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りくパパさんのレビュー一覧

投稿者:りくパパ

15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本子どもへのまなざし

2001/02/09 17:28

親と保育者におくる子育てでもっとも大切にすべきところ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 子育てがこんなにも大変で、多くの親が子育ての悩みを抱えていると言われる現代日本。悩みを抱えているのは仕事を持っている母親よりもむしろ専業主婦に多いという。そして、調査結果を辿っていくと、深刻な悩みを抱えているのは、相談する相手がいない方、夫が話し相手になってくれない方に多いという傾向が見えてくるという。

 子育ての悩みの背景には何があるのか、なぜこれほど世の中が便利になったにもかかわらず、これまでの人類社会で最も子育ての悩みが深いのか。この本では、著者の精神科医としての知識と経験をよりどころに分析されていく。人間は社会性を持った生き物であり、親子の関係もこれまた人間関係である。人間関係は親が子どもに伝えるべき大切なことなのに、親自身も人間関係を作る能力を育まれてこなかったし、人間関係が育たない社会になってしまっているのだ、と結論づけられる。そのような状況でどう心がけて子育てをすべきか、がていねいに語られる。
 そして、子どもの年齢別に心がけるべきポイントが分かりやすく述べられている。乳児期は、「人を信頼することができるように育てる」時期。幼い子どもが望むことは何をどれだけやってあげても大丈夫だし、過保護で子どもをダメにしたという例はないのだと。幼児期は、仲間とコミュニケーションをしながら、自発性、社会性を培うことが大切な時期で、友達の役割をもっと重視すべきと指摘される。そして、「しつけはくり返し教えること、そして待つこと」。子どもは親の行動を見て学ぶから、思いやりのある子を育てるには親が思いやりのある行動をとること。小学校期は、友達とのコミュニケーションは質より量であり、逆に思春期になると、友人との深い関わりのなかで友人を鏡として自分を写してみることで自分探しをすることが大切になる。

 育児の喜びは、子どもの将来に期待できる喜びと子どもの今を幸せにする喜びの2つがあるが、子どもの今を幸せにする喜びこそ大きく持つことが大切だと説かれる。逆に、将来に期待する喜びが大きいと過剰期待になってしまい、“ありのままの子どもを愛せない”ことに結びついていく。

 これらの指摘の1つ1つが説得力を持つのは、精神科医として現場での治療による多くの経験と研究に裏づけられた著者ならではのものだ。
 「早期教育も、なんとか自分の思いどおりに子どもをひきまわそうとする、親の虐待の例であることが多い」など、現在の子育ての否定的な特徴を鋭く指摘する点も多々あるにもかかわらず、優しく暖かく励まされ、前向きに子どもと向き合う元気を与えられるのは、本書が保育者向けの講演をもとに、著者の子どもへの愛情がそのまま詰め込まれているからであろう。

 本書は、読者の子育てに大きな影響を与えずにはおかないだろう。そして、子どもの成長段階に応じて何度でも読むことで得るものが多い書である。(2001.1.26)

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紙の本

紙の本命さえ忘れなきゃ

2001/01/30 12:19

ライターコメント

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者は,2000年12月の「'00川崎保育のつどい」にて講演予定。
「どんな失敗をしても,命さえ忘れていなければ大丈夫!」という言葉は、日々子育てに悩む親への力強い励ましになります。

保育園選びの本

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紙の本

子どもの成長のためには子どもを取り巻く大人の成長が不可欠

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 教育社会問題をテーマに持つジャーナリストの横川和夫氏が大阪府熊取町の無認可、アトム共同保育所を取材して、執筆された。
 アトム共同保育所は小規模から出発した無認可の保育園。「親も保育者も所詮は欠点だらけの人間。保育者の弱点も含めて親にさらけ出して人間関係を結ぶことが何より重要」という市原所長代理の思いが浸透し、一保護者から無給の非常勤所長となった和歌山大学の山本健慈教授が進むべき方向性を高い視点から明らかにしていく。

 アトムでは、トラブルは日常茶飯事。子ども同士のトラブルから、それが親と保育者のトラブルへと発展、クラス懇談会で親と保育者が涙ながらに言い合う場面などがリアルに描かれる。人間は集団の中で揉まれて社会性を身につけ、自分自身を仲間を通して確かめながら成長していくもの。今の子育て環境は子ども同士のトラブルを押さえつけすぎていて、子どもの成長の場面が奪われている。トラブルを発端に保育者が子どもをサポートしながら、子ども自身の力をつけて解決させていく。
 同様に、深い人間関係の中で揉まれることなく大人になった親と保育者。ゆえに今の大人は人間関係作りが不得意だと言われている。子育てをめぐり、親と保育者が逃げることなく真剣に向き合い、トラブルの中で自分の思いを率直に語り、そして相手の気持ちを思いやることを体で理解して、成長する中でトラブルを乗り越えていく。子どもの成長のためには、子どもを取り巻く大人の成長が不可欠、との信念が浮かび上がる。

 今、保育園も選択の時代と言われる中、ますます子ども同士のトラブルを避ける保育が浸透していくことに警笛を鳴らす。幼児からのおけいごとや、子どもに持たせるべき真の自信とは、など子育ての場面で必ず登場するテーマについて、問題提起がされる。
 アトムで起きたさまざまなトラブルを通じて、今の子育てになくなってしまった大切なものを教えてくれる。(りくパパ/ホームページ「子育ての輪at川崎」管理者 2001.10.24)

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紙の本

よりよい保育を求めて

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 よりよい保育をもとめて現場の保育者が工夫し、研究者が理論的に裏付けて、両者が協力し合う形で保育は質的に向上してきた。そして、すべての保育者と保育者集団がその到達点にたつことが、子どもの育ちが問題とされる今ほど求められているときはない。

 しかし一方。保育は人であり、いろんな保育者がいる。経験を積み、理論を学び、集団で討議すれば自動的に立派な保育者になるわけではない。本書は、この“保育は人”の部分に保育目標や保育構造の観点から掘り下げるという難しい課題に取り組んでいる。

 乳幼児期は“自分”を作る時代で、その後の人生は基本的にそこでできた自分とつき合っていくことになる。第二の自我が芽生え、自我と第二の自我との対話で外部の世界と向き合っていく。乳児期に自我が確立され、幼児期に第二の自我が確立され、その対話の構図という大切な観念が出来上がる。この時期の保育と子育てをする者にとって大切な視点だ。

 しかし、これまで自然発生的に家庭と地域で作られてきた当たり前の成長過程が崩されて、幼稚園や保育園の組織的な保育の場で意図的に形成される必要が出てきた。その認識のもとで保育内容、構造をどう捉えていくことで保育が形成できるか、を著者自身が模索している。

 保育の現場を見れば、いろいろな保育者がいる。理論は勉強しているが実践を見ると??と思う場合もあるし、逆にセンス抜群の実践をするのに理論的に裏付けられていない保育者もいるという。これらの保育者像の分析を通じて、“保育は人“に理論的なメスを入れる。

 一言で言えば、保育理論に基づくマクロの視点と柔軟に状況に対応するミクロな視点でのセンスを統一させることが大切であるという。このような保育者にどう成長していくのか。両者を併せ持って成長する視点として、保育実践記録を書くことが不可欠であるといわれる。記録を書く視点で子どものリアルな姿を分析するとともに、それを実践記録としてまとめることで、保育理論とつなげてマクロな視点と実践との接点を養うことができて、マクロな視点とミクロな視点を統一する力が養われるという。

 しかし、しかし。目の前の子どもの対応に追われると書けないのが正直なところであるし、実践をしっかりしないで記録にとめるだけでは本末転倒である。実践よりも記録の方がドラマ性があるように書かれるという危険性もある。こういう問題を克服しつつ、結局はその意義を理解して、努力を積み重ねるしかないのだという。

 保育目標は一般論では共有されるが、しかし実践になると違いがあらわになる。保育者のセンスの問題ということでそれ以上は踏み込めないという状況があったが、そこを保育構造論でどう乗り越えていくのか試みられている。著者自身仮説であると言っているが、残念ながら見通しをもってまとまっているとは言いがたい印象がある。保育者が読めばまた違うのかもしれないが。

 本書の課題はナイーブであり、簡単な答えはない。実践には矛盾と多様性を抱えつつ、全体的な方向性をもつという柔軟でハイレベルな課題が要求されている。未解決な問題が多いが、保育者が大変な責任を持つ高度に専門的な仕事であること、面白さや充実感もすばらしいものだということが読者に再認識されるであろう。子どもの自分づくりについては、特に、子どもを見る目、子育てという視点でも分かりやすくまとめられており、参考になる。

 新保育論シリーズ1の続編であり、前著『 保育者と子どものいい関係』を先に読まれることをお勧めする。
(りくパパ ホームページ「子育ての輪at川崎」管理者)

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紙の本

語り口はなめらかでレベルの高い内容

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 2児の母である著者が、子育てのさまざまのテーマについて専門家にインタビューしてまとめていく構成。雑誌「セサミ」の連載からできあがっており、1つ1つがコンパクトで読みやすくて面白い。最後に大きめの字で「おさらい」があったり、関連する本やホームページを紹介するなど工夫も行き届いている。

テーマは、教育であったり、おもちゃの与え方であったり、だれもがつき当たる子育ての問題。著者がごく普通の母親の感覚で、疑問を提示して、専門家に取材してまとめているので、語り口はなめらかでかつ高いレベルの内容がびっしり詰まっている。

例えば、「きょうだいの育て方」では、「きょうだいを研究室し続けて40年」の昭和女子大の依田教授が兄弟の特徴を解説。スポーツで活躍する選手には圧倒的に末っ子が多いらしく、それは末っ子のほうがお母さんの子宮が伸びやすく体が大きいのもあるとのこと。野球で言えばキャッチャー、ショート、セカンドなどは気配りが必要で末っ子じゃないとダメなポジションだとか。だからといって、末っ子ばかりのチームを作るとバラバラでまとまらず、長男長女を入れると末っ子を仕切ってちゃんとまとまるのだそう。

それから「住まい」については、和洋女子大生活環境学科の中島教授が、専用の子供部屋の持たせ方について、「小学校2、3年生ぐらいになるまでは、子どもに完全な個室は必要ないと思いますよ」と解説。

子育てに限らず、母親の生き方、特にネットワークや人間関係の作り方にも多くを割かれている。「母親の活動そのものよりも、お母さん同士が仲良くなって人間関係を鍛えることのほうが大切」との東京のある幼稚園の言葉を紹介。母親が今の社会でどう生きていくか、どういう壁にぶちあたっているかを考える上で、人間関係とネットワークが大きな問題であることを再認識させられる。そして、著者自身の前向きなネットワーク体験も紹介されていて参考になるだろう。

著者は、幼少の時の実家の火事、さらには阪神大震災での被災と2度の災害を経験しており、そこからの貴重な教訓も語られる。特にネットワークの重要性は阪神大震災当時、孤立して兵庫で生活している中で感じた恐怖が土台になっているらしい。自称「ニセ専」(ニセの専業主婦の意)という著者ならでは共働きと専業主婦の両方のつきあい方を持っている著者の視点は広い。ノウハウ本はうけつけないりくパパとしては、「おけいこごと」のところや教育について「日能研」代表に聞いているところなど違和感があるが、まあ、盛りだくさんなので、活用できるところだけ活用すれば元はどれるだろう。

著者自身の経験に基づく話、知り合いのお母さんからの話し、お子さんの様子や実際の子育てのシーンが描かれて読みやすく、その中での著者の生き様・パワーがにじみ出ており、共感できて励まされる。そう、この著者、「保育園の父母の会会長を努めるなど、行動する母」と紹介されているが、保育環境をよくしていこうと声をあげる私たちの仲間でもある。

★連載『りくパパが選んだ「保育の本」』はこちらから

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紙の本

ライターコメント

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各方面から高く評価されている保育園評論家が今の保育園をめぐる論点を分かりやすく紹介した本です。→保育園選びのための本はこちらから。

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紙の本

「学力低下」は日本社会の「学びからの逃避」

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著者はテレビや雑誌でもおなじみの教育学者であり、「あとがき」によれば、近年教育の問題から少し離れ、子育てや保育、国際問題のNGOなどとの交流を通じて教育の問題を考えてきたとのことで、この問題が広く裾野から扱われている。
「学力」「基礎学力」について一般に言われ、常識とされているものとは違った新鮮な分析が見られる。子どもの学力が低下していると危機的に語られることが多いが、本書では、このことを基礎から見据えている。とかく学力は個人の問題であり、子どもの問題だと捉えられがちだが、「学力は社会的なものである」「親の層の知的関心はどうか」に目をむける。1人1人の学力が低下し、その総体
として社会の学力低下として捉えるのではなく、社会の学力が落ちてきており、そしてその表われが1人1人の子どもの学力低下に表れているのだと見る。
 そうすると、「学力低下」は、学校や子どものだけの問題ではなく、大人も含めた社会全体の問題となる。国際的に見て、日本の子どもは学力はあるが学ぶ意欲・知的興味が著しく低いことはよく指摘されることであり、本書でも紹介されている。著者はこれを大人も含めて知的関心が低いことと重ねあわせて社会全体のありようだと見る。例として示されているOECDレポートでは、日本は科学・技術への大人たちの関心が著しく低いことが示され、日本社会全体で「学びからの逃避」が起こっていると指摘される。この原因として、「日本人とくにサラリーマン等の勤労者が、公益をめぐる自由な議論の場をあまりにも奪われているということであり、もうひとつは支配的な教育の質に問題がある」と著者は考える。
「学力」の問題を論じた興味深い議論として、「学力観」の歴史性についても語られており、これも「学力」という概念が相対的なものであることを理解させてくれる。

 以上が三部構成の第一部で述べられ、第二部は授業の問題を扱っている。これも興味深い内容だが、学校関係者ではない読者には若干読みづらい面もあるだろう。
第三部では、未来の学校像、教師像が語られる。一例として著者の長女の中学校の校長が荒れを克服した例が紹介されている。この校長の方針は、
(1)不平・不満をすべてオープンにする、
(2)教師に対して、校長として、いっさい強制はしない、
(3)親の学校への要望はすべて校長が窓口になって受けとめる、
という3点にまとめられる。
 これを受けて著者は、「校長のリーダーシップが、短期間に自分の教育理念を実現しようと発揮されるのは必ずしも好ましくない。その前に、構成員のそれぞれが自分の持てる力を自由に発揮でき、それが良い学校をつくろうという方向にしだいに収れんされていくような状況をつくる方向で発揮されるべきだ」と主張する。保育園も含めて、子ども関連施設に共通する教育者集団作りの方向ではないかと共感できる。
 
 本書は書き下ろしではないが、違和感なくまとまっている。読者層の中心は教育関係者であろうが、広く教育問題への新鮮な視点を与えてくれるだろう。

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紙の本

指しゃぶりを治さずに治す

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 指しゃぶりは、赤ちゃんの場合には「かわいい〜!」と共感される一方で、少し大きい子になると親の悩みの種になってくるもの。この身近な指しゃぶりであるが、実は奥が深くて筆者も含め世間の理解は不十分であることを感じさせられた。
 本書は、歯科医という“口”の専門家である著者が、そのカウンセリング経験を元に心理的問題にまで踏み込んでまとめた本である。まず、小さい子が指しゃぶりをする理由を背景知識から述べられる。口はもっとも敏感な臓器で、生きるか死ぬかにかかわるために最優先で完成される臓器である。そして、手はその次に敏感だそうだ。一番敏感な口で2番目に敏感な手をしゃぶることで快感が得られ、そのことは子どもの発達にとって積極的な意味を持っている。母親のお腹にいる間も含めて、新生児にとっては指しゃぶりはおっぱいを飲む練習でもあるし、乳児にとっては離乳食の準備でもある。指しゃぶりが生じやすい条件もまとめられている。年齢的には2歳がピークで、女の子に比較的多く、母親が育てている子よりは保育園・幼稚園児に多い。乳幼児期から独り寝をさせる習慣を持つ西欧に多いそうだ。大人に共感を与える赤ちゃん期の指しゃぶりは、2歳以降自然に消えていくことが多いが、心理的な影響等で幼児期以降も続いたり(固着)、爪噛みなど別の症状に移行したりする場合に問題視されることになる。大きくなると間接的に発達への影響が出てくるし、歯並びにも影響が出るからだ。著者は、対策を必要とするのは5歳以降からだというが、勧める対応策は「治さずに治す」である。「指しゃぶりにこだわっているお母さんの子育てを修正する」「指しゃぶりの手を抜かない」「決してしからない」方法であり、直接子どもに働きかけるのではなく、根本にある親子関係に働きかけるということだ。
 
 例としてあげられている小学校4年生の女の子に適用した方法は、1)母親が指しゃぶりをしからない、2)寝るときに母親が側にいてあげて、5分間しゃぶらなかったらシールを貼る、3)お手伝いとしてお茶碗を洗わせる、4)この3つができたらほめてあげる、というものである。このような方法で本当に治り、そして同時におねしょも治ったというから、指しゃぶりは心理的課題そのものであることがよく分かる。
 
 同時に、子どもに歯磨きをしつける方法として、口指あそびが紹介されている。0歳より子どもの頬から口の中まで触ってくすぐって親子で遊ぶというもの。これが、指しゃぶりの予防にもなるというから不思議である。

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紙の本

紙の本保育実践をひらいた50年

2001/02/13 15:56

日本の保育の到達点と課題を歴史から描く

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貧しい生活に苦しむ人たちとその子どもを支えるところから出発した戦後日本の保育。当時数少ない専門的な保育者と学生ボランティアにより保育実践が進められ、著者はその中にいる一学生として保育と関わり始めた。本書の前半では、戦後の厳しい状況下での実践から出発した保育が、さまざまな保育関係者の運動と一体として充実され、今日に至っていることが示される。

 1つの例としてあげられるのが共同保育所。共同保育所は保育者と父母が自主的に保育所を経営することで、自らの高まる保育要求を実現しようという取り組みであり、1950年代後半以降広がった。そこでは厳しい経営を支えるために作られる親同士の共同、保育者と親の共同が、父母と保育者の共通の子ども像を描くことにつながる。これが、質の高い保育を作り、日本の保育実践を質的に前進させてきた原動力になった。もう1つの例が保育合研運動である。保育合研は全国規模で保育要求の実現をもとめる取り組みを支えるとともに、全国の保育実践を持ちより、研究者とともに理論化してきた。例えば、今日では当たり前になっている乳児期からの集団保育であるが、実践先行で進んできた歴史があり、保育合研はこれを理論的に裏づける重要な役割を果たしてきた。

 後半は保育実践論が語られている。「集団づくり」「保育計画」「自然とのかかわり」「実践記録」「伝えあいの保育」など実践論が歴史的な視点も含めて展開されている。保育実践と保育理論は、実験と仮説の関係にあり、両者が交流し合うことで保育の質の向上が図れるというのが著者の考え方であり、この視点でまとめられているのが特徴である。理論問題では、自然成長論と教育万能論の対極の傾向のなかで、あるべき保育思想を模索してきた過程が描かれている。自然成長論は、保育の意義そのものを否定するにつながりかねない誤りを含んでいるが、それが「幼稚園教育要領」などで現場に持ち込まれた過去がある。

 他方のワトソンに代表される教育万能論は、早期教育論にもつながるものであり、教育次第によって「お望み通り」に子どもを仕立てあげようという子どもの主体性を無視する危険性を持ったものであった。これらの傾向に対して、「子どもはその子をとりまく人間関係のなかで、保育者や仲間たちとの伝えあいを通して、仲間を疎外する個性ではなく、仲間に祝福される個性として発達していく」のであり、保育者は「ことばかけをしたり、仲間関係に働きかけたりして、力を貸してやる」役割をになっている、という思想が実践に裏打ちされて対置される。


 以上を通じて、日本の保育は先進国のなかでは低い保育条件のなかにあるにもかかわらず、世界的にも決して低くない保育水準に到達していると概観され、これは「貧しい保育条件のなか、保育者の献身的な働きによってつくりだされてきた、『血と涙の結晶』である」と語られる。「保育サービス」という言葉が世に氾濫している昨今、「保育」は「サービス」なのか、原点に立ち返って考えるために、多くの保育関係者に読まれるべき書であろう。

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紙の本

紙の本あーんあん

2001/01/30 12:18

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「保育園にいくのはいいけれど」で始まる、みなが経験するエピソードをコミカルに描いた絵本。親子ともども「自分だけじゃないんだ〜」という気にさせてもらえます。

保育園選びの本

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紙の本

ライターコメント

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テレビ・雑誌などでおなじみの汐見先生他の父親向けの本です。書き込みスペースあり。先生も当然、保育園パパ経験者。共働きを始めると父親の関わりは必須!

保育園選びの本

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紙の本

紙の本保育園児はどう育つか 0歳~6歳の発達の見通し

2001/01/30 12:14

ライターコメント

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 0歳のお子さんしかお持ちでない方には、保育園と言っても赤ちゃんの御世話しか目に入らないのでは。おにいちゃん、おねえちゃんになった時のことも考えて保育園を見る目を養うには参考になります。

保育園選びの本

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紙の本

紙の本保育における人間関係発達論

2001/01/30 12:10

ライターコメント

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行間から暖かい雰囲気がにじみ出る東京都東久留米市の公立保育園の保育の現場を描いた本。保育者ってこんなにも深く子どもを見ているのか、と感じます。—→保育園選びの本

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紙の本

紙の本保育の思想

2001/01/30 12:06

ライターコメント

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4人のお子さんを保育園に預けた教育学者が書いた本。福祉事務所で冷たい対応を受けて、自信をなくす方も多いはず。よりよく変えていく立場から保育園の歴史と制度を説明したこの本は、悩んでいるお母さんへの励ましになるはず。

保育園選びの本

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紙の本

ライターコメント

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保育園を考える親たちが作った定評のあるノウハウ本。保育園の制度、入園決定までの段取りなど分かりやすく説明されています。

保育園選びの本

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