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土井 千鶴さんのレビュー一覧

投稿者:土井 千鶴

11 件中 1 件~ 11 件を表示

紙の本パソコン革命の旗手たち

2000/10/26 00:22

日経パソコン2000/4/17

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 マイクロソフトやインテルなど、世界のパソコン界をリードするのが米国の企業のせいか、パソコンの歴史となると舞台はどうしても米国になってしまう。でも、いま日本でパソコン文化が花開いているのは、米国人が宣教師よろしく日本にパソコンを布教したからではないはずだ。70年代初頭、誕生したばかりのマイクロプロセッサーに注目した若者は日本にもいたのである。
 本書は、日本経済新聞で情報通信分野を担当する編集委員兼論説委員の著者が、そんな日本の意外に知られていないパソコン史をまとめた渾身のノンフィクションだ。
 本書には、現アスキー取締役の西和彦氏や現マイクロソフト会長の古川享氏など、四半世紀前にマイコンに魅せられて起業した若者たちや、企業の中で信念を貫き通した人たちなど、日本のパソコン文化の発展に関わりの深い100人以上の人々が登場する。みなパソコンの可能性を信じて、さまざまな取り組みをしてきた人たちばかりである。本書はそんな彼らの功績を讃えるものであるが、起業を目指す人には参考にもなり、励みにもなるだろう。また、NEC、富士通、ソニーなど、日本を代表するメーカーの攻防史としても楽しめるものとなっている。
 さらに、漢字が書けなくなったと非難されることが多いワープロだが、実は漢字の存続に役立ったという話や、3.5インチフロッピーディスクの規格が日本発のものだったことなど、興味深い話が随所に登場。日本の技術は、世界のパソコン史にも大きな影響を与えていたこともよく分かる。読み応えのある一冊だ。
Copyright (c)1998-2000 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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日経パソコン2000/5/1

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  雑誌の広告ページについている無料CD−ROMや、WindowsのデスクトップでおなじみのAOL(アメリカ・オンライン)。現在、2200万人の会員を擁する世界最大のオンラインサービス企業である。最近ではCNNや映画、音楽といった娯楽・情報分野で世界を制する米タイム・ワーナーと合併し、話題となっている。
 そんなAOLにも不遇の時期はあった。というより、常に危機にさらされていたといってもいいくらいだろう。肝心の回線がつながらなくなったり、チャットルームがポルノの温床として訴えられたり。ビル・ゲイツから「きみらを葬ることもできる」と脅されたこともあった。しかも、AOLはハイテク分野の尊敬を集めるような華やかな企業ではなかったし、その技術は最先端ではなかった。業界観測筋は長い間AOLが今にも破綻すると予測し続けてきたのである。
 しかし、無料CD−ROMの配布キャンペーンに代表されるような画期的なマーケティングを行い、簡単な接続など人々のニーズに合致したサービスを提供し、優れたビジネスセンスを発揮した結果、世界最大級のネット企業として君臨するまでになったのである。
 本書はそんなAOLの歩みを草創期からつぶさに追ったサクセスストーリーだ。創業者で会長のスティーブ・ケースをはじめ、登場人物像が巧みに描かれているためか、小説を読むように楽しむことができる。しかも、同時にオンラインサービスの歴史や米国経済のあり方といったものも見えてくる。本書で提示されているAOLの姿勢の数々は、ビジネスに携わる人にとって大いに参考となることだろう。
Copyright (c)1998-2000 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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紙の本電脳社会の日本語

2000/10/26 00:22

日経パソコン2000/5/15

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 紙に印刷された文字は誰が見ても同じ文字だ。当たり前のことだが、これがコンピューターの文字となるとそうはいかない。身近なところでは、Windowsの「(1)」がMacでは「(日)」になったり、外国のホームページには文字化けして読めないものがあったりする。これはコンピューターによって使っている文字コードが違うため。つまり、コンピューターの文字はこちらで使っている文字と同じものを相手が見ているとは限らないのだ。
 また、パソコンには森外の「」や飾区の「」などのように、作字しないと使えない漢字もある。それなのに「剣」の異字体は「劍」「劔」など5つも入っていたりする。なぜなのだろう。そもそもJISコードとは?シフトJISコードとの違いは? など、毎日のように入力している文字だが、実は分からないことはたくさんある。
 本書はそんなコンピューター上の文字にがっぷりと取り組んだ本だ。電子文書が社会に与える影響の検証に始まり、文字コードの歴史や、明治時代に起こった漢字廃止論などが漢字に与えた影響、各所で独自に開発されている文字コードの紹介など、綿密な取材を通して詳細に考察している。
 もちろん、これからの世界標準といわれている国際文字コードのUnicodeについても詳しく述べられている。各国のさまざまな思惑が交錯する様子は興味深い。ただし、コンピューター上のことだけに、ビットやバイトなど数字がたくさん登場するため、読みづらいところもある。とはいえ、文字についてじっくりと考える機会を与えてくれる貴重な本だ。
Copyright (c)1998-2000 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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紙の本荒俣宏のデジタル新世界探検

2000/10/26 00:22

日経パソコン2000/5/29

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 いつの間にかインフラも金融も、レジャーも医療も、デジタル抜きには考えられなくなっている。好むと好まざるとにかかわらず巻き込まれてしまうのがデジタルの世界だ。
 本書は、1998年から99年にかけて「日経パソコン」誌上で連載された同名シリーズに加筆し、再構成したもの。21世紀を迎えるにあたり、著者は97年からの3年間を「未来のための実験生活」に設定。インターネット通販、電子マネー、最新技術などデジタルなものを体験し、分からないことがあれば関係者に取材もし、探求していく。筆者の実感に触れることで、読者もデジタルの世界への関心がますます高まることだろう。
 しかし、2000年になり、当初の思惑が大きく外れたことを著者は知る。既にデジタル本番生活に突入してしまったからだ。デジタルの進化は著者にも予測できないほど、急速なものだったのである。
 その原因のひとつは「大脳」にあるようだ。本書で気づかされたのは、デジタルとは大脳の世界のことだったという点だ。大脳にはリアルとバーチャルの区別がつかない。だからこそ、実体がないゆえに果てしないその欲望に応えられるデジタルが発展し続ける。
 しかし、突き進んだ先の恐怖もある。このままいくと世界はどうなるのだろうか。その点について著者は「いずれパラダイムの揺り戻しが襲って、思想や人格といった生身かつ等身大の人間力が恋しくなる時期も来るに違いない」という。人間というのは経験してみないと次へは進めないものなのだ。でも、それもデジタルがバーチャルで経験させてくれたりして。
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日経パソコン2000/2/7

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 まだ20代の2人の青年がガレージからスタートさせたという米アップルコンピュータ。アメリカンドリームの体現、多くの人を魅了する斬新な製品、くせのある経営陣、業績の激しい浮き沈みなど、話題には事欠かない会社だ。そのため、これまでも同社に関する本は何冊も刊行されている。
 本書もその一冊であるが、80年代初め頃から同社の記事を手がけてきた地元在住のジャーナリストの手によるものだだけあり、熱心なアップルファン、Macファンでも、本書で初めて知るであろうエピソードが満載されている。その点では副題に偽りなしと言えそうだ。例えば、同社を立ち上げたのは2人の青年ではなく実際には3人だったとか、80年代前半の日本では同社からの積み荷に果物が入っていると誤解されて冷蔵庫で運ばれたことがあった、などなど。本書はそうした数々のエピソードで味付けをしながら、アップルコンピュータという希有な会社の内実に迫っている。もちろん、iMacの話や、2000年になって肩書から「暫定」を返上し、真のCEOとなったことが話題になった同社の共同創業者スティーブ・ジョブズ氏のキャラクターについてもたっぷりと味わえる。
 さらに、本書にはMacintoshの仕様の変化や年表などのデータも多く掲載されており、資料としても役立ちそうだ。いまアップルやMacintoshについて知りたいのなら、お薦めといえる。同社に興味はないという人でも、パソコン業界に多大な影響を与え続けている会社の盛衰や経営者たちの姿勢を知ることは、ビジネスをするうえで何かと参考になるに違いない。
Copyright (c)1998-2000 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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紙の本ヴァーチャルLOVE

2000/10/26 00:21

日経パソコン2000/2/21

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 「パソコンでSEXできますか」という帯にドキリとさせられるが、本書は電子メディアを介しての人間関係について考察したマジメなもの。コミュニケーション不全の人間関係を執筆テーマにし、ストーカーの研究でも知られる著者が、実際に当事者に取材をし、さらに自らも体験することで書き上げたルポルタージュエッセイである。
 現代の人間関係を支えるもの、それは電話に始まり、今はすたれてしまったポケベル、伝言ダイヤル、ケータイといった電子メディアだ。そして現在もっとも盛んなのがインターネットを使ってのコミュニケーションである。
 確かに現在インターネットでは「出会い」が花盛りだ。出会い系のサイトは数え切れないくらいあり、その気になれば「お友だち」の1人や2人はすぐにできそうである。実際、メル友を経て、オフでも出会いを果たした知人も身近にチラホラいる。本書によれば、意外に中高年の参加も多いようだ。インターネットの発達は人間関係のあり方も変化させてしまったようである。
 しかし、電子メディアを通して知り合った2人が、その後リアルな人間関係を築いていけるのなら問題はない。著者が憂えているのは、他人に依存してばかりいる人たちである。1人では寂しいので誰でもいいから話し相手になってほしいとネット依存症になってしまう人、誰かとつながっていないと不安なので常にケータイが手放せない人──。パートナーシップというのは自立した「個」を持つ同士でないと築けない、と著者はいう。人間関係について再考させてくれる本である。
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紙の本西暦2000年問題の現場から

2000/10/26 00:20

日経パソコン1999/11/15

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 西暦2000年まであとわずかと迫ってきたが、その前に超えなければならない高いハードルがある。いわずと知れた2000年問題である。長年の慣習で西暦を下二桁で表してきたコンピューターが、00年を正しく認識できないために誤作動し、社会に混乱を招くという問題だ。しかし、飛行機が落ちる、原発が爆発する、銀行が機能しなくなるなどといった説が流布し、恐怖感が煽られているわりには、楽観視している人は多いようだ。
 確かに飛行機や原発のコンピューターのことを心配したところで、一般の人々にはどうしようもない。だからといって何の対処もせずに2000年を迎えて、本当に大丈夫なのだろうか。もう一度この問題についてきちんと理解しておいた方がいいのではないだろうか。
 その点で本書は、“極端な取り上げ方をされることが多かった2000年問題を冷静に見直したい”と企画されたものだけあって、2000年問題の実体、この問題によって引き起こされること、その原因などがコンパクトにまとめられ、2000年問題の全体像がとてもつかみやすくなっている。また、著者自身がソフトの開発者であるため、プログラムの修正現場の様子が念入りに報告され、現状がよく分かる。過去のツケをかぶされている担当者に同情するとともに、修正が2000年までには終わりそうもないことが実感させられるのだ。
 本書では2000年に向けて個人でできることもまとめている。何も起きなければいいが、いざ何かが起きたとき、準備をしているかどうかの差は大きい。やはり、最低限の対応策は施しておきたいものである。
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日経パソコン1999/9/20

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 著者のガイ・カワサキは、かつて米アップルコンピュータでマッキントッシュの立ち上げに参加したチーフ・エバンジェリスト。現代社会に絶大な影響を与えたパソコンとインターネットに深くかかわってきた人である。
 とはいっても、本書はパソコンやインターネットを論じた本ではない。現在は起業家を支援するための企業、ガレージ・ドット・コムのCEOを務めている著者が「自らの知識を伝え、次の世代の革命家たちのためのマウスになることを願って」著したビジネス書である。
 著者が人々に望むことはただひとつ、“革命家たれ”ということだ。アップルコンピュータは、斬新な発想で市場に革命を起こしてきた企業だ。結果としてウィンドウズ陣営に負けてはいるが、最近でもiMacを成功させるなど、その姿勢は今も受け継がれ、多くの人口の評価を得ている。
 本書でも全編を通して、“従来の方法にとらわれない革命的な思考をして市場で成功しよう!”とハッパをかけている。「かき回せ、ベイビー、かき回せ」「鳥のように食べ、象のように排泄せよ」「妄言に惑わされるな」といった章タイトルにも、そのハッパの勢いが表れている。単にあおるだけでなく、豊富なデータでその裏付けもしているので、思わず納得してしまう。
 著者はコラムニストとしても人気が高い。それだけに、さまざまなエピソードがふんだんに登場する面白い読み物に仕上がっている。途中に登場するエクササイズも愉快だ。仕事に行き詰まったときなどに読めば、きっと元気になれることだろう。
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紙の本シリコンバレーを抜け駆けろ!

2000/10/26 00:19

日経パソコン1999/10/4

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 世界最先端の情報発信地であるシリコンバレー。本書は95年頃のシリコンバレーを舞台に、ベンチャー企業の設立を目指す若者たちを描いた文字通りの冒険小説である。
 ご存知の通り、コンピューター業界には20代の若さで大成功した起業家がたくさんいる。本書に登場するのも、そんな野望を持つようになった若者たちだ。もともとは所属していた研究所の意向で300ドルコンピューターの開発を任されていたが、上層部の策略によってそのプロジェクトを手放すことになる。結局、彼らはその途中で開発した、パソコンを選ばずに動く画期的なプログラムをもってベンチャー企業の設立に乗り出す。ところがそこには陰謀が…。
 米国では、ベンチャーキャピタリストにいかにうまく売り込むかを学ぶためだけにビジネススクールに通う起業家もいるというくらい、ベンチャービジネスは花盛り。しかし、ベンチャー企業を題材にした小説はまだほとんどないようだ。その点で本書は貴重といえ、ベンチャー企業の実態やコンピューター業界の人間の生態も想像でき、興味深い。
 ちなみに登場する巨大メーカーはインテル、若者たちが開発するプログラムはJavaをモデルにしているらしい。それを念頭に置いて読めば、面白さもまたひとしおだろう。
 本書は楽しみながらコンピューター業界の内側が分かる本であり、その一方で「せめて一度ぐらいチャレンジしないと、本当に生きたとは言えないのでは」と未知の世界に飛び出した若者たちを描いた良質な青春小説でもある。一読の価値ありだ。
Copyright (c)1998-2000 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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日経パソコン1999/11/1

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 今さらいうまでもないことだが、パソコンは道具であり、使う人によってその可能性は千差万別だ。本書の著者、ビルガーにとっては、パソコンは外の世界とつながるための唯一の道具だ。
 ビルガーは2歳のときに自閉症を発症し、以後15年以上、叫びや唸り以外口をきかず、ビー玉で遊ぶだけの日々を送っていた。しかし、18歳になる頃、パソコンを使った療法により、突如として自己について語り始めたのである。
 その方法とは、患者をパソコンに向かわせ、手や腕を支えてあげるという簡単なものだ。しかし、成功率はかなり高く、多くの患者に人差し指でキーを叩いて自分の考えを表現するエネルギーが生まれるらしい。
 これはビルガーにとっても有効で、この方法によるコミュニケーションにより、精神薄弱だと思われていた彼は、実は5歳の頃から読み書きや計算ができていたこと、周りの人が語っていたことはすべて理解できていたことなどが分かる。
 本書は、彼のそんな「言葉」の記録である。初めこそ稚拙な表現が続くが、まるでラジオのチューニングが合うように、数週間後には高度で詩的な表現を用いた自己の内面の吐露が始まる。そこからは、圧倒されるほどの孤独感、狂人のようにしか振る舞えない劣等感、人と同じように生きたいという渇望などが痛いほど伝わってくるのだ。
 まさに魂の叫びといえるその内容は、身近に自閉症者がいる人や自閉症に関心のある人はもちろん、読む人すべてにさまざまなことを考えさせるきっかけを与えてくれる。一読をお勧めしたい。
Copyright (c)1998-2000 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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日経パソコン1999/3/8

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 パソコンが学校にも急速に浸透している。教育現場では、2000年には生徒1人につき1台(小学校では2人に1台)のパソコンが導入される計画になっている。さらに2001年には全校がインターネットに接続される予定だ。
 しかし、パソコンを使っての教育はハード面の整備だけが先行し、カリキュラムや人材育成などのソフト面の整備が遅れている、と本書は警鐘を鳴らす。パソコンを導入することで教育の質を高めることが最も重要なのに、何をどのように教えるかを十分に議論しないまま、パソコンの導入に合わせて、教育の内容を無理矢理変えているのが現状だという。
 また、本書によれば、情報化時代に求められる人材とは、他人と違った視点で情報をとらえ、発信していく能力を備えた人である。そうした人材は従来のような暗記学習的な教育では育たない。これまでの日本の教育に、さまざまな弊害があるのは確かである。それだけに教育現場にパソコンという新しい道具がやってくるのを機に、新たな教育のあり方を考えていく必要がありそうだ。
 本書ではこうした理念的な話のほか、インターネット上でのルールを知ることの必要性、自己責任としてパスワードを徹底的に管理することの重要性なども説いている。教育関係者や小中高生を持つ親はもちろん、ネットワークを利用する人も読んでおきたい本である。
 本書は情報誌「Global EduNET」の記事をまとめたもの。ネットワーク社会と情報化教育に関心のある人には、Webサイト(http://www.alc.co.jp/edunet/)も参考になるだろう。
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