永山薫さんのレビュー一覧
投稿者:永山薫
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紙の本スワップ×スワップ (エンジェルコミックス)
2001/08/17 15:54
妙に爽やかな読後感
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脳天気で、どこかアクチュアルな青春Hコメディの名手ぐれいすの10冊目の単行本だ。巨乳で清楚で上品なお嬢様である姉・よしみと典型的なコギャルの妹・つぐみがたまたま同時にHをしているところを時ならぬ落雷が襲い、そのショックで互いの魂がスワップしてしまう…。
姉の身体に入った妹はいつもの調子で男を漁り、妹の身体になっちゃった姉は妹の仲間たちからいつものH大好きコギャル扱いされて「またまたぁ演技しちゃって」と抵抗むなしくHしまくるハメになる。結局は、どっちにしてもHのフルコースってワケで、当然のごとくH度は濃厚。だけど、それだけではなく、Hもコンプレックスも「あんまり深刻になんなよな」という作者の優しい視線があって、読後感は妙に爽やか。
これが面白かったら、風俗界を舞台にしたスポ根パロディ大作『あしたの女王』(同社)も読んでみよう。そちらは笑える上に「実践にも役に立つ」と評判だ。
紙の本パピー・ラヴ
2001/08/17 15:50
知的にも痴的にも刺激的でエロティックな物語
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『K9』シリーズ第5弾。テーマは「人間家畜化妄想」だ。これが「女の子に首輪をはめて調教しちゃう」というレベルだったHマンガではよくある話。このシリーズのスゴイところはヒューマンドッグが社会制度に組み込まれている異様な世界をまるごと構築してしまったところだ。
人の形をしていても、人のフリをしていても犬は犬。犬だから衣服は着けない。首輪をはめ、鎖に繋がれ、尻に烙印を押され、尻尾を着け、御主人様に奉仕し、芸を披露する。それが犬の悦び。これが「犬」扱いされる「奴隷」なのか、人型の亜種なのか、作者は巧妙にぼかしている。そのため本書は『家畜人ヤプー』的な変態幻想譚としても、『ガリバー旅行記』的な諷刺物語としても読むことができるのだ。
成年コミックであるにもかかわらず通常のセックスシーンを描かず、制度への皮肉と人犬幻想に絞り込んだ作者の確信犯ぶりが頼もしい。知的にも痴的にも刺激的でエロティックな物語である。
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