中村淳さんのレビュー一覧
投稿者:中村淳
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紙の本プロフェッショナルWebプロデュース プロとしてのWebサイト制作の基礎
2000/11/16 18:30
9月19日今日のおすすめ書評
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【Webサイト制作以前の問題から、幅広く明快に解説】
分かっていない?!が、分かる超実用書。しかもプロ向け!これからプロを目指す人にとっても非常に役に立つ本だが、「自称プロだけど」って人にはこのうえない恩恵をもたらすこと請合いの一冊である。この本を読んで「目からうろこが...」ってならない人は、もう既に十分プロのレベルで仕事をしている人か、全く見込のない人かのどちらかであろう。
私が経営する会社でも、様々な企業、公共施設、研究団体などからのWEBサイトの制作や運営を請け負っている。例をあげれば、製薬会社の研究者向け情報提供サイトや、国文学系の万葉集の研究者向けサイト、とあるプロジェクトチームの作業進行状況の情報共有化サイト、大学の学科単位での広報サイトや、ロックグループのサイトもある。実に多様なのだ。しかもそのどれもが、明確な目的を持ち、しかもWEBのバックで何らかのデータベースを運用している。また取り扱われるデータも、文字や画像のみならず、ムービーや、音楽そのもの等を含む多様なものとなってきている。
しかし最近でこそ、年始の新聞紙上の名刺広告のような企業のホームページは少なくなったが、今でもホームページの立ち上げを相談にくる企業の担当者からは「まずはシンプルな...」とか、「とりあえず、ホームページが在るってことだけで良いので...」とのご要望を頂くことが多い。いろいろと制約や事情があるのだろうが、要は分かっていないのである。ところが、Webサイト制作側でもまだまだ分かっていない人はたくさんいる。印刷会社の新規事業部門でWebサイト制作ビジネスを始めて、ホームページはいつまでも印刷物のおまけとしか捉えていない営業マンや、デザインスタジオのデザイナーのWebサイト制作が単にホームページのレイアウトやデザインでしか無いような場合である。そんな会社はWebサイトプロデュースのプロフェッショナルとは言えない。
今までの経験から私のところでは、顧客の本当の目的を引き出すことに最も重点を置くようにしている、時として顧客である相談者は、本当のことを隠している場合があり、それを鵜呑みにして作業を続けて行くといつまでたっても顧客にとっての期待する効果を実現できずに結果的には顧客に不利益をもたらすことになるのである。 本書ではそういったWebサイト制作以前の問題から、幅広くビジネスとしての「プロフェッショナルWebプロデュース」について実に明解に解説されており、これからWebサイト制作ビジネスを始めようとしている会社や学生から、既に十分にWebサイト制作ビジネスを営まれている「あなた」にとっても必ず読む価値のあるものと言い切れる。
目次の一部を紹介すると、第1章では、Webサイト制作ビジネスの傾向と対策と言うタイトルのもと、プロとアマの違いからプロジェクトの構成や人材について書かれている。第2章では、Webサイト制作のビジネスアプローチ、第3章では、Webサイト制作のワークフロー/ケーススタディで、見積もり算出方法の悪い例なんてのもある。そして第4章で、Webサイト制作のアフターフォロー。第5章 Webサイト制作のための情報活用で締めくくっている。これらは全て、分かりやすい実例とともに、必要な項目のリスト、ブロック図やフローチャート、ポジショニングマップやコンセプトチャートなどを用いて表現され、スピーディーで情報価値が高い。非常に実用性に富み充実した内容でここ1年くらいのうちに私が買った本の中では最高のハウツウ本と言えよう。
本書を読んで、あなたもWebサイト制作を通して顧客に「効果」を売る、本当のプロフェッショナルになることを期待して止まない。
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