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投稿者:バウ
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セーラー服とエッフェル塔
2003/10/04 09:44
フランス人の排泄についての深ーい考察--トイレの建築論
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腰巻きに「ちょっとHな仮説」とあるように、ここで扱われているのは、SMの縛り方であったり、セーラー服の起源であったり、情死と男色であったりと、実にいかがわしく多彩で軽やかである。考えられることを考え尽くす徹底ぶりが気持ちいい。いずれもどろくさく、魅力に満ちて、見かけは軽いが中身は深い。「フランス的」といわれるものの実際が、ここで初めて分かったような気になった。
中でも排泄に関する三つのエッセイは、ばらばらに書かれたものながら、こうしたスタイルだからこそ生き生きと書き表すことのできた、すばらしい内容だと思う。
その1「ビデ」 フランスのビデは単なる洗浄器でしかないが、それが米国へ渡って噴出する温水式となり、避妊器具となったらしい(これは多分、後に日本へ渡ってお尻洗い洗浄器となる)。
その2「他人のくそ」 他人の糞は臭いが、自分の糞はそうでもない。その匂いを単独のものとして受け取ることができたのは、水洗便所が普及して以来のことである。それまでは糞一般があり、臭い匂い一般があったにすぎないが、水洗式によって排泄が個に属するものとなった。なるほどと納得。
その3「消えた便所」 ルイ13世はベルサイユの宮殿で、穴あきの椅子に座り従者に付き添われて用を足していた。そしてこの時間、排泄しながら指示を出していた。人前で平気でうんこをするのが、王の王たるゆえんだそうだ。不思議な光景であるが、これを貴族が真似し始めたという。
やがて偉い者たちは皆、穴あき椅子に腰掛け排泄しながら指示を出すようになった。そしてついには、宮殿内に便所がなくなったという。したがって舞踏会の時など、庭だけでなく、バルコニーも暖炉の中も廊下も、すべてが排泄の場所となった。宮殿全体が巨大な便所と化していったそうだ。
実に壮大な話だ。排泄に関する知識が惜しげもなく盛り込まれている。こんな国だからこそ、ビデという洗浄器が考え出されたのかと、得した気分で納得した。かしこくなったような気が少しする。
(バウ
http://www.h3.dion.ne.jp/~bau)
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