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  3. 吉野仁さんのレビュー一覧

吉野仁さんのレビュー一覧

投稿者:吉野仁

26 件中 16 件~ 26 件を表示

紙の本

紙の本誘拐症候群

2001/02/06 15:02

ミステリーコーナーより

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「失踪症候群」(双葉文庫)に続く「症候群」シリーズの1篇。作者が愛好するテレビ時代劇「必殺」シリーズを下敷きにしながら、現代を舞台に題名どおり誘拐事件をめぐって事件が展開していく。誘拐ミステリーでは、すでに岡嶋二人「99%の誘拐」(徳間文庫)でパソコン通信による交信が使われていたが、こちらはより全面的に、そして意表をつく形で用いられているのだ。友情をめぐる物語とともに、サスペンスあふれる1作である。 

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紙の本

紙の本指の時代

2001/02/06 14:53

ミステリーコーナーより

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 主人公の巡査部長が、旧友の失踪事件を捜査していく物語。題名は、かつては聞き込み捜査に徹するなど「足で稼げ」といわれていた警察捜査も、今ではパソコンやインターネットを駆使し、「指で情報を集めたり事実を知る」時代になったという意味である。ネットの話題が中心にあるわけではないが、現代的なテーマを扱っている警察小説なのだ。ベテランの作者らしく、いたるところに伏線やひねりが施されており、味わいが深い。 

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紙の本

紙の本ハッカー連続殺人

2001/02/06 14:51

ミステリーコーナーより

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 パソコン通信を利用したサイコ連続殺人物の先駆的な海外作品の1つとして挙げられるのが本書である。若い独身女性が次々に殺されていった。現場にはなんの証拠も残されていない。手がかりは、いずれの被害者もパソコン通信にアクセスしていたことのみ。この事件を元刑事がハッカーの孫ともに追っていく。「羊たちの沈黙」以前の作品だけに異常心理物としての派手さは乏しいものの、テンポのよい展開で読ませていく娯楽作だ。 

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紙の本

紙の本クリムゾン・リバー

2001/02/05 17:23

ミステリーコーナーより

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 フランス南東部グルノーブル付近の大学町周辺で惨殺死体が発見される。過激な暴力嗜好をもつエリート警官ニエマンスといまも犯罪地下世界と通じているアラブ人の若き警官ジョワスノーは、それぞれ別々の事件を捜査していたが、やがて同じひとつの「深紅の川」へとたどりついた……。
 いきなり過激な暴力場面ではじまる本作は、美人クライマーとの氷河登攀場面をはじめ、細かい章ごとにスリリングな見せ所がある。冗長で思索的な従来の仏ミステリーの印象とは大違い。ストーリーテリングが巧い。新人とは思えないほど卓抜しているのである。
 文庫の帯に「ジェイムズ・エルロイとトマス・ハリスから生まれた悪夢」とあったが、確かに両者の影響を感じさせながら、これまでにないサスペンスの醍醐味を読ませる大作である。ジャン・レノ主演の映画化でも話題になっている本作だが、映画の前に、ぜひ本書を読むことを薦める。犯罪サスペンスの大傑作である。 

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紙の本

紙の本Mr.クイン

2001/01/18 21:26

ミステリーコーナーより

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 ここのところ、英国の犯罪小説系新人の活躍が目立っている。ダークな世界に生きる若者を描いた「マンチェスター・フラッシュバック」のニコラス・ブリンコウ、まるで西部劇ような痛快作「キリング・フロアー」のリー・チャイルドなどが挙げられよう。だが、さらに強力な新人のデビュー作が登場した。
 シェイマス・スミス「Mr.クイン」は、天才犯罪計画プランナーのクインが、事故に見せかけて資産家の財産を根こそぎ奪いとるという異色ノワール・クライム。
 悪質で冷酷きわまりない手口の数々を饒舌な語り口で綴っていく刺激的な物語に加えて、周到に張りめぐらされた伏線と効果的なサスペンスを生みだしている構成の妙、そしてアイルランドの現実をうまく背景に取りいれている面なども含め、新人とは思えない見事な出来ばえ。アンチ・ヒーローというより、Mr.クインこそが犯罪小説のまっとうな主人公なのかもしれない。いやはや、すごいです。 

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紙の本

紙の本オーデュボンの祈り

2001/01/18 21:09

ミステリーコーナーより

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 奇妙な味わいのミステリーである。なにしろ、優午という名の話すカカシが登場し、未来を予見していくのだ。
 物語られているのは現代の日本ながら、舞台は架空の孤島。江戸時代から外界と交流がない島なのだ。理由も分からず連れてこられた主人公は、その島に住むおかしな人々に遭遇し、不可思議な出来事に巻き込まれる。
 本作は、第5回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作。どこかのどかな雰囲気の展開で、ファンタジーの彩りがほどこされているなど、これまでにない斬新さが魅力となっている。
 未来が分かるくせに、誰にも何も告げず殺されたカカシの事件をはじめ、絶滅した鳥のエピソード、悪の権化と思える警官の登場、生物やカオスの問題、そして探偵小説の約束ごとをめぐる考察など、ある種、ポストモダンな感覚があちこちに埋めこまれながら語られているのである。今後も大いに期待できる新人の登場だ。

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紙の本

紙の本処刑の方程式

2001/01/18 21:07

ミステリーコーナーより

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 これまで、女性警官と男性心理分析官のコンビが活躍する「殺しの儀式」(CWA賞受賞作)のシリーズなどが邦訳されているマクダーミドだが、本作は独立した1作である。
 三十数年まえ、イギリス中部の寒村で、ひとりの少女が消えていなくなる事件が起きた。やがて警察は、犯人をつきとめる……。
 この小説は2部構成となっており、文庫本にして700ページ以上あるうち、なんと第1部だけで500ページも費やされている。この大胆な構成がひとつの大きな読みどころだ。
 なにしろ、この手のサスペンスではありがちな容疑者の出現など、警察捜査、法廷審理をめぐる作品として、きわめて凡庸な展開のまま話は進んでいく。もちろん、事件の全貌や特殊な村と村人たちの姿が丹念に描かれており、けっして退屈するわけではない。
 しかし、結末まで読むと、繊細にして大胆な作者の企みに驚かされるだろう。なるほど彼女の最高傑作と呼ぶにふさわしい大作だ。

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紙の本

紙の本麦の海に沈む果実

2001/01/18 21:05

ミステリーコーナーより

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 恩田陸の新作は、またしても学園ミステリーながら、「ネバーランド」(集英社)とはまた違う、幻想性の深い長篇作だ。
「ここに三月以外に入ってくる者があれば、その者がこの学校を破滅に導くだろう」との言い伝えがある全寮制の学園。水野理瀬は、この学校へ2月の終わりの日に転入してきた。やがて、数々の奇妙な風習や伝説を知るとともに、生徒の失踪事件や校長の提案による交霊会など、次々と不思議な事件に遭遇する。
 デビュー作「六番目の小夜子」以来、学園ホラーの道具立てを生かし、ミステリーとしての技巧を織り交ぜつつ、学校生活を細部まで生き生きと描写してみせる作者ならではの持ち味が今回も十全に発揮されている。
 本作は、かの名作「三月は深き紅の淵を」(講談社)の第4部とリンクしており、そんなメタフィクションとしての仕掛けのみならず、全体に漂う詩情性など、冒頭から結末まで、読みどころの尽きない1冊である。 

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紙の本

紙の本動機

2001/01/18 20:19

ミステリーコーナーより

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 『陰の季節』で警察小説における斬新なスタイルを築いた横山秀夫の新作は、やはり4作が収められた短編集である。
 まず、表題作の「動機」は、本年度の日本推理作家協会賞短編部門を受賞した作品だ。ある警察署でおきた警察手帳紛失事件をめぐるミステリー。事件を推理し犯人を探す過程を順々に語りながら、そこにさりげない伏線や盲点をついたひねりのある話運びが加わり、さらに署内の人間模様や主人公の心理の行方が絶妙に絡み合い展開する。現代ミステリーとしてなるほど完成度の高い短編作である。
 続く「逆転の夏」は、殺人の罪を犯した男が主人公の物語だ。出所後、過去を隠して働いていたところ、思わぬ事態に追いこまれる。ミステリー趣向やサスペンスフルな展開もさることながら、犯罪を犯した立場から苦い体験と心情が語られる暗黒に満ちたドラマがなにより秀逸。残る2篇がやや小粒だが、この2作だけでも読む価値のある優れた1冊だ。 

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紙の本

紙の本フリーダムランド 下

2001/01/18 19:43

ミステリーコーナーより

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 なによりも登場人物1人1人の思いに心が揺さぶられた。サスペンスの進行と同時に、こちらの胸までが熱くなってくる小説なのだ。
 舞台はニューヨーク近郊の町デンプシー。町の病院に、ひとりの白人女性が傷を負いながらかけこんできた。黒人の男に襲われ、幼い息子を乗せた車を奪われたという。やがて事件は思わぬ事態へと発展していく。
 次から次へと様々な人物やエピソードが登場するため、ふだん海外小説を読みなれた読者でさえ冒頭場面からしばらくは戸惑ってしまうかもしれない。だが、後半からクライマックスにかけて小説だということを忘れさせるほど、まるで現実の出来事であるかのように身に迫ってくる。過去の人生、衣食住のスタイルから趣味や感受性など、主役ばかりでなく脇役までその存在感をしっかりと感じさせるエピソードをこれでもかと盛りこんでいるからだ。さらに、ダイナミックなクライマックスに痛切なラスト。圧巻の大作である。

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紙の本

紙の本茨姫はたたかう

2001/01/18 19:41

ミステリーコーナーより

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 「カナリアは眠れない」(祥伝社文庫)に続く、整体師・合田力シリーズの第2弾である。梨花子は、厳しい父親のいいつけをいつも守ってきた繊細な女性。結婚までは親元にいるつもりだった。だが弟の学生結婚により、家を出ることになってしまった。引越してすぐ、隣人の女性たちと知り合いになったものの、やがて謎のストーカーにつきまとわられた。はたして〈茨姫〉にはどんな意味があるのか、いかに〈たたかう〉のか。
 前作同様、週刊誌記者の小松崎をはじめ常連メンバーによる軽妙な場面が続く一方、合田は、外見や身体にあらわれた心の歪みを見抜き、そのひとつひとつを正常に癒していく。
「女になんか生まれるんじゃなかった」とつぶやくヒロインのユニークな日常が描かれつつ、事件の裏側に隠された〈女性心理の罠〉が明らかになっていく話運びは、今回も快調だ。まさにツボをおさえて、すっきりとさせてくれる整体サイコミステリーなのである。 

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