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モールさんのレビュー一覧

投稿者:モール

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本タイムライン 上

2004/02/17 18:56

映画が先か原作が先か

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

クライトンの著作を始めて読みました。今までは映画で満足していたので、特に原作を読もうとは思わなかったのですが(所詮映画界にアイデアを提供する作家にこれ以上儲けさせてどうする。とひがんでいたので、手に取りませんでした)、やっぱり読ませ方がうまいですね。さすがベストセラー作家今回も映画を観て満足しようと思ったのですが、いまいち消化不良の感じがして原作読んじゃいました。
結論から言うと映画と原作は別ものですね。他の作品は原作を読んでないので分からないですが、この作品に関しては別物ですね。
アウトラインは同じですが、登場人物の設定も違っていたりして、まあ確かに映画は約2時間の間で完結させて感動させるので、おいしい所摂りでしょうが、それでいいと思います。
やはり文章は説明を意識させないで説明しますので、登場人物の心の動きが楽しいです。何故タイムトラベルが可能なのかも、丁寧に解説しています。
量子論や平行宇宙などいろいろ解説がありますが、あまり意識しないでも楽しく読めます。とにかく彼らが中世フランスに行き(正確には平行宇宙の中世フランス)そこで生きるか死ぬかの経験をしてる間に、こちらの世界でも転送装置にトラブルが起こり、果たして彼らは無事に帰ってこられるのか?というあらすじです。
中世ではすぐに仲間とはぐれます。出会ったと思えばはぐれ、また出会いまたはぐれ、といった感じで物語が進んでいきます。
現代ではいかに彼らを呼び戻すかを考えながら物語が進みます。
ランス、ケン、騎馬による戦いが好きな人、タイムトラベルが好きな人、は読んで見てください。
ただ騎士道精神を持った騎士や現代の最先端の武器は出てきません。
逆に現代から行った彼らが死に怯えながらもだんだん騎士道精神を発揮していきます。

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紙の本春の嵐 新装版

2003/12/17 02:00

初の長編、小兵衛ファミリー大集合!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いつものように秋山家で家族が団欒の時を過ごしているちょうどその時、ある目的を持った人間が秋山大治郎の名を騙り辻斬りを働く。大治郎個人に対する怨みなのか、それとももっと大きな陰謀なのか、剣客であれば当然人に恨まれることもあるし、自らにその恨みが降り掛かってくるならば、防ぎようもあるが、名を騙り関係のない人間を殺されるというような卑怯な真似をされるとどうしようもない。事件は幕府上層部での権力争いの様相を呈してきて、小兵衛がいつものようにスカっと悪人を懲らしめるわけにはいかないというもどかしさがあります。それにしてもこのシリーズは面白い。はずれが無い。小兵衛を中心にした人の輪が10巻目ともなると徐々にはっきりしてきて、息子大治郎の危機に立ち向かう父小兵衛の働きや、彼ら秋山親子を取り巻く人々の気持ちの良さが現れています。四谷の弥七、傘屋の徳次郎、飯田粂太郎、笹野新五郎、杉本又太郎、杉原秀、又六など過去に秋山親子と関わりのあった人々が次々に登場します。それぞれの人に見せ場があるのですが、徳次郎が執念と根性でついに目的の人物をみつけて、尾行をしているときなどは、「徳さんあまり気負って気付かれないように気を付けて」などと、はらはらしてしまいますし、その後小兵衛から目を潤ませながら礼をされて、徳次郎が「もったいのうござんす。もったいねえ」と子供のように泣きじゃくる所などは、小兵衛が人を身分では見ずに人として見て、それによって人が集まり、小兵衛を尊敬し礼を失っていない周りの人々の姿が、浮び上がってきます。そして時間や運命の偶然の不思議がこの作品にもあります。人間とは矛盾した生き物で、善も悪も持っている、人の心は完全には分からないけれども、純粋さを失わずに生きていけば、悪には傾かないだろうという気がします。良い師に巡り会いたいものです。おはるや芳次郎にホッとさせられます。おはるはやはり小兵衛に必要だったんですね。

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運命の34分。生きるために戦った人々

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 9・11の事件後1機だけ何処の施設にも激突しないで墜落した。そのニュースを聞いた時、何故だろうと疑問に思った(他のハイジャックされた飛行機は目的を達成しているのに)。その後のTVのドキュメントでUA93便に乗っていた乗客たちの英雄的な行為が放送されていた。もっと詳しく知りたいと思った。彼らはどのような人生を生きて来て死を覚悟した瞬間どのような決断をしたのだろうか? そして機内では何がおこっていたのだろうか? もちろん機内の様子は残された家族の証言や、機内からの電話、ボイスレコーダーでしか推測することは出来ないがこの本を読むとやはり乗客はなんらかの抵抗をしたのだと思う。彼ら四十人の人生は一冊の本では語りつくせないだろうけれど、彼らの今までの人生や性格、家族の証言より何故立ち向かったのかは分かった気がした。著者の取材には感謝したい。
 死は平和だと思っているそのすぐ先にある。その時家族に愛を伝え、生きるためにベストを尽くしたいと思った。巻頭に載っている乗員、乗客たちの写真を見ながら読んだ。家族との最後の会話を読みながら見る笑顔の写真は悲しいけれど、たぶん家族が自分の愛する人が確かに存在していたことを知って欲しいと思って預けたのだろう。
 読後感はテロに対する怒りもあるけれど、恐怖の中で最善を尽くしたり、悲しみを乗り越えようとする家族の姿が人の姿が心に残る本だった。そして自分ならと考えてしまう。
 最後に、挿入されているジェレミー・グリックさんの写真はいい写真だ。子供を抱いて虚空を見ている。見えない神に自分の人生を子供に捧げることを誓っているような、感謝しているような、自分の運命を受け入れるというような、なんとも言えないいい表情だと思った。

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紙の本巷説百物語 続

2004/03/26 01:06

後巷説百物語読了。という訳で第二作目の感想から書かせて頂きました。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 百介は昼の世界の住人ではない。夜の世界の住人でもない。昼と夜に半分ずつ足を突っ込んでいるような人間です。自分でも半端者と言っています。どちらの世界にいても腰の落ち着かないような気分を味わっています。彼の兄軍八郎など昼の世界を真直ぐに歩いている人には、羨ましさと共にまともに対峙できない後ろめたさも感じています。又、小股潜りの又市など夜の世界の住人達に対しても、憧れを感じているが、どっぷりと浸かってはいけないと感じています。自分では覚悟が無いと言っています。
 人は、自分の境遇を生きるしかない。たとえ不条理や悲しみがあろうとも、治平さんはそれを生まれ持っての星と言います。堕ちたくて堕ちる奴はいない。堕ちてしまったら抜けれない。それが夜の世界なのでしょうか。私なんかは、そこまでいけない半端者ですから、百介を介して又市達の仕掛け振りを見るのです。それゆえに又市達の仕掛けに驚き、心を揺さぶられます。
 前作での仕掛けの間も、ずっと引きずっていた怪異七人みさきの事件を八方丸く収めることが大きな一つの流れになっています。読んでいると、この事件の間にはあの事件があったのか。とゆうように前作と時間関係が前後しています。
 又市たちの仕掛けに拍手喝采送りたいけれども、彼らは常に自分たちは小悪党で正義の側にはいないとゆうことを百介に語りかけます。人間の生きている悲しさ、辛さ、などのマイナスな面を妖怪の仕業にして解決する又市には正義の人を重ねてしまいます。でも、自分たちの住み着いている世界をはっきり認識しています。自分が正義だと思っているほど危うい者はいない。
 前作では狂言回しだった百介が船幽霊の船に乗ってしまいました。そこで百介は妖怪の仲間になりました。その時の百介の慌てぶり、又市達の楽しそうな姿をみると、あちらとこちらでも繋がっているのだ、いや繋がっていて欲しいと私は願ってしまいます。
 今作の百介は動きます。あいかわらず仕掛けの詳しい内容は知りませんが、海へ、山へと歩き回ります。彼らと一緒にいることが百介の真実だからです。
 最終章、おぎんや又市の言葉はいちいち悲しい、別に彼らは百介に会えなくて悲しいとは一言も言わないが、その優しさも悲しい。それが人の星、別れなければならない星なのでしょうか。
 百介の泪におもわずもらい泣きしてしまいました。

鈴の音と 御行奉為 の声をまたどこかで聞きたいと半端者の私は思ったのでした。

後巷説百物語には又市はもういない…

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紙の本中国の壺

2003/12/17 00:49

1300年前の中国人と病気の竜が現れたら、あなたならどうします?ただあるがままに現実がファンタジーだ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

壺の中には何がある。壺の中には大昔の中国人が住んでいます。何故住んでいるのかは、本を読んでもらうとして、母親が後妻に入った家は、広い庭を持つお屋敷で、義父は会社の社長をしています。お手伝いさんがいないので、高校生の志姫ちゃんは庭の掃除や家の掃除、義理の兄は一流ビジネスマンです。いばりんぼの義父は、志姫ちゃんや家庭のことを見もしないで、手伝いもしないで、と小言を言います。志姫ちゃんは少し落ち込みます。その上義理の兄には父も知らない重大な秘密が…こう書くとなんかすごい悲劇みたいに感じませんか? 泣いちゃうなこの不幸な少女のために。と感じませんか? まあ確かにホロリとくるけれども、不幸な少女の境遇に泣く感じでは無いですね。志姫ちゃんにはちゃんと見ていてくれる(ただ見てるだけの)人がいます。冒頭の壺の中の中国人です。志姫ちゃんの先祖の安曇羽鳥も志姫ちゃんも、のほほんとした顔で、中国人趙飛竜(名前です)を見上げます。この点目も川原作品の特徴ですね。ノーテンキでストレス溜らない性格と言われる志姫ちゃんですが、今ある境遇を受け入れて、そこに楽しみを見出します。庭の手入れにまでこだわりを発揮します。多くを要求したり、ヒステリックに叫んだりせずただ淡々と日々を過ごします。彼女が怖いのは一人になること、実の父が死んでからいっつも飛竜がいたから。そしてその日常の中でささやかに生きる人には、きっと幸せが訪れる。ささやかな幸せが。
それにしても、病気の竜と中国人を抱えても途方に暮れることなく良く看病したよ。
 表題作の他の「殿様は空のお城に住んでいる」「かぼちゃ計画」も面白いです。「かぼちゃ」は顔で笑って心で泣いてです。でもささやかな幸せもやって来ます。若いのだから。

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