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Taka−14さんのレビュー一覧

投稿者:Taka−14

3 件中 1 件~ 3 件を表示

ドラフトの歴史に学ぶ人材採用の極意

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

とにかくすばらしい資料である。すばらしいの一言につきる。
プロ野球にドラフト制度が導入されてからの38年間の全資料、まさに「パーフェクトヒストリー」、おまけにドラフト外入団選手の記録も網羅しているのだ。

この資料は本当にいろいろな楽しみ方ができる。

1読目。
ドラフト38年の歴史を概観してみる。
田淵、山本浩二、山田久志、福本、東尾、星野などのスターを輩出した68年(第4回)の凄さに驚き、江川事件、桑田事件、元木事件を懐かしむ。

2読目。
西武、ダイエーと渡ったドラフトの寝業師、根本陸夫の「根本忍法」をレビューする。

3読目。
巻末のデータベースを細かくチェックする。
田淵、江川、原、斎藤雅樹等、名球界入りしていない名選手を捜してみる。
期待されて入団したはずの「あの選手」の生涯成績を見てみる。(サッシー、田鎖、藤王…)

4読目。
ひいきの球団の歴史をチェックする。
優勝前の10年間、低迷前の10年間、ドラフトで何が起こっているのかを細かく分析する。

その後。
最近絶好調な「あの選手」の歴史をチェックする。
井口・斎藤和巳(ダイエー)、井川・矢野(阪神)などなど。

この本の利用価値は上記にとどまらない。
私は冗談抜きにこの本は、現在入手可能なもっとも優れた人材採用に関するケーススタディではないかと思っている。
ドラフトの歴史が語る示唆はあまりにも深い。

まず、戦力強化に思想の無い組織、スカウティングがいい加減な組織は常勝軍団とはなり得ないことを明快に示している。
巨人、西武、そして昨今のダイエーがなぜ優勝争いに絡む力を維持しつづけているのか。横浜や阪神がなぜ長きにわたって優勝と縁がなかったのか。ロッテ、日本ハム、オリックスの最近の低迷ぶりは何なのか。
「人材の採用」という視点から分析的なアプローチで徹底的に考えてみる価値があるテーマだと思う。

そしてもうひとつの考えるべき大きなテーマは「根本陸夫の交渉力の本質」である。根本については、素質のある選手を見抜く眼力に優れていたということのみならず、有名選手を確実に獲得していたということに、より注目すべきである。
西武時代の松沼兄弟、伊東、工藤の獲得、そしてダイエーにおける城島、小久保、松中、井口、柴原の獲得。
当然、交渉のプロセスに関する詳細な記録などは望むべくも無いのだが、根本忍法の方法論が体系化されたあかつきには、それは我々にとって重要にして汎用性のある知的資産となるに違いない。

各回(年度)ドラフトについての小関順二の解説も秀逸である。
またジャンボ仲根(近鉄)、近藤(中日)、志村(慶大)といったプロで大成しなかった(志村に至ってはプロ入りしていない)選手までちゃんと取り上げてくれる気の利きようである。プロ野球ファンはこういう記事が読みたいのだ。

購入から現在に至るまで、おそらく日本シリーズが終了するまで、この本が私の書棚のベストポジションをキープしつづけることはまず間違いない。

・とにかくプロ野球の大ファンである、という人
・高校野球や大学野球もカバーしながら継続的に野球を見ている人
・古き良き時代のプロ野球を知っており、時折懐かしく思う人
上記条件を満たす人は、もしこの本を書店で見つけたら絶対に「即買い」すべきである。

次はいつ出るのだろうか?
定期的な刊行を強く望む次第である。

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きわめて実践的な消費財マーケティングの副読本

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

そう、「副読本」と呼びたくなる本なのである。
つまり、教科書の傍らに置いて、ハンドブックや併読用の読み物として使うと効果絶大な本である。

1.ブランドの戦略的コンセプト、4Pといった基本をバランスよく網羅している。
2.図表、アイコンの効果的に使用されていて、非常に見やすい。
3.コアメッセージが「競争に勝つための原則」としてまとめてある、また各章ごとにもまとめがあり、ポイントが整理できる。
4.事例が豊富で、著者のメッセージが具体的にイメージしやすい。
5.親切で行き届いた翻訳と訳注。
→固有名詞は日本語と英語が併記してあり、綴りを間違わずにそのままgoogleに入れて検索できる。

くわえて面白さも抜群である。
「クールだ! クールすぎる!」とうなってしまうような戦略から、「そんなマヌケなプロモーション、ありえないでしょ?」と思わずツッコミたくなるような失敗談に至るまで、実務家の経験と知恵が惜しみなく掲載されている。
(特に「ハワイアンパンチ・サーフマスター」P314〜315、の件は大笑いである。)

敢えて多少違和感を覚える点をあげれば、第1部1章がいきなりワーキング・ミッション・ステートメントの話で始まることだ。
本を頭から読みすすめるクセがついている人には、若干退屈なスタートとなるかも知れない。
しかしわずか16ページほどなので、ここは軽く読みきって欲しい。

最後に、この本は訳がきわめて秀逸であるということを付け加えておかなければならない。
訳書にありがちな、「解釈に迷うような文書」は、私の読む限りひとつも見当たらなかった。
丁寧な仕事で日本語化に取り組んだ訳者のお二人には心から敬意を表したい。

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本格派の学者にしか書けない世俗的な組織論

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「いかに」を論じた組織論の文献は思いのほか少ない。「実践」などとうたわれていても、その有益性を実感するようなHow toにめぐり合うことは、こと組織論の分野においては稀である。
加えて、最近の組織論は揃いもそろって官僚制「ほぼ」全否定である。真意は量りかねるが、少なくともそういうまとめ方をしている議論が多い。企業の実際では環境変化によって官僚制が機能しなくなったというよりも、むしろその機能が弱体化していることが問題であるケースが少なくないにもかかわらず。

 私が感じていた組織論へのこういったストレスを一掃してくれる本がやっと登場してくれた。
著者は沼上幹氏。学者、それもかなり本格派の学者である。

 本書の冒頭で著者は、「(日本企業の抱える問題に対する)答えが体系的に書いてあるわけではない」といっているけれども、無理に体系化していない分、逆に著者の考えようとしている問題の本質が生々しく伝わってくるように感じる。
何よりも感動的なのは、日本企業のための課題解決の方針を何とかして抽出しようという著者の野心的な姿勢である。

 一点だけ不満をいうと、中途半端な紙面で解説できるものではないということで省略されたのか、多くの日本企業が長期的な雇用を合理的だと考えていることについてそれ以上の言及がないこと。これについての筆者の考え方を聞いてみたい、と思っている読者は少なくないのでは?

 新書というパッケージングと啓蒙書的な位置付けから組織論に馴染んでいる人は案外読み飛ばしてしまうかも知れない本であるが、入門書として片付けてしまうにはあまりにももったいない一冊である。

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