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ゆうさんのレビュー一覧

投稿者:ゆう

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紙の本「憲法九条」国民投票

2003/10/27 11:07

「何も知らなかった」ことを、わかりやすく教えてくれる参考書です

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「憲法九条改正の是非を問う国民投票は、近い将来(おそらく四年以内に)実施されることになるでしょう」(まえがき)。こりゃ大変だ。最近は各地で住民投票が行われていると聞くが、国民投票なんて日本人は一度も経験したことがない。自分が投ずる一票が国の行方を決めるのだと言われても、今ひとつピンと来ない。何を準備し、どんな態度でその投票に臨めばよいのだろう。
 そもそも、憲法にいちばん親しんでいたのは受験勉強の頃。でも、当時のオベンキョーなんて、何条に何が書いてあるとか、国会や内閣の仕組みはどうなっているかという丸暗記だけ。主権者としてどう生きるべきか。民主主義や平和を守るために、国民としてなすべきことは何かなど、考えてみたことはなかったのだ。そのことに、改めて気づかされた。
 解釈改憲の歴史、国民投票法案、国民投票と憲法改正の手続き等は具体的に、詳細に記されており、読み進むうち「二○○X年のシミュレーション」は次第に現実味を帯びた目の前の課題として突き付けられてくる。
 著者はなし崩しに解釈改憲を進める人々も、国民投票を避けてきた九条護憲派の人々も、ともに厳しく批判している。違和感なく素直に「自分なりに考えてみよう」という気持ちになれるのは、本書が解釈改憲派と護憲派のどちらが正しいかを主張するのではなく、「ここまで大きく乖離した憲法九条と実態を、私たちはどうするのか? 選ぶのは主権者だ」と訴えているからだ。「軍隊を持つのかどうか、戦争をするのかどうかは、首相でも議員でもない。国民が決めるのだ」というメッセージが、単なるお説教や理想論でなく強く響くのは、著者が改革期の東欧や日本各地の住民運動の取材を重ね、ふつうの市民が改革変革のうねりを作ってきた現場を目の当たりにしてきたからこそだろう。
 本文の約三分の一を占める賛否両派のさまざまな主張は刺激的。テレビニュースや討論番組をちらっと見ただけでわかったつもりになっちゃいけない。Xデーが来る前に、本書を手始めに、じっくりと考えてみよう。

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