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法学セミナーさんのレビュー一覧

投稿者:法学セミナー

20 件中 1 件~ 15 件を表示

私有財産のために

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 日本国憲法二九条三項が、「私有財産は、正統な補償の下に、これを公共のために用いることができる」と定めているのと同様に、アメリカ合衆国憲法の第五修正の最後には、「何びとも、正当な補償なしに、私有財産を公共の用のために収用されることはない」と書かれている。監訳者解説によれば、この収用条項は、あまり論じられることのない日本とは違って、一九七〇年代移行のアメリカ法学では活発に論じられているという。その原因は、ロールズの『正義論』に端を発した政治哲学・社会哲学の再興によって、国家の役割が根本的なレベルで問い直された、ということにあるようだ。
 著者は私有財産を自然権として保護する収用条項の厳格な解釈と精緻な論理によって、福祉国家の拡大された権力——ゾーニングから家賃規制や課税や福祉給付まで——に意義を唱える。
 本書のすぐ前に、同じく木鐸社から訳出されたR・バーネット『自由の構造』とともに、現代リバタリアニズムの法理論を代表する書物として注目される。(C)日本評論社

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紙の本債権総論

2001/03/21 17:49

手と頭を使って「読む」教科書

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

  図表を多用した「見る」教科書が増加する中で、本書は、「読む」ことに徹した教科書である。なぜなら、「図や表を作成し、分かりやすくすることは読者の仕事」であり、自分の頭に定着させるには、読者が「手と頭を使う」必要があるから、と筆者は言う。
 そのため、本書には、隅々まで読みやすさへの配慮が行き届いている。読者が作図しやすいような叙述がなされ、また、判例や学説も精選されている。非常にクリアで読みやすい教科書である。初学者でも無理なく読み通すことができ、また、債権法の全体像をつかむことができると思われる。
 本書では、解釈論上の論点について、学説や判例をさまざまな立場に分類・整理するということをしていない。歴史的な流れに沿った学説や判例の位置づけが優先されているからである。本書の叙述に慣れてきたら、ぜひこれらの学説を各自で分類してみてほしい。「手と頭を使う」ことの面白さが分かってくるだろう。それは、民法学習の醍醐味でもある。(C)日本評論社

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「いのち」のインナートラヴェルズ

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 メインの書名よりも、「『いのち』を学ぶ付添人活動」のサブタイトルのほうが、本書の本質を表している。
 著者は、事件を起こした少年の付添人として、少年が犯した罪に向き合わせるために、少年が何に直面していたかを知ろうとする。その過程はまさに「こころの旅」である。ロジャーズからユング派心理療法、内観など、さまざまな心理療法を渉猟して知る「こころ」のメカニズムを縦糸とする。そして、「銀河鉄道の夜」から「戦艦大和ノ最期」、寅さん映画、はては「エヴァンゲリオン」に至るまでさまざまな文学、映画などの作品をめぐり、それを横糸として、子ども自身、そして子どもをめぐる状況、そしてそれにどう関わるべきかという壮大なタペストリーを織り上げようとしている。
 読者は、本書の記述はあまりに落ち着きがないと思うかも知れない。しかし、「わかってしまった人」は、憑かれたように働くしかないのだ。こういう人たちに、わが国の子どもの未来がかかっているのである。(C)日本評論社

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紙の本刑務所の中

2001/01/15 13:16

「刑務所の中」で自分をみつめる?

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 著者はカルト的な人気をもつマンガ家である。モデルガン好きがこうじて改造銃を試射して逮捕され、銃砲刀剣類不法所持で懲役三年の実刑判決を受け服役した。その体験に基づく記録である。
 徹底してディテールにこだわった細かいタッチのペン画に圧倒される。刑務作業や運動、風呂の情景など、「こんなふうになっているんだ」という驚きがある。圧巻は、拘置所と刑務所の独居房、懲罰房でひとりでいる時に思うこと——タバコを吸いたい、喰っちゃ寝で豚になるのではないか、房を掃除すると変なゴミが出る——独特の内省の世界である。著者はもともと内省的な人のようだが、これも拘禁反応のひとつだろうか。そして、雑居房での、同房者への人間観察である。——うまく立ち回る人、夜のふざけあい、子どもへの思い——しかし、いつか「組織人」として振る舞っているところが限りなくおかしい。行刑の実際を受ける立場からみる貴重な本であり、一級の文学作品でもあると思う。(C)日本評論社

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コスモポリタニズム対愛国主義

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 本書は共同体主義に反対して世界市民精神を説くヌスバウムの「愛国主義とコスモポリタニズム」と、それに対する一六編のコメントと、ヌスバウムの「返答」から構成されている。
 寄稿者の多くはヌスバウムが国民国家や愛国主義の意義を過小評価していると考える。しかし彼らが擁護する愛国主義は決して民族主義的なものではなく、人権や民主主義といった普遍主義的な理想の伝統に訴えかけているところが、いかにもアメリカ的である。
 ヌスバウム以外の文章がどれも比較的短いために議論が深化しないうらみはあるが、J・バトラーの「文化における普遍性」を例外として、どれも十分に明晰だ。特にA・センの「人間性と市民権」は、ヌスバウムへの反論に対して本人以上に説得的に答えている部分がある。ステイトとネイションを区別するK・M・アッピアの「コスモポリタン的愛国者」も読みごたえがある。(C)日本評論社

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紙の本合意による道徳

2001/01/15 13:04

契約論的正義論の一頂点

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 本書は一九八六年の刊行以来、現代における契約論的正義論の一つの頂点をなすものとして高く評価され、ロールズの『正義論』やノージックの『アナーキー・国家・ユートピア』と同様、「現代の古典」の地位を確立している。
 著者は「私的利益の極大化」」として理解された合理化の観念から、異なった利害を持つ諸個人が合意することが合理的であるような社会契約として道徳を導き出す。各人が「あからさまな効用極大化」に道徳的な拘束を課して、相互に協力することによってこそ、結局は効用が最大化されるというものである。著者は最後の部分では、さらにこの正義論の具体的な適用や、他の正義論との比較検討も行っている。
 合理的選択理論やバーゲン理論やゲーム理論を駆使した議論の方法には当然のことながら根本的な批判もありうるが、ともかくその前提を受け入れる限り、著者の論証には説得力がある。(C)日本評論社

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紙の本民法総論

2001/03/21 17:44

「総論不在」の時代への挑戦

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 本書は、民法の「総論」である。「民法総則」ではなく、「民法入門」でもない。より広い視野から、民法と民法学の全体像を明らかにしようとするものである。「民法の歴史」「民法の内容」「民法の担い手」「民法の研究」「民法と現代社会」から構成される。「民法の内容」には、支配・交換といった民法の基礎的な観念、及び民法の思想といった問題が、また、「民法の担い手」には、法の解釈・適用、市民の法意識の問題などが、それぞれ含まれている。
 このように、本書で扱われる問題は、「基礎的であるがゆえに難しい」問題である。一度は民法を勉強したことがあり、もう少し基礎的な部分を掘り下げて勉強したいという人には最適である。学習の過程で何気なく見過ごしているような大きな問題に気づかされるだろう。そして何よりも、「総論不在」という民法学への危機感、細分化の進んだ民法学をもういちど全体として捉え直そうという著者の問題意識に、改めて深く考えさせられる。(C)日本評論社

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紙の本財務会計概論 第3版

2001/03/21 17:39

グローバル化と会計制度

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 従来、わが国の企業会計は先進諸外国と比較して、極めて不透明であると指摘されていた。益出しなどの決算の「お化粧」、子会社を使った利益操作・損失隠し、恣意的な会計処理などの例は枚挙にいとまはない。もっとも従来はこうした行為も我が国の会計実務上どこか許容されてきた感がある。
 ところが経済活動の急激なグローバル化の波は、こうした日本のローカルスダンダードの慣行を一気に押し流そうとしている。
 日本の会計制度がこれまでのように不透明であれば、海外の投資家は損失の危険を察知して投資を控えるであろうから、日本企業が資金調達の面で国際的に不利になり、外国企業との競争に破れ去ることになろう。経済のグローバル化は、否応無しに透明性の高い会計制度の導入を促す契機となっている。近時、国際会計基準の影響を受けて、金融商品の時価会計が導入され、有価証券報告書は連結中心となった。本書はこうした会計制度の変容を踏まえ、現在の会計制度を学ぶ手頃な入門書である。(C)日本評論社

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グループ会社戦略による「攻めの経営」

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 これまでの日本においては、M&Aや会社分割などは、欧米特有の経営風土の所産であり、日本的経営には馴染まないと考えられる傾向があった。それゆえ、こうした企業組織再編の意義を充分検討するまもなく、二一世紀に突入したといっても過言ではない。
 しかし、今日、企業組織再編のうねりは経済のグローバル化に相俟って、日本の企業経営者にも避けて通れない課題を突きつけている。二十世紀の終わりに急速に進められた「株式の交換・移転制度」「会社分割法」を中心とする一連の商法改正とこれに関連する会計・税務の制度改革は、こうした企業再編にむけて日本企業が進むべき新しい道のインフラ整備であったといえる。本書はこの新しい制度の利用の手引きとして、米国の先進事例を紹介し、日本の場合と比較して制度の背景、意義を解説する。とりわけ企業組織再編が資本関係の変化だけでなく、これまでの親会社中心主義の経営とは一線を画するグループ会社戦略をもたらすものであるという指摘は興味ぶかい。(C)日本評論社

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紙の本シネマで法学

2001/03/21 17:32

あらゆる場面に潜む法的問題

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 大学の授業で、映画ビデオが教材として用いられることがあるだろう。法的な問題を考えさせられる映画というと、アメリカの刑事法廷で弁護士が熱弁をふるい、陪審が評決する類いのものがイメージされるかもしれない。ところが、日常のあらゆる場面に法的な問題は存在する。本書は、法廷ものはもちろんのこと、戦争や恋愛もの、SFなど、さまざまな映画から法的な問題を抽出する。
 テーマごとに映画のタイトル、写真、ストーリーが紹介された後、法的な解説が始まる。たとえば、『チャップリンの独裁者』から民主主義について、『プラトーン』から平和について考えさせる。映画がきっかけになっているため、歴史的背景もすんなり理解できる。その他、所有権や契約、結婚と親子、医療、刑罰などが論じられる。
 本書は、日ごろ何げなく観ている映画から法学の知識を網羅的に示してくれる。それと同時に、今すぐ映画を見に行き、法的・社会的な視点で問題を考えたいと思わせてくれる。(C)日本評論社

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紙の本アメリカ民事手続法

2001/02/14 16:32

アメリカ民訴法の全体像がわかる

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 国際取引が進み対米関係の重要性も一層増している今日、日本企業もまたしばしば日米間の民事紛争に巻き込まれている。このような状況からもアメリカの裁判制度に関する知識の需要は高いが、同国の民事裁判制度全般を体得しようにも従来の書物ではディスカヴァリやクラス・アクションといった同国特有の制度にもっぱら焦点が当てられていたこともあってその全体像を掴むのはなかなか困難であった。
 その点本書では、アメリカの民事裁判制度の開始から終局までが丁寧に解説されており同国の民事訴訟制度の全体像を知るにはうってつけである。また二〇〇〇年の連邦民訴規則改正にも適宜言及されており、実務的にも非常に重宝な一冊といえよう。
 なお、本書ではアメリカの裁判制度に特有の陪審制の研究についてやや紙幅が割かれているが、陪審制導入の賛否につきこれまでわが国でなされてきたような机上の論議だけでは意味がなく実証的な研究の必要性が強く説かれているあたりは、現在進められている司法制度改革にも示唆的といえよう。(C)日本評論社

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デジタル商品の特徴と規制のあり方

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 従来の電子商取引関係の書物がもっぱら非デジタルな製品販売の手段としての電子商取引を扱っているのに対して、本書はデジタル商品の特徴に注目している。デジタル商品といっても、現時点では情報製品やゲーム・音楽くらいしか思いつかないが、こうした商品は将来、非デジタル商品も含む社会生活のあらゆる面に影響を与えることになると本書は指摘する。
 しかし、電子商取引市場では、いまだ安全に取引を行えるセーフティネットが十分に整備されたとはいいがたい。例えば法的な問題だけとっても、デジタル時代のコンテンツ所有者の著作権をいかに保護すべきか、また益々拡大する双方向型のマーケティングもプライバシー保護の問題とは切り離すことはできない。こうした問題にいかに対処するかの前提として電子商取引市場の特性が規制関係者に充分に知られていないことを本書は危惧している。デジタル商品の特性をしった上でこの市場の将来的展開可能性の芽をつむことのない法整備こそが急務なのである。(C)日本評論社

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紙の本ネットバブル

2001/02/14 16:22

インフラなき市場の「狂気」

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 本書は、インターネット関連銘柄を巡る会社不正ないし市場不正を批判するものである。近時のネットバブルは、基本的な法制度の欠落ないしその不備を白日の下にさらした。怪しげな風説の流布、経営者によるデタラメの予測情報の公表、きわめて不公正な経営手法、マネーロンダリング、非合法勢力の経済社会への参入、アナリストやジャーナリズムによる安易な企業評価、上場審査の簡素化、新規公開規制の緩和等々。著者はこうしたインフラなき市場の「狂気」を克明に描き出しており、このようなわが国の現状を知るだけでも本書は読む価値がある。
 こうした批判は安易な規制緩和論の結末の一端を示すものとして貴重なものであるが、次のステップとしてこうした批判を建設的な制度改革論議に結びつけることが肝要である。本書で紹介されているネットバブルとの関連で言えば、情報開示規制・相場操縦規制・新規公開規制・コンプライアンス・ベンチャー企業育成政策などの基本的な法制度改革が不可欠と思われる。(C)日本評論社

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紙の本自治と政策

2001/02/14 16:20

九〇年代における巨大な変化と二一世紀の展望

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 本書は、公法学・行政学の研究者によって書かれた、六本の論文を収録する論文集である。編者は、九〇年代において経済構造の変化に伴う市場の圧力の高まり、中央集権的行政システムにおける制度疲労、市民社会の成熟の三つが要因となって、情報公開の徹底、いわゆる時のアセスなどの政策評価制度の開発、住民参加の進展など、政治、行政、経済の各分野で巨大な変化が引き起こされたと述べている。そして、本書における試みは、地方分権と行政改革を基軸として、この巨大な変化の意味を明らかにし、日本の行政の在るべき姿を明らかにしようとするものであるという。本書で、扱われているテーマは、金融システム改革と自治体の政策、新地方自治法、公共事業、環境アセス、エージェンシー制度、公務員制度であり多岐に及ぶ。
 行政や政策の内容あるいは「質」が問われている今日にあって、地方自治や政策評価の在り方、さらにいくつかの政策それ自体を検討しようとする興味深い試みであるといえよう。(C)日本評論社

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環境を守る権利としての入会権・漁業権・水利権

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 本書は公共事業に焦点を当てながら、入会権・漁業権・水利権について、主として農民・漁民・住民を対象として書かれたものである。叙述のスタイルはユニークであって全面的にインタビュー方式とQ&A方式が採用されている。
 著者は、これまでの公共事業批判において決定的に欠けていた視点は、公共事業が、生命財産を守るためとして、財産権、とりわけ入会権・漁業権・水利権を侵害して行われるものであるということであると指摘する。そして、これらの権利に焦点を当てることによって、著者が言うところの環境の守り人たる農民・漁民・住民の手によって、公共事業をストップさせることができると主張する。そもそも、これらの権利は近代法が想定する権利のあり方とは大きく異なるものである。本書は全体を通して近代的な権利とそれ以前に形成された山・川・海の利用に関するルールとの調整の問題を描いた意欲的な取り組みということができよう。(C)日本評論社

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