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沢田聡子さんのレビュー一覧

投稿者:沢田聡子

9 件中 1 件~ 9 件を表示

自分が持っていないものを持つ他者に対して、人は畏れを抱くと同時に惹かれていく

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 作者の北島行徳は、障害者プロレス団体「ドッグレッグス」の代表である。処女作『無敵のハンディキャップ』は、第二十回講談社ノンフィクション賞を受賞している。

 かなり重い内容のこの本の読後感が、しかしさわやかである理由は、二つあると思う。

 ひとつは、健常者である作者の、障害者への「憧れの視線」だ。「自分が持っていないものを持つ他者に対して、人は畏れを抱くと同時に惹かれていく。(中略)私にとって、異形の肉体が放つ魅力は、そんな感覚に近い気がする。」

 もうひとつは、障害を持つプロレスラーたちが、リング上で放つ輝きである。日常生活では、トラブルメーカーですらある障害者たちが、プロレスによって自分を表現しようとする姿は、強烈な印象を残す。

 障害者がプロレスラーとしてリング上で発する光が、それを感じとる能力に優れた筆者によって、鮮やかに描かれた力作である。

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紙の本男たちの大リーグ

2000/10/12 12:42

優雅なディマジオ、豪快なウィリアムズ。二人の男が魅せるメジャー魂

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 アメリカの知性といわれるジャーナリスト、デイヴィッド・ハルバースタムが、1949年の夏を慈しむように丹念に再現した。当時は「人並以下の十五歳」だったヤンキース・ファンの少年の、野球に対する熱のこもった視線が、英雄達の姿を生き生きととらえている。

 この作品で描かれる、ヤンキースとレッド・ソックスの伝説的名選手は、ギリシャ神話の神々のように輪郭がくっきりとしている。なかでも心に残るのは、美意識の結晶のような、優雅なジョー・ディマジオ(ヤンキース)、男くささ、豪快さの中に感じやすさを秘めた、テッド・ウィリアムズ(レッド・ソックス)−二人の名打者のたたずまいである。

 人間がプレーするものである以上、スポーツの魅力とはすなわち、その人間の魅力であると言っていいだろう。あの頃の大リーグは、文字どおりアメリカ国民の娯楽であったであろうことが、肌で感じられる傑作である。

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紙の本炎のタックルマン

2000/10/12 12:39

ラグビーが好きだから

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 「純情居士」—著者・石塚武生さんがラグビーの日本代表に選ばれた際、専門誌の記事で冠せられた名称である。

 早稲田大学ラグビー部の東伏見の寮での、ラグビーに捧げた学生時代。現役の選手でありたいという思いからの、リコーから伊勢丹への転職。そして、日本代表キャップを28個持ち、早稲田大学の監督をも務めた「タックルマン・石塚」は、全てをかなぐり捨てて単身渡ったイギリスで、「ラグビーが好きだ」ということだけを学んで帰ってくる。
 イギリスでは、無償で名門プロチームの雑用係を務めた。そして帰ってきてからは、フリーランスのプロフェッショナル・コーチという茨の道を選び、母親の介護をしながら、ラグビーを教えに各地へ出向く。

 「好きだから」   それに人生を賭ける。それは、これほどに困難で、そして美しいことなのだ。

 この本の写真に写った石塚武生さんの瞳は、悲しくなるほど純粋な光を放っている。

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101人のゴールドメダリスト

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 シドニー五輪を見て、金メダルをとることの難しさ、そしてとったときの喜びの大きさを、改めて感じた。

 二回の五輪で銀メダルをとり、もう1歩で届かなかった金メダルをようやく手にした、柔道の田村亮子選手の表彰台での表情には、深い喜びがあった。明るい日差しのなかで、一番にゴールの紙テープを切ったマラソンの高橋尚子選手の笑顔は、晴れやかに輝いていた。

 この本では、1928年アムステルダムから1998年長野まで、金メダルを獲得した日本人選手が、全て紹介されている。彼らはそれぞれの人生のなかでトレーニングを積んで世界に挑み、見事に勝利をおさめた。

 金メダルにはどれも、ずっしりとした重みがある。そのひとつひとつにかけられた選手の思いが、時の流れのなかで忘れられていかないようにするために、この本は資料として、また読み物としての価値を持っている。

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2002年に飛躍する若き戦士たちの肖像

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 この本が紹介しているシドニー五輪に出場したサッカーの日本代表は、見る者に希望を抱かせるチームだった。

 長年、日本のサッカーは「世界」に対してコンプレックスを持っていたといえるだろう。決勝トーナメント進出を、当然果たさなくてはならない課題として五輪に臨んだ若い代表のメンバーには、気後れは全く見られなかった。

 中田英寿は、五輪代表の核だった。世界のスーパースターが集まるイタリアのセリエAで活躍する中田こそ、世界に対して臆することなく挑戦していけるこの代表チームの、象徴的な存在だったのだ。
 だからこそ、決勝トーナメント・対アメリカ戦で、中田のPKの失敗で敗退が決まったことは、日本が世界の強豪と互角に戦うにはもう一段階段を上がる必要があることを、端的に表しているのだろう。

 そして今、2002年に向けて、新たな飛躍を目論んでいる中田をはじめとする選手たちの肖像が、ここにはある。

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すごいヤツラのサッカー人生

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 サッカーのワールドカップが面白いのは、各国のサッカーに民族性が反映されるからではないかと思う。そして、どの国にもヒーローが存在し、その国のサッカーの象徴となっている。

 この本に登場するサッカー選手たちは、ピッチでの華麗なプレーの背後に、それぞれのドラマチックな物語を背負っている。イタリアの伊達男とでも呼びたいような華やかさとは裏腹に、アズーリでは活躍できない苦悩から逃れられずにいるファンタジスタ、デル・ピエロ。怪我からの再起が待たれるブラジルの天才ドリブラー、ロナウド。端正な容姿・美しい夫人・名声と、全てを持ち、それゆえの中傷も受けるイングランドの練習魔、ベッカム。ナイジェリアの英雄としてセリエA入り、しかし心臓弁膜症が発覚し、再起不能と言われながら見事に復活を果たした奇跡の男、カヌー。

 スポーツが面白いのは、そこにプレーヤーの人生が見えるからなのだろう。

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紙の本こんな凄い奴がいた

2000/10/12 12:36

世界の注目を集めるオリンピックとは、いったい何なのか。

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 『こんな凄い奴がいた』では、著者長田渚左さんが膨大な取材の末に探り当てた、日本人メダリストの勝負における秘策が、惜し気もなく次々と語られる。そして、子育てと仕事を両立する長田さんならではの筆致で、「今ほど面白い時代はない」国内外の女子アスリートが描かれる。また、理想とは裏腹に政治に翻弄され続けてきたオリンピックの歴史を追い、更に、日本がボイコットしたモスクワ五輪に出場するはずだった日本人選手たちの群像が書かれる。

 この本は、本当の意味での個人とは何か、を問いかける。自分の意見、発想を持つということが、いかに大事かということを。長田さんは言う。「"人生の勝ち方"が書いてある本だと思ってる」

 人生における勝利とは何か、そのためにはどうすればいいのか。人々は、その答えを求めて五輪を見ているのだろう。

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欧州サッカーのガイドブックでもあり、歴史書でもある

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 ヨーロッパのサッカー場の写真を見ると、歴史の重みを感じる。

 ゴール裏に陣取る、熱狂的なサポーターや、たちのぼる爆竹の煙、様々な人種の選手たち。どれを見ても、そのクラブが地域で背負い、つちかってきたものがにじみ出ている。

 この本はガイドブックとしても大変優秀だが、単に無味乾燥で実用一辺倒のそれではない。国ごと、そして各クラブごとのサッカーの歴史が、かなり細かく解説されている。栄光、挫折、名選手・名監督の輝き、確執、サポーターの暴走、痛ましい事故など・・・

 ある意味では、ヨーロッパサッカーの歴史書ということも出来る。

 中田・名波がイタリアへ、城がスペインへ行き、プロリーグでプレイしていることによって、日本でもヨーロッパサッカーへの関心は高まっている。現地でそれを楽しみたいと思うなら、地元のバー案内までついている、このハンドブックが役に立つはずだ。

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紙の本マイケル・ジョーダン物語

2000/10/12 12:14

米人気のコラムニストがマイケル・ジョーダンを語る

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 20世紀の偶像となったマイケル・ジョーダン。露出しつくされているように見える、スーパースターの内面は、ある意味ではこの本でしか知る事は出来ないのかもしれない。

 日本でも人気の高いアメリカのコラムニスト、ボブ・グリーンは、普通の人々−限られた成功者ではない−を描いてきた。その彼が、スーパースターであるマイケル・ジョーダンに興味を持ったのは、ジョーダンの強さと優しさに惹かれたからだ。

 統計の数字には表れない、ジョーダンのプレーの美しさと、それを支える類い稀な向上心を筆者は描く。そして、シカゴ・ブルズでの黄金時代のさなかにあるジョーダンを描いたこの作品の中で、一番読者の心に訴えるのは、試合に招待しつづけていた、障害を持つ若者の死を嘆くジョーダンの姿である。

 人間の価値はどこで決まるのか。ボブ・グリーンの「良識」は、世紀のスーパースターを前にしても揺らいでいない。

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