西澤 紘一さんのレビュー一覧
投稿者:西澤 紘一
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光エレクトロニクスの基礎
2001/05/21 15:16
光工学と光関連エレクトロニクスが同時に理解できる優れた入門書
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これまで光エレクトロニクスに関する教科書,専門書,解説書は世の中で数多く出版されてきた。しかし,光が単に修飾語として使われ,エレクトロニクスに関する部分が詳細に扱われたり,反対に光工学に多くのページを割いて,エレクトロニクスの部分が薄いなどの不満があった。
本書を通読して得た第一印象は,光工学の基礎と光に関連するエレクトロニクス基礎の記述のバランスが取れていることであった。いい換えれば,光工学と光エレクトロニクスを,それぞれの基本から説き起こしており,電子工学の専門家であっても,光工学の専門家であっても,光エレクトロニクス全体の基礎を学べる構成になっている。第1章に光物性の基礎,第2章に電磁波としての光物理,第3,第4章に回析,結像,干渉という光工学の基礎,第5,6章でレーザ基礎,光ファイバー,半導体レーザー,フォトダイオードという順序で,それぞれの章がよくまとまっている。電子工学,光工学のそれぞれに専門知識を持つ著者などが専門領域を基礎から応用へ,極めてわかりやすく触れるとともに,互いの領域も意識しながら,決して独りよがりの記述になっていないことなどは,読者にとって非常にありがたい。
いままで,電子工学,光工学の専門家と自称している技術者には,ハンドブックとして利用できると思う一方,これから光エレクトロニクスを学ぼうという若い技術者,学生には教科書としてじっくり味わって読んでもらいたい。各章ごとによく練られた問題を用意しており,内容をよく理解し,しかも課題を確実に解いていけば,光エレクトロニクスの基礎について十分理解することができる。あとは,それぞれの専門書を使って,当面の専門テーマや現実の仕事に発展させていけるはずである。付録には基礎となる数式やレーザの安全性などにも触れてあり,実践的な面も考慮している。価格も適当であり,ゼミの副読本や輪読用テキストとしても十分使える良書である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001
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