片岡 裕生さんのレビュー一覧
投稿者:片岡 裕生
| 1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
問題解決のためのCプログラミング
2000/11/08 12:15
コンピューターの歴史からC言語による実践的アルゴリズムまでを解説する教科書
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
本書は非常に広範囲な内容を網羅している教科書である。コンピューターの歴史,ハードウエア,オペレーティング・システム,ネットワークといったコンピューター概論から始まり,C言語の基本や構造化などのプログラミング手法の紹介,そして検索・統計などの基本的なアルゴリズムから行列や連立方程式の解法,ひいては各種数値計算法などのより実践的なアルゴリズムまで,例題を交えながら解説している。
これだけ多くの内容をA5版200ページ余りの小さな本に詰め込んでいるためか,どちらかというと「広く浅く」という内容になっているのは致し方ないところである。たとえばC言語の解説は,工学分野の問題を解くために必要な範囲の文法や用法のみの紹介にとどめてある。このほか,厳密には,正確とはいえない表現も一部に見られるのだが,これは短期間でCプログラミングを修得しようとしている読者に対し,余計な混乱を招かないための著者の工夫と思われる。また,わかりやすい例題が非常に豊富である。本書の後半では決して十分とは言えないページ数の中で多くのアルゴリズムを紹介しているが,1つひとつに適切でわかりやすい例題とその解法を解説付きで示しており,本書のよく吟味された構成も相まって,読者の理解を助けている。
本書は機械工学の学生や研究者向けの教科書であるため,紹介しているアルゴリズムは工学分野の問題を解く際に頻繁に利用されるものだけに厳選してある。紹介している主なアルゴリズムは,検索(線形検索,二分検索),ソート(直接選択法,バブルソート),統計(回帰,ヒストグラム,最小二乗法),行列演算,連立方程式(ガウス・ジョルダン法),グラフィックス,リカーシブ・グラフィックス,代数方程式(2分法,ニュートン法),定積分(台形公式,シンプソン法),常微分方程式(オイラー法,ルンゲ・クッタ法)である。
教科書として実によく考えられた本であり,是非とも講義用にお薦めしたい。
(C) ブッククレビュー社 2000
| 1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
