、なんと身勝手なこと! そして、脇をかためるお化けたちのグロテスクなこと。
だが、彼ら闇の世界の住人も、ティム・バートンの手にかかると可笑しみや愛らしさが加味されて、なんとも魅力的なキャラクターとなる。“過ち”に対する著者のまなざしが温かい。最後のサンタクロースの一言が泣かせます。
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