上原子 正利さんのレビュー一覧
投稿者:上原子 正利
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赤の発見青の発見
2001/07/02 17:30
生々しく過剰な会話
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西澤氏は赤の高輝度発光ダイオードを実現した人物。中村氏については今や説明不要だろう。本書は、両氏から個別に聞き書きした話と対談をまとめたもの。中心となる話題は、当然ながら発光ダイオードの開発にまつわる話だが、科学や工学に対する関心だけを持って読むような本ではない。
本書を一言で表わすとすれば、「生々しい」となる。文章には内容的にも文体にもあまり編集の手が入っていないようで、技術的な議論も素人向けの解説無しで進む。それだけに、専門家同士の内輪の雑談を聞いているかのような生々しさがある。両氏と近い分野の人々がどう読むのかは分からないが、分野外の読者は、内容を理解できなくても、その生々しさを楽しむのが正しいと思う。
話の内容は当然ながら両氏の研究を軸としているが、その周辺の話も多い。誰それの研究は実は誰それより先で、とか、誰それはフェアな論文査読者だった、とか、誰それの論文を追試したけどできなくて、など、公表用の会話というよりは普段の会話のようだ。青色発光ダイオードはその性能面とコスト面での有利さから外国では信号機に使われだしているが、日本では天下り企業の関係上使えないとかで、その企業名まで明記されている。所々単なる愚痴のようなものまであるが、それも本書では浮いていない。
両氏ともに日本の社会にはまらなかった人物のようで、日本社会に対する批判的な発言が多い。特に中村氏は、日本を飛び出してアメリカに向かい、そこでの社会のあり方に納得しているため、批判に一貫したものを感じる。既に中村氏の他の本を読んでいる人には物足りないかもしれないが、日本にいて「何かおかしいんだけど…」と思う人は、一度中村氏の話を(本書でなくても良いが)目を通しておく価値があると思う。西澤氏という相方がいる事が本書のポイント。両者の息はかなり合っている。ずれるように見える瞬間もあるが、それもおもしろい。というわけで、本書は普通のよくできた科学書を求める人のためのものではなく、何かしら生々しい、過剰なものを求める人のためのものだろう。
(上原子 正利/北海道大学大学院工学研究科)
ハエ学 多様な生活と謎を探る
2001/05/18 23:36
一般の読者には敷居が高いが…
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複数の著者による文章を集めた一冊。前書きを読むと、編者は一般向けを意識していたようだ。しかし、収録されている文章の多くは専門家向けのものを加筆修正したもののようで、一般の読者にとってはハードルが高く感じられるだろう。ハエというテーマからは、書き方によっては一般の読者にとってもおもしろいものが出てくるように思えるので、これは惜しい。
そのハードルを乗り越えて読んでみると、おそらくほとんどの人にとっては知らない事ばかりだろう。本書からいくつか興味深い話をピックアップしてみる。オドリバエのオスは交尾をするためメスに贈り物をするが、中には人間の結婚指輪のような儀式的な意味しか持たない贈り物があったり、楽に獲得できる贈り物である栄養分の無いヤナギの種を使ってメスをだますオスや求愛餌を交尾の度に持ち去って楽をしようとするオスがいる。ハムシの幼虫に寄生するヤドリバエの一種は、「ぬすみ寄生」という特殊な方法を取るが、これはハムシがカリバチに狩られて巣の中に持ち込まれる事を利用し、巣に集められた多くのハムシ幼虫から栄養を取るというものである。カイコに寄生するヤドリバエの一種の幼虫は、寄主の器官を自分の消化管内に取り込み、それをシュノーケルのように利用して呼吸する。クロバエの一種は夏に高標高地へと移動するが、移動のペースは速いもので一週間かそれ以内で標高にして1700mに達するほどである。また、山岳での移動のみならず、九州と韓国の間を移動している可能性もあるという…。
著者ごとに文章の堅さが大きく異なり、内容的にも相互に明確な関連が見えないため、パッチワーク的に感じた。編者や出版社のディレクションがもっとしっかりしていれば、さらに良いものができたと思う。編者のあとがきには、本書に含まれなかったアブとカの仲間をいずれ紹介したいとあるので、続編にはその点を期待したい。
(上原子 正利/北海道大学大学院工学研究科)
<目次>
はじめに
1章 ハエとはなにか 篠永 哲
2章 結婚の贈り物をするハエ −オドリバエの求愛給餌− 井上 亜古
3章 高原にすむハエの話 −ショウジョウバエ− 別府 桂
4章 花にすむハエ −ショウジョウバエ− 屋富祖 昌子
5章 吸血するハエ −トリキンバエ類− 堀 浩二・岩佐 光啓
6章 寄生者として生きる −ヤドリバエの生活− 嶌 洪・一木 良子
7章 貝を食べるハエ −ヤチバエの生活− 矢野 宏二
8章 ヒメイエバエの話 西田 和美
9章 放牧地のハエ −ヒメフンバエ− 天野和宏
10章 牛眼虫(線虫)を媒介するハエ −ノイエバエ− 篠永 哲
11章 ヨシノメバエの系統の由来を求めて 上宮健吉
12章 登山をするクロバエ 荒川 良
13章 オビキンバエの起源を訪ねて 倉橋 弘
14章 休眠するハエ −センチニクバエ− 森林敦子
15章 アフリカにツェツェバエを追いかけて 佐々木均
参考文献
あとがき
索引
多足類読本 ムカデとヤスデの生物学
2001/04/13 00:21
「日常の世界の裏側」を覗きたい人へ
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なにしろ地味な本である。ムカデ・ヤスデというテーマといい、文字ばかりでカラー図版の少ない構成といい、一見したところ、およそ一般にアピールするところのない専門家向けの本に映る。だが、実際に読んでみると印象は全く変わってしまった。多足類に関する予備知識が全く無い私にも読みやすいし、何より読んでいて楽しいのだ。
本書を読んで強く感じるのは、著者が多足類研究に感じる楽しさや多足類に向ける愛情だ。淡々とした多足類研究書、あるいは仕事で書いた本という印象は全く受けない。本書のはじめにある言葉「グロテスクなものの奥底にある美をぜひとも感じとって欲しい」に現われているように、本書の関心は知識の記述にはなく感覚を伝える事にあるのだろう。もちろん、分類方法や専門文献等の研究上必要な各種知識も後ろにしっかりとまとめられている。
題材が題材だけに、広い範囲の人々が楽しめる本だとは思えないので、手放しの推薦はできない。しかし、理科心を持つ人の一部には好意的に受け入れられると思う。読後に多足類の美を感じ取れるところまでは行くかどうかは分からないが、多くの読者の多足類を見る目は変わるだろう。本書には「特定の生きものについて深く知ることは、日常の世界の裏側へ行くようなものだと思う。世界は広くはてしなく、そこかしこに裏側への入口がある」と書かれている。日常の世界の裏側を覗く事が好きな人なら楽しめるのではないだろうか。
(上原子 正利/北海道大学大学院工学研究科)
<目次>
はじめに
第1章 多足類の魅力
第2章 形を調べる
第3章 ムカデの話
第4章 ヤスデの話
第5章 採集法
第6章 飼育法
第7章 標本作成法
第8章 研究のための基礎知識
第9章 研究の手引
日本産多足類 属までの分類表
引用文献
おわりに
索引
〈図解〉ヒトゲノム・ワールド 生命の神秘からゲノム・ビジネスまで
2001/08/05 15:41
もっと丁寧に仕上げられていれば…
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ヒトゲノムに関する広い範囲の話題を扱う一般向けの一冊。著者の清水氏は、専門的にはヒトの22番染色体の解読で知られているのだろうが、科学書読者にとっては昨年の『ヒト「ゲノム」計画の虚と実』の著者と言う方がピンと来るだろう。
下記の目次に示されているように、本書の話題は教科書的な知識から社会との接点まで幅広い。この特徴は、著者の主催する「ゲノム塾」とも関連しているようだ。著者は、ビジネスよりもアカデミックな理解を重視すべきという立場を取る。本書は2ページ前後で1つの項目をまとめるという形式を取っているが、生物の仕組みや研究の歴史についての説明なども多く、項目の選択にも学問的な理解を重視する立場が見える。研究者が書いているからそうなるのは当然かもしれないが。
本書は悪い本では無いが、しかし、文句無しに推薦できるものでも無い。著者の視点のみを語る部分や説明が分かりづらい所がところどころに見えるからだ。著者が1人で相手を見ずに語っている、という印象も受ける。もっと丁寧に仕上げられていれば、と思う。
(上原子 正利/北海道大学大学院工学研究科)
<目次>
第1章 生命のはじまりと進化
第2章 生命観の歴史と進化論
第3章 細胞、DNA、遺伝子の世界
第4章 二重らせん構造と分子生物学
第5章 生殖の基本としくみ
第6章 ヒトゲノム解読のインパクト
第7章 身近な遺伝学
第8章 遺伝病と遺伝子治療
第9章 ゲノム・ビジネス
第10章 遺伝子操作と再生技術
第11章 ヒトの進化と恐竜復活
エピローグ
おわりに
[資料] 20世紀生命科学100年の歴史に輝くノーベル賞
研究力
2001/07/16 17:06
一流の人と接し、他者とコミュニケーションを取り、流行にのらない
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理工系研究者のインタビュー集。各人がこれまでの研究人生をふり返り、現在に至るまでの研究者、教育者としての経緯と、その過程で得た、研究者として上を目指すために意識すべき点について語っている。専門的な話題は、分野外の読者に向けて親切に話しているわけではないため、(多くの注釈があるものの)決して分かりやすくはない。しかし、本書の主旨はそこには無いので、専門的な話題が分からなくても問題無く読めるだろう。むしろこの点は、本書の会話の卒直さを反映していると捉える事もできる。ある程度知識のある若い読者は、本書に出てくる昔話を興味深く感じるかもしれない。
登場する人々の間での内容の調整は無かっただろうが、にもかかわらず(いや、やはりと言うべきか)、同じ主旨の言葉が異なる人の口から繰返し出てくる。具体的には、一流の人と接する事の重要性、コミュニケーション能力の重要性、流行に乗らず自分の頭で考える事の重要性などだ。分かっている人にとっては当然の事だろうが、もしこれらの事柄にピンと来ないなら、本書は読む価値のあるものだろう。同じ言葉が繰返し現れるという事は、「研究力」というものが存在する事の反映だろう。
読んでいて一番すんなり入って来たのは岸本氏の話だった。岸本氏も一流の人と接する事の重要性を説いているが、その例として、自身が石坂公成氏と共同で研究した経験を挙げている。私は石坂氏についても岸本氏についてもその学問的な姿を具体的に知っているわけではないが、昨年出版された石坂氏の自伝を読んだ限りでは、非常に優れたものを感じた。その石坂氏と接した岸本氏の話がおもしろいというのは、一流の人と接する事の重要性を表わす実例か。
それにしても、こうやっていろいろな人が並んでいても、中村氏だけ雰囲気が違う。研究者である以前に反逆者、とでも言えようか。
(上原子 正利/北海道大学大学院工学研究科)
空飛ぶ男サントス‐デュモン
2001/06/03 06:54
忘れられた空の英雄
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ライト兄弟の名は誰もが知っている。では、アルベルト・サントス-デュモンは? 彼は「ベル・エポックの時代に、われわれの世代のジョン・グレンやニール・アームストロングにも等しい存在だった」空の先駆者でありながら、その名声は歴史に埋もれ、どういうわけかカルティエの時計にその名を残す事によって、航空関係者の外にかろうじて知られているという人物である。本書は、その忘れられた英雄の生涯を掘り起こす。
サントス-デュモンは飛行船、重航空機を数多く製作し、自らそれらを操る「空のスポーツマン」であった。多くの労力を要する飛行船の実験を繰返しながらも社交生活を犠牲にせず、エレガントでウィットに富み、そのファッションはパリの流行となり、人々に愛された。しかし彼は、このような華やかな一面のみから成る人間ではなかった。人前で話す事を恐れ、飛行記録で得た賞金の半分は助手に分け与え、残りの半分はパリの職人たちが質入れした道具類を買い戻す事に使い果し、他の人と違い自分の飛行船に宣伝文句を掲げる事をせず、特許を一切取得せず、飛行船や重航空機を「家族」と呼び、生涯に一度も結婚しなかった。
この魅力的な人物の栄光は、しかし最後までは続かなかった。重航空機での初飛行という栄誉を一度は手にしたものの、全く対照的な性格の持ち主、自称「ビジネスマン」のライト兄弟に奪われ、かねてから抱えていた病を悪化させ、そして、悲しい結末を迎える。
金よりも飛行術に払われる敬意を重んじる彼は、歴史の狭間に消えていった。彼の姿勢を「甘い」と冷たく見る事もできるだろう。しかし、私にはそうは思えなかった。できることなら、彼には幸せな人生を送って欲しかったと思う。こういう人物の名が残るような世界であって欲しいと思う。それは無理な願いなのかもしれないが。
(上原子 正利/北海道大学大学院工学研究科)
「考える」科学文章の書き方
2000/11/25 00:15
考え方の明晰さと書き方の明晰さは結びついている
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専門家向け、一般向けを問わず、ひどい文章に出くわす事がある。そういう時はひとしきりブツブツ言ってみるのだが、正式に作文技術の教育を受けていない自分にとって悪文は他人事ではないのだろうか、と不安になる事もある。文章は我々が意見を交換する際の重要な道具であり、その訓練がおそろかにされて良いはずは無いのだが。
本書は、「読み手のレベルに応じた書き分け」「定義の種類」「文献検索」といった技術的な話題から、「自分が見ているもの」「見ていると思うもの」「それが意味すると思うもの」の区別のようなよい文章の背後にある科学的な考え方まで、広く深く扱う教科書である。主に対象とする読者は学生だが、職業研究者が経験的に得た文章技術を整理したり、他人を指導する時にも使えるだろう。学生の文章から古典まで、さまざまな分野から集められた豊富な演習問題もおもしろい。
自分の文章に行き詰まりを感じている方、我流あるいはそれに近い指導しか受けた事が無いという方にとっては読む価値が十分にあると思う。実用的、かつ読者を啓発する良書。
(上原子 正利/北海道大学大学院工学研究科)
<目次>
序論 (ルイス・ヴィラリール)
1.科学を考える
2.科学の言葉
3.読み手と目的:全体の展望
4.抄録
5.見出しの構成
6.科学論文
7.科学論文での図表の利用
8.記述と展望
9.定義
10.文脈としての分類
11.比較と対照
12.過程
付録
訳者あとがき
索引
博士号とる?とらない?徹底大検証! あなたが選ぶバイオ研究人生
2000/10/07 11:25
本書を片手に研究サバイバルゲームを生き残れ!
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日本全国の医歯薬理農工系大学生、大学院生および大学院に入ろうかなあ、と考えている社会人のみなさん、
えー、正直に、心から、本当に、この本は読んでおいた方がいいと思います。自分はよっぽどの事情通で、以下の問いに躊躇なく答えられるよ、という方は読まなくて結構です。学部生は大学院に進むべき? 修士課程学生は博士課程に進むべき? 博士課程学生は博士号取得後の進路選択をどうする? ポスドクのボス選びはどうする? 日本に留まる? それともアメリカに行く? 研究職につくなら大学、国立研究所、企業、どれがいい?
収入は? 育児との両立は? 労働時間は? 就職方法は?…
副題に「バイオ研究」とあるように、バイオ業界についての話が多いですが、それ以外の理系でも(細部は抜きにして)通じる話ばかりです。少しでも研究業界に首を突っ込めば、誰でもいくつか問題を感じたりもするでしょう。しかし本書は、問題の改善を目指すのではなく、問題アリアリの状況をいかに乗り切るかを目指すものです。生き残りのためのガイドブックです。
本書から困った話をひとつ。
あるとき、科学技術庁の若い官僚(名前は忘れた)から電話で相談されたことがある。その官僚の相談内容は、「『大学院生倍増計画』と『ポスドク等一万人計画』のお陰で、日本では博士号取得者とポスドクがどんどん増えている。その人たちをどうしたらいいんでしょうか」、である。
「どうしたらいいんでしょうか」ちゃうやろ!と怒ってみても仕方ないので、既に研究サバイバルゲームに首をつっこんでしまったというあなたは、この本片手に地雷を踏まずに済む生き方を模索して下さい。あなたの研究人生が幸せなものでありますように(それとも、研究なんてやめてしまう?)
(上原子 正利/現役博士課程学生)
【目次】
■第1部 大学院博士課程に進学すべきか?■
●第1章 お手紙にみる バイオ研究者の人生問題 15
●第2章 博士課程進学は損か得か? 26
●第3章 末は博士か? 博士は末か? 49
■第2部 博士号取得への道■
●第4章 博士号取るには 論文何報必要? 69
●第5章 バイオ研究人生は20代で決定、30代で発展、40代は持続、50代で総括 89
●第6章 理・農・工・薬学部卒業者の博士号への道 108
●第7章 医学部・歯学部卒業者の博士号への道 149
●第8章 企業研究者・社会人・主婦・中高卒者の博士号への道 175
■第3部 博士号取得後の夢と現実■
●第9章 ポスドク:国内もあれば海外もあり 187
●第10章 あこがれの研究員や大学教官になれてハッピーエンド? 210
●第11章 バイオ修士・博士・医師の新しい職業……実験科学者はもういらない? 255
◎ あとがき
◎ 著者紹介
我々の歩いて来た道 ある免疫学者の回想
2000/07/23 04:44
強い知性を感じさせる文章で描かれた、一人の免疫学者の素晴らしい人生
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これはおもしろい。数多くの賞を手にし、アメリカ免疫学会会長、NIH研究計画審査委員等を勤めた免疫学者の自伝。専門的な話題も多いが、免疫学の知識が無くとも読める。実際、評者には免疫学の専門知識は無いが、非常におもしろく読めた。
本書が魅力的なのは、著者の人生が魅力的だからだ。著者は日本の学会と折り合いがつかず、研究の場をアメリカに移した。頭脳流出組である。そこで優れた研究を行い、多くの教育、マネジメントの現場に関わってきた。それらの経験が淡々とした、しかし強い知性を感じさせる語り口で述べられている。
本書は自伝であると同時に科学者の在り方を述べるものであり、日米の研究文化の違いを理解させる一冊でもある。優れた科学者の考え方、予算分配や教育体制の背後にある日米の考え方の違いは、研究者のみならず多くの人にとって興味深い話題ではなかろうか。
著者の人生は同業者である妻とともにあり続けている。終盤に、結婚記念日に夫婦で交換したメッセージカードが紹介されている。その文章に感動させられた。素晴しい人生だと思う。
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