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神村 龍二さんのレビュー一覧

投稿者:神村 龍二

7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本ニッポンの病院

2000/12/06 15:15

病院は医者中心ではなく,患者を中心にしなくてはならない,という当たり前だが新鮮な視点からの医療改革

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 米国の病院の病室には,テレビ,電話はむろんのこと,洒落た絵が飾られ,洗面台,トイレ,シャワーまでついているそうだ。こういう病室を日本では「まるでホテルのようだ」というが,著者のジョン・C・ウォーカー氏は,病院はホテル以上に快適でなくてはならない,と言う。ただでさえ気分が優れない病人が,何のうるおいもない無気質で冷たい病室で療養しては良くなる病気も良くならない。そう言われてみればもっともだが,日本の常識ではない。
 患者が医者に自分の病気の状態や治療の方法について説明を求めたり,薬の副作用について気軽に質問できないような日本の医療が,ウォーカー氏には不思議でたまらない。氏は病院管理の専門家であるとともに,アジア学士を取った知日家で日本人女性を妻としている。横須賀基地医療サービス部管理部長から,千葉の亀田総合病院の管理部長をへて,現在は同病院の特命副院長として,患者にとって快適で治療効果の高い病院作りに精魂を傾けている。
 日本では,一度医者になってしまえば改めてその資格を問われることなく,その後何十年でも医者を続けることができる。新しい治療法を知らなくても,医療過誤を起こしていてもである。比べて米国では2,3年ごとに再審査され医師免許を更新しなくてはいけない。その上医師のこれまでの成績が民間の審査機関によって評価され,経歴の情報開示もなされているので,患者が医者や病院を選ぶ手掛かりが制度的に整えられている。
 本書は,日本人が幸福な人生を過ごすために医療制度を患者寄りのシフトに移すことを目的として書かれている。「日本のどこにでもいるごく普通の患者さんにこそこの本を読んでいただきたい。皆さんがいるからこそ,病院が存在することを忘れないでください」という筆者の言葉が新鮮に響くこと自体が,日本の医療の問題点であることが痛切に感じられる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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「心・脳・遺伝子」という近年話題の3つのテーマの関連を,科学者の視点で解説する

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 従来,心の病として心理的な療法の対象とされてきたうつ病や強迫神経症などは,脳内の神経伝達物質との関係についての研究が進むにつれ,薬物での治療が効果をあげつつある。
 本書では,精神遅滞,アルツハイーマー病のほかに,学級崩壊につながるといわれる注意欠陥・多動性障害も遺伝子異常と関連しているという。  遺伝子解析が遺伝子異常による疾患の治療という大義名分のもとに推進されている現在,分子科学分野の研究について知っておいた方がいいという意味で,本書は示唆に富む。 しかし,「ホームレスの半分以上が精神分裂病である」というような,乱暴で根拠なき断定や,ホーキンス博士を例に挙げながら,筋萎縮性側索硬化症を「おどろおどろしい病気」と形容するなど,患者や家族への敬意を欠いた表現が多い。 科学者が人を「ヒト」としてあたかも分析可能な単なる物質のごとく扱うさまがよく現れており,そういう意味でも参考になる。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本0〜3才気になる症状と病気

2001/05/01 22:20

新米ママにとって気がかりな乳幼児の病気。どんな熱なら心配無用?どんな腹痛なら病院直行?

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 小さい子どもが風邪にかかり,熱がでたので,あわてて医者に駆け込んだら長い時間待たされて,かえって具合が悪くなってしまうことがある。本書では熱があっても機嫌が悪くなければ,家で様子を見たほうがいい,意識がもうろうとしているときはすぐ医者へ,というように症状によって親がどう対処すべきかを,詳しく説明している。
 心配しなくてはいけない症状,検査が必要な症状,親がゆとりをもって見ることで自然におさまる症状と,わかりやすいチャートと親しみやすいイラストで,親の対応を示している。
 泣きやまない,おっぱいを飲まない,といったちょっと気になる程度の症状から,伝染病やアトピー,そして小児白血病などの難病の兆候まできちんとおさえてあるのが心強い。「心配しすぎないように」という著者の温かい思いとともに,小児科医として長年の経験に裏打ちされた正確な情報が,病状に翻弄(ほんろう)されがちな母親の気持ちを,しっかりと支えてくれるだろう。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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「疲れ」というありふれていながら,なかなか治らない苦しみ。医者や患者はどうしたらいいのか

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 「このところ妙に疲れやすいんですが」と医者に行った時と,「胃がしくしくと痛むんですが」と訴えた時とでは,医者の反応は明らかに違っている。どこが悪いのか胃なら分かりやすいが,「疲れ」という曖昧,茫漠とした表現では医師の側も原因究明にエネルギーを必要とする。あげく検査をしても異常が見つからないとなると,「気のもちようじゃないですか」で終わってしまい,患者は次の医師の門をたたくことになる。
 この悪循環を断つために患者は医者を理解する必要があるし,医者は患者を理解する必要があり,両者が力を合わせて「疲労と闘おう」と説くのが,著者のネーデルソン博士である。慢性疲労症候群の世界的権威として,博士は科学的に緻密に原因を探り,最も適切な治療をほどこすためにさまざまな薬の作用,副作用を検証していく。ヨガや鍼も認めながら厳密な科学者としての態度は,医者にとって非常に参考になろう。
 患者には睡眠不足や太り過ぎといった疲れの原因となるものを,簡単な生活習慣を変えていくことで取り除いていく術を教えてくれる。 「気のもちよう」についても「患者が自分でなんとかしなさい」という態度ではない。疲れの最大の原因といわれるストレスをどう減らしたらよいのか。まず自分が何にストレスを感じ,どう反応するかを観察することから始め,カウンセラーなど専門家の助けも借りながら,人生観を変えていく方法を懇切丁寧に教えてくれる。「疲労」には「生物・心理・社会学的」アプローチを取らなくてはならない,という視野の広さが患者にとって,どれほど救いとなることだろう。「疲労」から人を解放したい,という著者の熱情がひしひしと伝わってくる。
 翻訳の文章に堅い部分が多く,「疲れ」に悩んでいる人が本書を読み通すことができるのか疑問は残る。日本の専門機関や支援ネットワークの紹介も欲しかった。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本頭痛は警告する

2001/01/07 18:15

身近であるがゆえに軽んじもし,悩まされもする頭痛。その頭痛との正しいつきあい方がようやく分かった

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 取引先から苦情が出て頭が痛い,と言っているうちに,ほんとうに頭痛が起きる時がある。不安やストレスが頭痛を引き起こすのだ。こういう緊張型頭痛に,なんと日本人の4分の1が苦しめられているそうだ。不安やストレスから筋肉が緊張し,肩や頭のまわりの筋肉がこわばって頭痛となる。ある学者は「頭痛を軽く楽にするためには,頭痛についてできるだけよく知り,不安をなくすことだ。不安と頭痛は手を携えてやってくる」と言っている。
 本書は頭痛はどうやって起こり,心と体のどういう状態を表し,どうしたら楽になれるのかを分かりやすく説明してくれる。頭痛の最良の攻略本である。
 頭の片方がズキズキ,ガンガンする片頭痛は大きな仕事が片付いてほっと一息というときに起きやすい。つまり緊張がとけて,血管が弛緩し拡張したときに起きる。ひどい場合は寝込むほどだが,著者いわく,能力が高い人の几帳面過ぎる仕事にブレーキをかけるために遺伝的に仕組まれている装置なのである。そう考えると悩みの種もいとおしく思えてくる。
 こうした長年悩まされている頭痛はどちらかといえば良性で,適切な薬の服用や不安のコントロールでうまく付き合っていけばよい。ところが一刻を争って脳神経外科に駆け込まなくてはいけない頭痛もある。脳腫瘍や硬膜外血腫,くも膜下出血の症状としての頭痛である。突然激しく襲ってくる痛みや,吐き気や視力の異常を合併する頭痛は命の危険を伴う。うつ病の症状として現れる頭痛もなおざりにしてはいけない。
 多種多様な頭痛にどう付き合えばいいのか,本書はビジネスマンを対象に書かれているだけに,無駄なく必要な情報が分かりやすく得られ,すぐに日常生活の参考にすることができる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本いちばん新しい大腸がんの本

2000/12/28 12:16

患者と医師の信頼関係を基本として,がんに共に立ち向かうために,名医が素朴な疑問に分かりやすく答える

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 便に血が混じっている,「もしや大腸がんでは」と心配しながらも,病院に行く勇気が出ない,そうしているうちに「もう手遅れでは」と,悩みがますます深まる。こんな経験をした人に,「ご安心ください。大腸がんでは症状に気づいてから受診するまでの時間と,生存率にはあまり関係はありません。症状が長いほど生存率は良好というデータもあります。しかも大腸がんはたとえ進行がんであっても,救命率は高いのです」と言ってくれるのが,本書である。
 著者の丸山雅一氏は癌研究会付属病院の内科部長を務め,30年にわたる消化器系のがん治療の第一線に携ってきた。患者とその家族がいだくさまざまな疑問,「大腸がんは遺伝するのか」「がんになると体重が減るのか」「抗がん剤の副作用は」「人工肛門と日常生活の関係は」などに,ていねいに分かりやすく答えてくれる。
 たとえば,現在病院に通って検査を受けなくてはならないという人には,その検査によって何が分かるか,また何が分からないか,その検査から起こる苦痛はどんなものか,その検査以外にどのようなやり方があるか,そういうことまで説明されている。
 つまり,この本はがん治療についての情報開示なのである。ふつう日本では,患者から医者に,自分がどういう治療や検査を受けているのか,気軽には質問ができない。けれども,丸山氏は患者は自分の体というプライバシーについてすべてを知り,決定する権利があるという。したがって,がんの告知も必要である。患者にとって大きなショックであるが,いつか患者はそれを乗り越えて精神的に強くなり,真の信頼関係が医者と結ばれるようになる。そこには患者への深い信頼がある。長く臨床に携わり,患者と苦楽をともにしてきた経験から理念へと昇華された,人間への信頼でもある。本書からは自分が病気を直してやる,というごう慢な態度ではなく,患者と共に病と闘う真摯(し)な医者の姿が立ちのぼってくる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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飽食・グルメ・健康食品と,食の関心が高まっている日本人に,自らの健康について考えさせられるデータ満載

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 本書には,栄養士を志す学生や,現在栄養指導や健康教育に携っている人々に役立つ,栄養や健康に関するデータが数多くまとめられている。しかし,食生活が健康の土台であることを考えると,専門家のみならず我々すべてにとって便利かつ有用なハンドブックである。
 がん,心臓病,脳血管障害という3大生活習慣病は50年前には日本人の死因の約25%であったが,今では60%を超えているという。最近まで成人病と呼ばれていたこれらの病気が生活習慣病という名称に変えられたのは,早期発見,早期治療で病気を治すより,食生活の改善や適度な運動そして十分な休養など,生活を改善することで病気を予防することが,より重要だからである。
 ここで栄養士の役割がぐんと大きくなるのだが,結局は日々脂肪の多い食事をとり,ストレスに悩まされ煙草を吸い,酒を飲むといった我々の日常を見直さなくてはならないため,本書によって自己管理の必要性を痛感させられるのである。
 しかもがんの危険因子は塩分,熱すぎる飲食物,喫煙,さらに糖尿病を防ぐには脂肪や砂糖を避け肥満を防止するなどと,病気にならないための具体的な方策も示されている。それだけはない。栄養士は運動の指導もするので,ウォーキングやダンスなど適度な運動の指針まで挙げられている。
 「データ」といっても無味乾燥な数字の羅列ではなく,適切な解説と多彩な資料の編集から,日本人の過去,現在,未来がおもしろいように読み取れるのも本書の楽しみの一つである。15歳未満,65歳以上のいわゆる従属人口は,現在はそれ以外の生産人口とほぼ同じだが,50年後には従属人口は全人口のなんと85%となるそうだ。その上,総人口は今より3000万人も少なくなるという予測なのだ。
 本書を読むと,婚姻数は減り,離婚は増え,子どもは減り,高齢者が増え,しかも食料自給率は低い,といういびつな構造に,国民の健康状態だけはなく国家の健康状態も気になってくる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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