小山晃さんのレビュー一覧
投稿者:小山晃
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クリック?クラック!
2001/01/12 17:57
編集者コメントーハイチ出身の女性作家の若い声
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ここには生きることすべてが満ちあふれている。
この短篇集には、時と場、生と死、血や性の因果の中でもがきながら、悲しみや苦しみ、憤りや怒りも、全てを抱えて「生きる」人びとが描かれています。
過酷という一言で形容することをためらう状況下、諦めることでも、声高に主張することでもなく、そして、唯救済や癒されることを求め、待ち続けることをも超えて、「生きる」主人公たちから、受け取るものはきっと皆様の何かを揺り動かすことでしょう。
エドウィ−ジ・ダンティカ氏は、現在米国に於いて評価の高まっているハイチ系米国人女性作家です。著者二作目の本作はNational Book Awardの最終選考作品となり、ワシントンポスト、ニューヨークタイムズなど各紙誌に於いて書評され、その評価が確立された作品です。
タイトルである「クリック?クラック!」は、著者の出身地であるハイチ、そこにアフリカから奴隷として海を渡った黒人たちの間で継承されてきた口承伝統から採ったものであり、正に著者の思いが詰まったものなのです。文字のなかったアフリカでは、伝統的に「語る」ことは、人が生きていくことのすべてを、伝え育む最も大切なことでした。話者が「クリック?」と尋ねると、聴衆は「クラック!」と答え、耳をすます。そうして、語り伝えることが、人びとの間で繰り返されてきたのです。その伝統と文字という新たな文化によって紡ぎ出されたこの作品によって、著者は、「クリック?」と、「生きる」ことすべてを伝えるために、私たち読者に尋ねているのです。
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