札幌農学校さんのレビュー一覧
投稿者:札幌農学校
| 3 件中 1 件~ 3 件を表示 |
後世への最大遺物・デンマルク国の話 改版
2003/12/16 21:15
後世への最大遺物〜如何に生きるべきか
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本は大学進学時に父が読むようにと贈ってくれたものである。ずっと本棚にしまってあって、初めて真面目に読んだのは大学卒業後、大学院に進学してからだった。明確な目標もないまま、大学院に進学してしまったことを後悔し、将来に対する不安や、自分の進むべき道について迷ったとき、再度父から薦められてこの本を読んだのである。内村鑑三の著作の多くは聖書を引用したりしているので、私のようにクリスチャンではない人間には抵抗を感じる人も多いだろう。しかし、彼の言葉にはキリスト教という一つの宗教を超越した普遍性がある。たとえ後世に金や名声などを残せなくとも、一人の人間として真面目に生きることこそが後世への最大遺物であるという彼の言葉は、これから如何に生きていけばよいかというヒントを教えてくれたばかりではなく、不安に駆られた時に私を勇気づけ、前向きな気持ちにしてくれたものでもある。明治時代の著作であるが、講演原稿なので口語体で書かれていて非常に読みやすい。人生の岐路に立って迷っている人にぜひとも読んでいただきたい一冊である。
氷点 上
2004/03/02 23:01
私のバイブル
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
いわずと知れた三浦綾子さんの処女作である。新聞の一千万円懸賞小説として発表されたことも良く知られている。その経緯は三浦さん自身が『この土の器をも』に記している。ストーリー展開の面白さと読みやすい文体、そして「原罪」という非常に重いテーマを扱っているという点で一読の価値は十分にある。私は旭川市出身なので、神楽の外国樹種見本林、美瑛川、そして真冬の旭川の自然の厳しさと、同時にたとえようもない雪景色の美しさなどが、この物語に彩を添えていると思っている。『氷点』に限らず、三浦さんの著作にはその端々に、自分を勇気付けてくれたり、自分の行いを省みて反省させられるドキッとするような言葉がちりばめられている。そういった自分の日々の生活の糧になるような言葉を捜しながら読みかえしてみるのもいい。私はもう10回ぐらい読み返しただろうか。
数年前に浅野ゆう子さんが夏枝役でテレビドラマ化がされていたが、原作の面影はまるっきりない単なる継子いじめの話になってしまっていた。そこには三浦さんがこの作品で本当に伝えたかったものが表れていなかったような気がする。ぜひ、本当の『氷点』を多くの人に読んで頂きたいと願う。
生まれ出ずる悩みほか 有島武郎
2004/03/02 22:37
生きることは悩むこと
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
中学や高校時代の「国語便覧」や「文学史」で以前から題名だけは知っていたが、手にとってみたことはなかった。私の故郷の北海道が舞台であることから、風景描写などに共感して、そしてストーリーの意味の深さにすぐに引き込まれてしまった。絵の才能がありながらも日々の生活のために絵画への情熱を封じ込めようとする青年の悩みを有島は淡々とした文章でつづっている。立場や悩みの種類は違っても、「生きてゆく」という営みの中で、誰でもこういった思いを抱いた経験があるのではないか、そして誰にとっても生きるということは悩むことなのだと知らされて、いろいろな困難に前向きに接していけるような気がした。最後の「春が来るのだ、〜冬の後には春が来るのだ、君の上にも確かに〜」という言葉は今、自分が一番好きな言葉である。
| 3 件中 1 件~ 3 件を表示 |
