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関口和一さんのレビュー一覧

投稿者:関口和一

2 件中 1 件~ 2 件を表示

日本経済新聞2001/3/4朝刊

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 マイクロソフトといえば米国のハイテク企業の代名詞であり、ベンチャー企業の星だった。個人資産で世界のトップに立ったビル・ゲイツ会長は米国民の畏敬(いけい)と羨望(せんぼう)の対象でもあった。
 ところが同社は一九九五年に基本ソフトの「ウィンドウズ95」を発表したのをピークに次第に過去の存在となりつつある。代わって登場したのがシスコシステムズなどインターネット時代の新しい企業群である。
 コンピューター市場におけるマイクロソフトの支配力はまだ絶大だが、新しい技術や商品という観点では後追いの印象が否めなくなった。大型汎用機時代にIBMがそうだったように、マイクロソフトもパソコン時代の巨人だったのである。それを象徴しているのが米司法省との独禁法訴訟だ。
 本書は題名の通り、ゲイツ氏に代わる新しいリーダー像を探ることを目的としている。著者はパソコンに詳しい“マイクロソフト・ウオッチャー”で、あえて「ポスト・ゲイツ」と銘打ったのは、時代の節目を著者自らが再確認するためだ。書き方も物語というよりはエッセーの形をとっている。
 中でも多くのページを割いているのが「ずっと追いかけてきた」という独禁法訴訟の経緯と、マイクロソフトの足元を脅かしつつある「Linux(リナックス)」の話である。
 ゲイツ氏がパソコンで成功したのは学生時代に「BASIC」言語を書いたのがきっかけだ。それを多くの利用者が無断で複製したのに腹を立て、有名な「ホビイストへの公開状」を書く。IBMよりも先にソフトウエア著作権の重要性を訴え、今日のマイクロソフトの基礎を築いたのである。
 一方、Linuxに代表される「オープンソース(公開仕様)」のソフトはその対極に立つ。両者の開発手法の違いは「カテドラル(大聖堂)対バザール(慈善市)」と例えられるが、多くの技術者が共同でソフトを作れるようになったのはまさにインターネットのおかげだ。著者が「拾い読みも結構」というように、本書はそうしたハイテク産業の変化を感じ取るのに格好の本である。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001

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日本経済新聞2001/1/28朝刊

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 米国のコンピューター会社の名前を聞かれ、IBMやヒューレット・パッカード(HP)を挙げても、サン・マイクロシステムズと最初に答える人は少ない。ワークステーションという企業向け製品で急成長したため一般になじみが薄いからだ。本書は同社を知る貴重な著作といえる。
 サンが特に注目を浴びたのは、九〇年代半ばにネットワーク上でプログラムを実行できるようにした「Java(ジャバ)」という言語を送り出してからだ。ブラウザー(閲覧ソフト)の登場と相まって、インターネットがビジネスのインフラにまで成長したのはJavaのおかげだった。
 もともとJavaは双方向テレビ用の言語として開発されたが、それをインターネットの共通環境に高めたのは最高経営責任者(CEO)のスコット・マクニーリである。スタンフォード大学を卒業したマクニーリは友人三人と八二年にサンを設立。名前も「スタンフォード・ユニバーシティ・ネットワーク」の頭文字からつけた。
 本書でもマクニーリの人柄について頻繁に触れているが、彼は同世代のマイクロソフト会長、ビル・ゲイツ氏への対抗心をむき出しにする。人間的な競争意識もあるが、むしろ単品のパソコンに対し「ネットワークこそがコンピューターだ」という持論を訴え、ネット時代の覇者を狙う作戦だ。
 事実、サンの歴史はデファクトスタンダード(事実上の業界標準)の争奪戦の歴史でもあった。ワークステーション事業でアポロ・コンピュータを破ると、今度はコンピューター基本ソフト「UNIX」でIBMやHPに対抗。次いでJavaではIBMと連携してマイクロソフトに反旗を翻す。
 だが、こうした標準を巡る戦いが米国の情報産業の競争力を高め、後の「Linux(リナックス)」に象徴されるオープンソース(配布自由なソフト)の流れも形成した。これは独占企業のIBMやマイクロソフトだけでは起こり得なかった現象だ。その意味で本書はサンの歴史だけでなく、米国の情報産業を読み解く道案内となる。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000

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