「本とコンピュータ」編集室/河上 進さんのレビュー一覧
投稿者:「本とコンピュータ」編集室/河上 進
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製本
2001/02/27 14:28
オン・デマンド出版で甦った、製本技術のバイブル!
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『書窓』に収められた「製本之輯」を復刻。和本の折り、丁合、表紙かけ、目打、綴じの技法から、洋本のかがり、締め、バッキング、背固め、表紙取附までを解説。関連随筆、解説・改題とともにまとめる。
●編集者のおすすめコメント●
童画家・武井武雄は、自作の豆本を20年間にわたって刊行し続けたこともあって、「本」についての愛情を人一倍強く持っていたようです。その武井が、上田徳三郎という製本の名人の話をもとに、和本と洋本(現在我々が手にしている体裁)の製本工程を丹念に図解した書物が、1941年(昭和16年)に書物愛好誌「書窓」の一冊として刊行された『製本之輯』です。
ここでの武井の図解は、きわめて詳細かつ正確で、和本における「折り」「丁合」「表紙掛」「目打ち」「綴じ」、洋装本における「かがり」「締め」「バッキング」「背固め」「表紙取付」という各工程が、ほれぼれするような「手さばき」で描かれています。眺めているだけでも、手を動かしたくなってきます。
この本は、製本の基礎知識を得るために最適な本だと云われながら、20年前に一度復刻されたきりで、近年では入手困難になっていました。今回のオン・デマンド出版での復刻版『製本』は、紀田順一郎氏の監修のもと、原本を尊重しながら、読みやすさを考慮して、新字・新かなで組み直し、池内紀氏の解説を加えたものです。
昨年11月に発売して以来、好調に売れていますが、意外だったのは、何人もの若い方が買ってくださることです。読者からは「この本を読んで、自分でも本づくりをしてみたくなった」という感想をいただきました。また、ルリユール(手製本)を学んでいる方からは、「この『製本』の未製本バージョンを買って、自分で製本してみたい」というリクエストも。
オン・デマンド出版という、コンピュータを使った新しい出版技術によって、「製本」というもっとも古く、伝統のある本づくりの技術が再生するかもしれない……。想像するだけでもワクワクしますね。
(「本とコンピュータ」編集室/河上 進)
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