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まかしきょうさんのレビュー一覧

投稿者:まかしきょう

6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本陰日向に咲く

2006/02/14 16:40

こりゃすごい

15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

帯のコメントが、恩田陸さん大槻ケンヂさん、山田宗樹さんという、私に「買ってくれ!買うべきだ!」と言わんばかりの猛アピール攻撃に、思わず手を取って即購入した。
劇団ひとり、といえば、スープレックスという元アイドル芸人、といったイメージがまだ私の中では抜け切れていなかった。あのままコンビを続けていれば今頃お笑いブームに乗っていたのに、などと思っていたが、この人はコンビでは自分の才能を活かしきれなかったかもしれない、と、この小説を読んで強く思った。
短編のひとつ目は、気がついたら物語の中に読者も入ってしまうような不思議な始まり。ホームレスになりたい男が、ホームレスに憧れ、身なりから行動から真似をしていく、というなんとも不思議な話だ。短編のひとつひとつは独立した作品として成立しているが、あるキーワード、人物などが複雑にからみ合い、それを発見するのもまた楽しかった。劇的な終わりでもなく、淡々とした文章のなかに、私の心がなにかを発見するのか、自分でも知らぬうちに泣いていて自分で自分に驚いた。私はこういうラストに泣くのか、、、と本当に驚いた。劇団ひとりマジックに入り込んだのだ、と思った。なんだか不思議だが、この感情は自分が愛している作家を思う時の気持ちに似ている。だってさ、劇団ひとりだよ。あの劇団ひとりだって、、、と思いながら泣いている私がいた。やられた。
最後まで読んでよく分かった。劇団ひとりはやっぱり一人じゃないんだ、と。様々な顔がまだ隠されているに違いないとにらんでいる。恩田陸先生に「あと二冊は書いてもらわなきゃ」と言われる劇団ひとりには、あと二冊以上、絶対書いてほしい。出来れば、いつものネタのようにちょっぴり不条理で、変人チックな、もっと毒がストレートに出ているのも読んでみたい。
その時はアウトロー文庫で出版だろうか。「劇団ひとり」ということを忘れて(時々思い出してびっくりしながら)是非是非読んでもらいたい。

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紙の本電話にでたらこうなった!

2005/11/15 17:14

今回は特別講座「傾向と対策」付きです!

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

実は私、明らかに怪しいと分かる電話でも、なかなか切ることが出来ないタイプの人間である。そして、来年子供が保育園に行くので、現在在宅ワークを探している。「TVタックル」のUFOや超能力論争の特集は、録画して必ず見ている。そんな私が「電話にでたら〜」に心惹かれないはずはない。今回は、おバカな私のような人間のために、「特別講座」も設けられている。ちょうどこの本を買った日に「振り込め詐欺」事件のニュースがあった。「会社で帳簿上のトラブルがあり、穴埋めしなければ大変なことになる」の言葉に、なんと5千万円も振り込んでしまったという。この本の「特別講座・傾向と対策」にはこんな言葉があった。「犯罪の隠ぺい工作が被害を広げる」。「振り込め詐欺」の報道は、「騙されないこと」をまず重点的に指摘していたが、「親として罪を隠すことではなく、正しく生きることを教えよ」という指摘は、明快で実に素晴らしいと思う。混乱した頭では、そのような考えが浮かばないのが、悲しい現状かもしれないが。多田氏のレポートは、どんなに怪しいところに潜入しても、百戦錬磨の彼のこと、必ず「帰ってくる」という安心感があるので、読んでいる側も冷静に「なるほど。そういう仕組みなのか」と納得できる。霊媒師が「土地の因縁じゃあ」と叫ぼうが、契約を焦って「決断力っ!」と喚こうが、多田氏の心がぐらつくことはない。(安達祐実似の宝石販売員だけは不明だが)グラングランとぐらつくような私達は、電話がかかってきたらとにかくこの本を開き冷静に「対策」にしたがうのが賢明だと思う。とはいえ、「トンでも」好きの私、どうも後半のオカルト系、怪しい系に、心がちょっとだけ動いてしまった。こういうヤツがひっかかるんだった、と、もう一度反省して読み返している。パンフレットに「苦情、相談はこちらへ」と書いてあるのが、実は詐欺の手口になる場合もある、など、知らなかった情報が盛りだくさん。私のような引っかかりやすい人間だけでなく、「俺は絶対、私は絶対大丈夫」という人も、詐欺師の手口をしっかりと頭に叩き込んだほうが良いのかもしれない。

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ママが笑顔でいられる、ステキなお話♪

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今居るところを動かずに、新しい世界を見ること、新たな気持ちで頑張ることは結構難しい。
子供を抱えての内職、追われるように家事・育児を続ける毎日に、先なんて何も見えないような気持ちになる、そんな著者の過去の思いは小さい子供を持つ母親なら経験のあることだろう。だが彼女は、たった一回の「川柳」のFAX送信で、目の前に眩しく光のもれる扉があることを発見したのだ。
著者が見つけた「投稿」という扉は、決して専門的でもなく、難しく考えることもない、誰でも開けられる扉のようだ。
今日はこんなに楽しかった、こんなに哀しかった、腹が立った、子供がこんなにも愛しい、その思いをまるで友達にメールをするように、雑誌社や新聞社に投稿するだけでいい、と著者は言う。
 タイトルには「五万円くらい稼げる」と書かれてはいるが、著者は「稼ぐ」ということだけにスポットを当てているわけではない。読み進めていくうちに、この本のなかに、「子育てで外に出られなくても特別な文才が無くても、誰でも輝く可能性があるんだよ」という温かいメッセージを感じた。
 私などはいつも「知識がないから」と新しいジャンルに飛び込めない、「石橋を叩かない」タイプである。ところが著者は、専門外の「お題」を見て、それを「ダメもと」もしくは「勉強するチャンス!」として学ぶ、そしてその道のプロでは気付かない新しい視点を自ら見つけるのである(P49、P59)!このパワーには感動した。全く同じ状況なのに、なんと著者のポジティブなこと!!
 今や、主婦が飲食店の覆面調査や商品のモニターなどで、会社を動かす時代だ。家から出られず子育てと家事だけに追われるママでも、きちんと社会と繋がることが出来るし、警察だって動いちゃう(P131)のが「投稿生活」だ。
 最初から最後まで感動して読み進めた本だったので、久々に投稿してみた。これも立派な投稿生活!である。

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紙の本ヘンなあさ

2008/10/13 06:32

歌人が描く「ヘン」な絵本

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「ヘンなあさ」。
まずタイトルがいい。朝は忘れずやってくるが、「ヘンな」朝は滅多にやってこない。 私たち大人は、「ヘンなあさ」と聞いて何を思い浮かべるだろう。 まぁ、せいぜい、「カラスがやたら鳴いている」とか、「パパがなぜか早起き」など、日常にべったりと張り付いた「ヘンなあさ」である。 子供たちが想像する「へんなあさ」は、そして、歌人である笹公人氏が綴る「ヘンなあさ」とは、どんな「あさ」なのだろうか。
笹公人氏の初絵本「ヘンなあさ」は、「おぼっちゃま!」と呼ばれることから物語が始まる。 「おぼっちゃま」には名前が無い。この名無しのおぼっちゃまは、校庭に積まれた、校舎より高い「メロンの山」の上に立つ。
大人も、憂鬱な眠たい「朝」という概念を忘れて、ワクワクしてしまうことだろう。
いわゆる「20世紀少年」の時代を生きていない著者は、短歌ではその「20世紀少年」時代のノスタルジーを切り取るのを大変得意としている。
それだけでない。 マンモスと共に生きていた時代の記憶さえ、甦らせることの出来る人なのだから(「マンモスの死体をよいしょ引きずった時代の記憶をくすぐる綱引き」/「念力家族」より)、一度通ってきた、子供時代の物語と作り上げることはたやすいことなのかもしれない。
 絵本と言えば、ストーリーの面白さだけでなく、「絵」の楽しさや魅力も大変重要である。 「ヘンなあさ」の挿絵は、イラストレーター、漫画家の本秀康氏が手掛けている。はっきりとした色使いは、ストーリーのパワーに負けない個性で子供たちを刺激してくる。 「あさ」のぼんやりしたイメージは、きっと大人だけのものだろう。楽しい事があれば、子供たちの頭の中は、この絵のようにはっきりくっきりと踊りだすのだ。
ラストの○○のアップや、裏表紙を飾る名無しの少年の姿を見ると、やっぱり「ヘンなあさ」だった、と思う。もう一度、後ろから読み直してしまうような不思議さもある。
ただ、二人の描く「あさ」は、首をかしげる「ヘン」ではなく、最後に楽しくなってしまうような「ヘンなあさ」のようだ。不思議で、楽しくて、そして何かが気になって、宇宙の濃い青と、青い空、そして楽しいメロンの山をまた見てしまう。
ところで、笹氏の思い浮かべる「ヘンな」ものは、「あさ」だけなのだろうか。 「ヘンなよる」「ヘンなにんげん」。 著者の中にある「ヘンな」ものを、もっともっと絵本として読んでみたいと思った。
絵本というのは、子ども達のものだけではないのだが、「もう絵本は卒業をしたわ」というおませなお姉ちゃん達には、メロンの山の向こうに、「念力」を持つ家族(「念力家族」出版社 インフォバーン)が笑っていることを教えてあげたい。

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紙の本念力図鑑

2005/12/18 07:46

私にも念力が飛んできた

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

深夜見るともなくテレビを見ていたら、笹公人という人が出演していた。なんでも歌人だそうで、いたずらが大好きな可愛らしい犬のようなルックスと、短歌の不思議な魅力が相まって、しばらく忘れることが出来なかった。これが私と笹氏との出会いである。普段ならなかなか接することのない「短歌」というものが、笹氏の影響でとても魅力的に感じられて、最近急に短歌(もどき)を作っている。しかし完成された作品を読むのと、自分で詠むことには、恐ろしいほどの距離があり、改めて氏の作品の素晴らしさにただ感動するばかりだ。
念力図鑑での好きな作品。
音楽にたとえるならば今井氏の貧乏ゆすりはジャズだと思う
レコードの針のノイズに味がある父のテープで聴くビートルズ
鳥の群れがある形なすそれまでを感じの起源(おこり)のように見ている
笹氏は、どちらかというと「面白い」というのが一番よく聞かれる言葉だと思うが、私はイメージが膨らみ余韻の残る、この3首のような美しい作品があるからこその「面白い」なのだと思う。
だから、素人がただ面白い短歌を作ろうと思って作ったとしても、笹氏には及びもつかない。作品の深みが全く違うのだ。
笹氏を師と(勝手に)仰ぐ私としては、この先生のエッセンスを毎日吸収すべく何度も読んでいるが、読むたびに面白いし、素敵だなぁ、と思う。田中秀樹氏のイラストも笹マジックの魅力をさらに増幅させて素晴らしいので、これもまた要チェックだ。
この「念力図鑑」は装丁も素敵で、なんとも愛しくてなんどもナデナデしてしまう私。短歌を読んだり作ったりしたことの無い方でも、肩肘を張らずに、「素敵だなぁ」と思える、大お勧めの作品だ。実は私、他の作品を読んでいないので、早速読もうと思っている。また新しい世界が見られると思うと、ウキウキしているところだ。

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恋したい!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今すぐにキャラメルコーン買ってきて そうじゃなければ妻と別れて
短歌にあまり詳しくない私でも知っている佐藤さんの短歌。
一度読むだけで忘れられなくなりそうなこの作品の登場人物は、はたして佐藤さん本人なのだろうか、と思いながらも、やはりこの女性のイメージを佐藤さんに重ねてしまう。だからなのか、佐藤さんはどっぷりと恋愛体質で、ドロドロの男女の世界の中心にいるようなイメージがあった。
この作品は、佐藤さんが選んだ短歌と、それから想像力を膨らませたエッセイ、佐藤さんの短歌が掲載されている、という、とても充実した内容になっている。このエッセイが大変面白く楽しい。個人的には「結婚式に贈る短歌」のユーモアと、結婚式に贈った、とてもストレートであるが、頬が緩んでしまうような佐藤さんの短歌の意外性が楽しかった。
エッセイを読むと、きりりとしてそれでいてユーモアのある佐藤さんが眼に浮かぶ。短歌の濃厚な世界は、佐藤さんの心の奥底から湧き出ているもので、「キャラメルコーン、今すぐ買ってきて!」という思いを押し殺して、「私は別に構わないわ、このままでも」とクールに言うような女性なのかもしれない、などと読みながら考えていた。佐藤さんの世界をいろんな角度で見ているようだった。何ページかにひとつ入っているイラストが、短歌の世界の繊細さと、美しさ、そして不思議な魔力をよりアップさせていると思う。普通の文庫と髪質が少し違い、高級感を感じる作品となっていて、きっと佐藤さんご本人も、この本のように素敵な人なのだろうなぁ、ということも想像した。三十路半ば、もうすっかりおばちゃんとなった私だが、もう少し若ければ恋人の誕生日プレゼントなどにそっと添えたいな、と思った。

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