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宇野  俊夫さんのレビュー一覧

投稿者:宇野  俊夫

7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本思考する機械コンピュータ

2001/02/26 00:15

コンピュータの本質と現代技術の限界を知る格好の入門書,かつ本物のコンピューターサイエンス書

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 コンピューターとは何か。その本質を驚くべき正確さと簡潔さでやさしく表現している。これだけでも本書は文系・理系を問わず,きわめて良質なコンピューター入門書としてお薦めできる。だが,それは本書の本当に「おもしろい話」がわかるための準備にすぎない。
 水の流れを利用した流体コンピューター,糸と棒で計算するコンピューター。はったりではなく,どちらも理論上は何も問題ないし,実際に正しく作れば正しく動く。本書で著者は,こんな形でコンピューターの本質とその製作技術の結びつきに対する読者の先入観を引き剥がしてしまう。こうすることで,コンピューターの理論(サイエンス)と技術(エンジニアリング)を分けて考えることができるからだ。本書は,絶妙の方法で読者をサイエンスの世界に引き込むことに成功している。評者もコンピューターを学び始めたころに,やはり流体や油圧制御で動くコンピューターの話で洗礼を受けたものだ。そのほかにも,本書にはコンピューターの理論を学ぶときに聞かされる,正統派のお約束的逸話が数多くちりばめられている。こうして著者は正統なコンピューター科学を入門から最先端までを,まるで短期のセミナーに参加したような感じで読者に語りかけてくる。しかもこの「セミナーの受講」に専門知識は不要だからすばらしい。
 近年コンピューターを絵筆や文書清書機,あるいはインターネット端末として多くの人が使えるようになった。けれども,なぜあの有名な映画「2001年宇宙の旅」に登場するHAL9000のようなコンピューターがまだ登場してこないのか。本書にはその答えと,どうすればあのように思考するコンピューターを作れるのかが書かれている。こう書くとなんだか軽薄そうで,コンピューターの専門家はそっぽを向いてしまうだろう。だが,本書は,そんな専門家にこそ読んでもらいたいと思う。もちろん,専門知識は不要なので,誰でも楽しめる。だが,相応の専門知識を持つ読者が読めば,本書の内容の深さにうなってしまうはずだ。そして読後に反論するもよし,熱烈な信奉者になるもよし。とにかく読んでみて欲しい。
 本書の題名「思考する機械コンピュータ」は,いわゆる既存のAIの延長線上にはない。これまでのコンピューター理論や,実際にコンピューターを作るための工学的手法では作り得ないと著者は結論付ける。すなわち,予測可能な範囲での動作を満たすようにしか設計できないからだ。これを超えようとする幾多のアプローチの中で,進化論的シミュレーションこそが,より高次の思考機械を生み出すことが可能な手法だと著者はいう。その是非の論議はともかく,非常にさわやかな読後感で,感動すらした。
 AI,超並列コンピューターの第一級の研究者が書いた本書は,紛れもない本物のコンピューターサイエンス書だ。
(C) ブッククレビュー社 2000

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音楽業界関係者が音質評価したMP3エンコーダ・ソフトによる音質の違いを紹介

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 MP3はソフトによって音質が大きく異なる。それをプロの音楽業界関係者が音質評価するという本書「上級者編」の内容は,一読に値する。Rioと相性のよいヘッドホンなどの紹介と音質評もある。MP3の音質にこだわりたい,ヘッドホン,サウンド・ボードによる音の違いなどオーディオ面に興味のある人には,お薦めしたい。MP3ソフトは,どれも皆,同じというわけではないことが本書で分かるだろう。
 ブラインド・テストの結果,3名の評者がいずれも,MP3アルゴリズムの開発元でもある,独Fraunhofer社のエンコーダ・ソフトを使った音がよいと評したのは,大変興味深い。また,評者の一人が,レコーディング・エンジニアとしての立場から,現状のMP3の音質がまだ「悲しいまでに音が悪い」と本音を語っている。「行けいけMP3!」という調子だけではなく,MP3の現状を冷静に浮き彫りにしている。著作権や音楽配信の問題点をさりげなくコラムで押さえてあるのは好感が持てる。
 ただ,内容に比べ,表紙や紙面デザインの軽いノリは,少し損をしているかもしれない。30代以上の人が書店店頭で買うには,ちょっと抵抗があるはず。
 本書は,99年秋ごろの情報をもとにしているため,その後の進展著しい音楽配信事情やソフトのバージョンアップへの対応という点では,やや古くなってしまった。紹介されているソフトは,いずれもほとんどが既にバージョンアップされている。そのため,これからMP3ソフトや携帯用MP3プレーヤーを購入しようとする人で,具体的なソフトやハード選び,操作法などを知るには最近のパソコン雑誌などをあたる方がよいだろう。実際,MP3は,まだ成長途上にあり音質はまだよくなるはずだ。そういう意味では,雑誌風にソフト紹介やRio 300,インターネット上のMP3サイトの紹介にかなりの誌面を費やしているため,鮮度的にはもはや旬を過ぎた感じは否めない。
(C) ブックレビュー社 2000

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マニアも納得,パソコンの内部をわかりやすく図解。テクニカルイラスト書としても秀逸

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者のオリジナルCGによるイラストで,パソコンや関連機器などの仕組みをわかりやすく解説。パソコン初心者からマニアもうなる1冊だ。普通は分解できない機器の内部や動作の様子を細かく描きこんだCGにより,動作原理からわかるよう工夫されている。
 幅広い分野の機器や技術を扱っているが,ブラックボックス化しているパソコンなどのなかで,ユーザーが指示した操作がどのように処理されるのか,そんな様子をのぞくようで楽しい。本書ではハードディスク,メモリーの記憶原理,次世代メモリー技術MRAM(マグネティック・ランダム・アクセス・メモリー)の紹介などハードウエアの話題だけでなく,2進数,Windowsの動作原理,プログラミング言語の原理やインターネットのストリーミング技術などソフトウエア技術も網羅している。PC USER誌の連載を書籍化したものだ。既刊の4冊をそろえれば,パソコンやインターネット,最近話題のデジタル機器の大半をカバーする。もちろん本書だけでも十分楽しめる。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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個人のインターネット常時接続時代に必須のセキュリティ製品を実践的に解説

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 ADSL([Asymmetric Digital Subscriber Line),CATV(Cable Television)などインターネットに常時接続するユーザーは,たとえ個人であってもセキュリティ対策が必須だ。他のサイトに迷惑を掛ける踏み台になる恐れもあるからだ。本書は,具体的な著者のお勧め設定を明記し,Norton Personal Firewallの導入,使いこなし方を解説している。個人ユーザーに欠かせない対策ソフトの解説だけに,真摯にその役割を担っている点に好感が持てた。
 個人向けファイアウォールとはいえ,考え方の基本は企業向けのファイアウォールと大きな違いはない。そこで本書は,単にソフトの操作法だけの説明にとどまらず,原理から説明している。まず,インターネットにおけるセキュリティの基礎とプライバシーの保護にページを割き,初心者にもファイアウォールの基礎と役割,動作が一通り理解できるよう工夫されている。これを踏まえてPersonal Firewallの導入設定編を読めば,筆者の「お勧め設定」の理由がわかるというしくみだ。また,Norton AntiVirus 2001,Norton Internet Security 2001,特にAntiVirusの解説が充実している。定期的なスキャンなど日常的な作業や,定期的なウイルスパターンのアップデートなど,これだけでも解説書1冊分に相当する解説と操作説明がある。こうした点から,著者の真意はファイアウォールだけでなく,ウイルス対策も含めたNorton Internet Securityの導入にあることがわかる。
ファイアウォールを通過したパケットの統計情報やログの記録,ウイルスに感染してしまったときの処置なども明快な記述で,とかくどうしたらよいか迷いがちな初心者にとっては心強い。たとえば,LANに参加しているパソコンでウイルスが検出されたら「LANケーブルを外してしまう」ように書かれている。これは正しい措置だが,ここまではっきり書かれた解説書は少ない。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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パームプログラムの基本から上級者にも有益なパームのプログラミング入門書

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 本書は翻訳書だが,日本で生まれたパームOSの機能拡張手法DA(デスクアクセサリー),Drag&Dropモジュールや欧米の定番拡張ツールHackについて,独自の解説を付録で追加している。これを扱ったのは,おそらく本書が初めてである。実際,これらのモジュールは,一般的なアプリケーションでは手が出しにくい,高度な機能を使ったプログラム作成に役立つ。本格的なパームのプログラミングを目指すなら,この付録だけでも購入の価値はある。
 パームのプログラミングには,パームOSの開発元Palm Computing社が提供するSDKおよび,API関数のリファレンスマニュアルを参照する必要があるが,具体的な使い方の例などは少ない。本書は,実際のプログラミングに役立つサンプルコードが豊富だ。やはりサンプルコードを読みながら使い方を習得するのが近道である。さらに,パームの公式プログラミングツールであるメトロワークス社のCodeWarriorのコンパイラーやエディター,デバッガーの基本的な使い方も解説してある。パームのプログラミングを行う際に,まずCodeWarriorの開発環境に慣れなければならないが,これには少し時間がかかる。本書の解説は,これからパームでプログラムを開発しようとする読者の時間短縮には大変有益なはずだ。
 最も小さなアプリケーションの作成,OSバージョンのチェック,そしてユーザインタフェースやイベントなど,パーム独自の基本的なフレームワークについて順を追ってわかりやすく記述している。また,Query Applicationの数少ない解説書でもある。しかし,本書はパームの操作法やアプリケーションの使い方,活用法を解説する本ではない。また,パームのプログラミング入門ではあるが,プログラミングの初心者向けではない。だが,これからCodeWarriorを使ったパームプログラミングに挑戦してみるうえで,格好の入門書となるだろう。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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海外赴任が決まったときに,インターネット,パソコン,これだけ準備すれば大丈夫

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 海外赴任や留学など長期滞在する人向けのガイド。旅行者や短期滞在向けのホテルからのアクセス事情は異なる。電話の契約,プロバイダー選び,モジュラー・ジャックの形状やモデムから,パソコンの持ち込み方,現地調達と日本語環境の整備など,ひととおり必要なことが簡潔にまとめられている。携帯に便利な新書判サイズで,初心者向けに接続の設定や用語の解説も豊富。初心者がパソコンを買い,インターネットに接続する場合も,とりあえず本書で目的は達成できる。
 日本で買ったパソコンを海外で使うときの問題点や,購入後半年未満のパソコンは税関で課税されることが多いこと,海外発送時の梱包と料金,海外赴任情報WWWサイトなど,実際的な話題が豊富だ。また,現地のパソコン・ショップやプロバイダーが配布している無料アクセス・ソフトをインストールして日本語環境が使えなくなったという失敗談も。また,故障時の修理の問題を考えれば,本体は現地で買うというケースも多いが,その場合の日本語環境を構築する方法も本書はカバーしている。Windows 98を例に挙げ,OSのインストールからモデムの設定,インターネットに接続できるようになる。
 惜しむらくは,後半に記載されている現地の生情報は,国や地域が限られるうえ,まとめ方や情報の精度に不満が残る。米国,台湾,オーストラリア,英国,シンガポール,マレーシア,タイ,カナダ,フランスは数例紹介されている。そのほか,ドイツ,ニューカレドニア,メキシコ(メキシコシティー),イタリア(ミラノ)の事例が各1件ずつ記載されている。これ以外の国や地域の事例は記載がなく,各自でインターネットなどを使って調べるしかないが,とりあえず一般論としての事情や注意点を把握するには,参考になるだろう。類書がほかにあまりないからだ。情報が少ない国の事情をもっときっちりと収録してほしかった。
(C) ブックレビュー社 2000

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電子楽器の動作原理を紹介。サウンドエレクトロニクスの啓蒙書

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 電子楽器が,まだまだアマチュアでも手が届き,自作できるものであることを改めて教えてくれる。電子楽器の仕組みに興味がある人や,楽器用の各種エフェクターが何をやっているのかなど,使うだけでなく,もっとアクティブに音楽を楽しもうという人向けの啓蒙書。
 専門家向けではないが,電子回路について少し予備知識があったほうが分かりやすいだろう。あるいは,回路の細かいことは抜きにして,音の三要素(周波数,波形,音量)を電子回路で操作し,音を合成したり,変化させたりという,原理のエッセンスを拾い読みするだけでもよい。電子楽器やDTMなど趣味の音いじりがもっと楽しくなるはず。
 製品解説書やハウツー本が多い中,本書のようなハードウエアを扱う本が少なくなった。若い読者が本書で啓蒙され,やがて本格的に電子回路を学ぶきっかけともなればすばらしいと思う。
 アンプ,発振回路については,比較的手に入れやすい組み立てキットをもとに,動作原理を解説するなど電子回路の初歩の手ほどきに,それなりのページを割いている。フィルタ回路以後は,動作の概要を回路図抜きで簡潔に説明しており,電子回路の知識が特になくても読みやすい。反面,ホビーエレクトロニクス書としては物足りなさを感じる。たとえば,CDのサンプリング周波数がなぜ44.1KHzなのか,という見出しはあるが,具体的な解説はなく,人間の聴覚は15Hzから20KHzまである,という音響学的な定説とよく対応している,という説明に留まる。電源回路やMIDIインタフェースのハードウエア,楽器に欠かせない調律の話題などがないのも気にかかる。つまり,本書で電子楽器作りの基礎が理解できるわけではないし,かといって,冒頭のアンプや発振回路のやや詳しい解説は,電子回路の予備知識がない読者を遠ざけてしまう。そういう意味で,網羅的で間口が広すぎて,かえって読者対象があいまいになってしまったのは残念。
(C) ブックレビュー社 2000

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