しろつめ草さんのレビュー一覧
投稿者:しろつめ草
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ブローチ
2005/03/15 06:00
長年、仕舞いっぱなしのブローチを手に取りたくなるような……
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この本に使われている紙は、子供の頃に、手にしてた粉薬の入っていた紙に似ている。半透明で、そっとめくらないと、ピリピリと小さな音を立てて破れてしまう。
その繊細さがいい。なんだか特別に大切な物のような気がしてくる。
薄くて繊細で、透けて見える後ろのページの絵とセットで一枚のイラストになっている構成。現実的じゃ無いけど、誰かにプレゼントする時の包装紙に使いたいくらい素敵だ。
青いさざ波の絵の向こうには、人魚が透けて見えている。
始終そんな具合で、うれしい予感が続くのだ。
時には模様の絵だけが先に描かれてあり、何だろう?と思うと、これから辿るページに白い服を着た人物の絵が描かれてる、という読者をからかっている様な仕組みもあり、私達を飽きさせない。
ガーリーな女の子らしい表紙とは裏腹に、描かれているのは、いわゆるお洒落系のイラストではなく、どちらかと言えば登場人物の表情なんか、こっちが心配になるくらい生真面目だ。
だからだろうか、大粒の涙を流す様子なんて、こっちまで悲しくなってしまう。
絵と一体に成っている、短いけどグッとくる文章を担当したのは、内田也哉子さんです。御両親や旦那さんが目立つ芸能人にもかかわらず、彼女の生き方やファッションは極ノーブルだと思っていました。が、一年以上も前でしょうか。片方の髪はロングで、反対側の頭は大胆に髪を剃りあげているのを雑誌で見かけました。そんな奇抜なヘアスタイルにも関わらず、何故か清廉な感じがするのと同時に、やっぱり心のどこかに強い情熱を秘めている人なのかもと、改めて思うようになりました。
詩というべきか、散文と呼べばいいのか、言葉にするのがためらう位に、
乙女らしい文は彼女の風貌を思い出すと、しっくりと来ます。
愛らしいモチーフが数多く出てくるが、決して幼稚ではない。
よくある様な「大人の為の…」と言う程すれっからしている訳でもなし、なんとも不思議な魅力を持っている本。この本自体、贈り物にするのも素敵だし、長い間のエバーグリーンになってくれる事を願っている。
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