Revさんのレビュー一覧
投稿者:Rev
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紙の本白夜行
2004/05/15 02:53
幾重もの複線
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
大阪の小さな町で起きた1件の殺人事件から物語は始まる。
被害者の息子と、容疑者の娘。2人の不思議な関係は19年にわたる。それぞれ別の道を歩みながら、お互いの人間関係をたどると、つねにどこかでつながっている。
複雑に張り巡らされた伏線を少しずつたどりながら、真実に近づく笹垣。
しかし、すべての真実が明らかにされるわけではない。数々の事件の中にはいくつかの疑問点が残る。
それは、別の作品「幻夜」にも共通して言える。
一人の女性が、自らの成功のためにあるいは目的達成のために、周りを巧みに利用する点もそうだ。
「なるほど、この事件はここでつながるのか」と感じる一方、なにかすっきりしない感じがのこる。
しかし、それを不満に感じないほど読み応えは十分にある。
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