おこじょさんのレビュー一覧
投稿者:おこじょ
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クマムシ?! 小さな怪物
2006/08/16 23:59
身近にいたのか!クマムシ!!
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
クマムシという小さな生き物のスーパーぶりについては、以前からとても気になっていた。体がある状態にな ると、真空の中でも、放射線をあびても、絶対零度の中にあっても死なない…電子レンジでチンしても平気と言われているけれど、本当のところはどんな生き物なんだろう?と思っていた。そんな疑問にも答えつつ、この本はクマムシの不思議について、科学的に力いっぱい解き明かしてくれる。
クマムシといっても、昆虫ではない。8本足だがクモやダニの仲間ではない。体長1mmにも満たないこの生き物は「緩歩動物」という特別な分類をされている。のろのろ歩くので、「緩歩動物門」なんだそうだ。ページをめくるたびに、今まで知らなかったクマムシの素顔が次々あらわれる。クマムシ研究がいつから、どんなふうに、誰の手によってなされてきたのか、研究の歴史にも興味をそそられた。しかし、なんといっても魅力的なのは、クマムシの生態だ。何を食べ、どんなふうに増えるのか、どこでどんなふうに生活しているのか…。実は、陸にも海にもクマムシはいるのだそうだ。何より、身近な苔の中で生活していることを知って、私は最近、苔を見る目が変わってしまった。ありがたいことに、巻末ではクマムシの観察の仕方を紹介している。イラストで知っていた、かっこいいクマムシのイメージは、本書の写真によって実にかわいらしいイメージになっていったが、知れば知るほどクマムシはミステリアスで魅力的だ。クマムシを飼って観察しつつこの本を著わした著者の、クマムシへの愛を感じつつ、私も飼ってみたいと思ってしまった。まだまだ謎がいっぱいのクマムシの続編が著者によってまた世にでてくることを、もう私は待っている。
ルリユールおじさん
2006/12/13 00:07
たいせつな本がもっとたいせつになる…
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
女の子が繰り返し読んでいるうちにこわれてしまった植物図鑑を、製本の職人ルリユールが直してくれるお話です。製本の正確な技術がわかりやすく伝わってくる点もおもしろいのですが、何より物語そのものがほんとうに素敵です。パリの街角の様子も楽しめます。それに、この女の子のなんとおしゃれなこと…青いフードコートをぬぐと、コートよりすこし明るい青色のジャンバースカートを着ています。好奇心いっぱいに製本の仕事をのぞきこむ姿がとても愛らしい。動き回りおしゃべりする女の子の質問に、ぽつぽつ答えながら作業を進める職人気質のおじさんのやさしさも伝わってきます。女の子の好きな色で裏表紙を作り、女の子が大好きなアカシアの絵で表紙をかざり、タイトルを「ソフィーの木たち」と女の子の名前を冠して植物図鑑は生まれ変わります。なおしてもらった本を両手で持ち、表紙をじっと見つめるソフィーの感動がこちらにまで伝わってきて、思わずページに見入ってしまいました。そのソフィーの物語と平行して、ルリユールの職人としての誇りや、同じ職人だった父と大きなアカシアの木にまつわる記憶などが幾重にも重なって、彼の生き様を深く描き出しています。自分が父と同じ様に魔法の手をもてただろうかと、心の中でアカシアの木に問うている姿が印象的で、背筋がのびる思いがしました。静かに感動が湧き上がってくる絵本です。
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