東方朔月さんのレビュー一覧
投稿者:東方朔月
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デッドエンドの思い出
2003/10/11 11:12
「どうして自分は今、自分のいちばん苦手でつらいことを書いているのだろう?」
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「幽霊の家」「おかあさーん!」「あったかくなんかない」「ともちゃんの幸せ」
「デッドエンドの思い出」。5つの中篇が入っている。
どれも暗く、つらく、切ない。
よしもとばなな自身、あとがきで、
「読んでくださった皆様も『なんでこんなつらいものを金を出してまで読んでいるのだ!』と思ったかもしれないけれど、この切なさは(もしたまたま気が合って、これを読んで切ないと思ってくださったなら)、きっとなにか必要なものなのだと、私はなんとなく思っていますので、許してください。」
なんて、言っている。本人のお墨付き。
「幽霊の家」は洋食屋の娘と、ロールケーキ屋の息子の恋が描かれている。
本当にいやらしいセックス描写がある。
男女の妙、について考えさせられる。
(渡辺淳一、とかとは、次元が違う)
「デッドエンドの思い出」は、
近所の小さい公園、地味な洗濯、秋の空、アパート、ふろふき大根な暗さだ。
『なんでこんなつらいものを金を出してまで読んでいるのだ!』とまさに思う。
しかし、よしもとばななが
「私はこの中の『デッドエンドの思い出』という小説が、これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。」
と語るから、本好きとしては読まないわけにはいかない作品だ。
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