朝日ソノラマ編集部 石井進さんのレビュー一覧
投稿者:朝日ソノラマ編集部 石井進
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フェアウインド
2002/08/07 15:05
編集者コメント
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レース前日、雨のサーキットで練習走行中の祐二が転倒して死んだ。無謀ともいえる走りと、一台のマシンの不自然な出現と接触。春彦は友の死に不審を覚え、いつしか得意だった雨中の走行に恐怖を抱くようになる。祐二を死に追いやったものは何か。常に恐れと疑惑に蝕まれながら、それでもレースに挑み続ける春彦の前に明らかになった事実とは。
サスペンス味たっぷりの設定のもとに描き出されるレースの世界は、実に生き生きとして鮮やかだ。サーキットの喧噪。レースに臨むレーサーたちの緊張、不安、恐怖、興奮、歓喜。レース中の駆け引き、すべてが終わった後の達成感と感動。それらすべてを読者は自らのこととして味わうことができる。このリアリティは、元オートバイレーサーの著者ならではのもの。そして、《誰よりも速く走りたい。ただそれだけを望んで、すべてをなげうってレースに賭ける青春がある。レースとは生き方であり、人生の縮図でもあるのだ》と著者は、この鮮烈なデビュー作で、メッセージを送っている。
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