moeveさんのレビュー一覧
投稿者:moeve
切ってはいけません! 日本人が知らない包茎の真実
2006/09/14 13:43
そもそも「仮性」ってなにさ
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
内容説明にもある通り、「包皮を切ってはいけません」という内容。対話形式で気楽に読める上、お医者さんが書いただけあってて、各論には論文などの根拠がある。できる限り出典も明らかにされており、とっかりのよさとは裏腹な、きちんとした本。
まず、海外で包茎といえば「真性包茎」のことであり、仮性包茎は問題視されていないということ。勃起時や、手の介添えがあれば亀頭が露出できるなら、それは包茎ではないという考えをしていること。
そもそも海外では、通常時に亀頭が露出しているペニスが美しいとは考えられていないこと。新生児の際に切り取られた皮を戻すための努力をしている人たちもいること。皮を戻したことにより、性感が高まったという統計結果があること。
そして「余分なもの」として切り取られる皮には、きちんと神経が通っていて、亀頭とは違う快感を得ていること。包茎の人はガンになりやすい、またはパートナーが願意なりやすいというのは、清潔にさえしていれば問題がないこと。
一読しただけで、これだけのことが印象に残っている。そしてこの本には書かれていないが、私は某クリニックの医師が「包茎手術を受けさせ(て儲ける)るために、包茎ははずかしいものとして啓蒙し続けた」という発言をしたことを知っている。
さて、それでも切りますか?
と、いうわけで、変な思い込みがある人はまず読んでみればいいし…私からいう事があるとすれば、「女性は仮性包茎くらい見慣れてるから、男性が思ってるほど気にしませんよ」ってところかな。
鬼嫁薬局
2005/11/16 23:30
一読の価値あり。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
プロレスを見始める前から、さすがに北斗晶くらいはなんとなく知っていた。佐々木健介はなんとなく知ってたか知らないかくらい。そんな状況だから、もちろん「それまでの経緯」なんて知る由もない。それどころか「鬼嫁ってなんなの?」というような気分だった。その内容は知らないけど、「鬼嫁」という響きから、なんとなく北斗の事をイヤだな、と思っていた。
この本が出ると聞いたときも、売れればなんでもありかい、絶対買わないよ!と思ってたんだけど。手に取ることすらしないつもりだったんだけど。健介が長州と対戦する前に、週刊ゴングで健介のかわりに北斗が心情を語っていた、そのロングインタビューを読んで、今までの先入観は絶対間違ってると確信した。急に北斗が気になる人になった。この人は絶対頭がいい。そして人の心というものをすごくわかってる。そう思ったら、買わずにはいられなかった。
北斗は、「立場」というものを死ぬほどわかっている。それは、自分の立場も、そして夫の立場もだ。そして、それを尊重したままどう導いたらいいかもわかってる。とてもしっかりと自分があり、二本足で人生を歩んでいる。導くためにはあえて潰したりもする、その根底には、自分が選んだ人への愛がある。びっくりするほどいい女だ。
泣いた。泣く本じゃないのかもしれないけど、泣いた。こんな人がこの世に存在していることが嬉しくなって、泣いた。羨ましいとも違う、すっげーすっげーていう頭の悪い賛辞とも違う、なんだかとても清々しい読後感。あなたたちが出会ってくれてありがとうというような、そんな気持ち。ゴングのインタビューも、長州戦が終った今でも、読む価値ある、と思うよ。
カルタで覚えるドラえもんあんしん・あんぜん教室 悪い人からのがれよう!
2006/09/14 13:41
子ども自身が理解できる、防犯対策。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
すばらしい本です。
わかりやすく、子供がすぐにできる対策がたくさん。シチュエーションもさまざまで、留守時などの大人がいない時や、登下校時の目が届かない時についても丁寧にまとめられている。
どのような公園が安全か?ひとりの時に宅配便が来たら?知らない大人が近づいてきたらどうする?それらが5・7・5で標語として簡潔に、しかもあますことなくまとまっている。
「とらないで わたしの写真は お断り」とかね。きれいにまとまってるでしょ?たまに字余りの句もありますが、まあ、それはご愛嬌ってことで。
大人向けに書かれている本を、大人が租借して子供に伝えるよりも、子ども自身が理解できるレベルで、子ども自身が理解したほうが強いと思うのね。押し付けても限度がある。
また、この本を改めて読んで、今の子供にはこんなに危険がいっぱいなんだなあ、としみじみ思った。もちろん、私が子供の時分にも、色々な危険はあったんだろう。うちは母が専業主婦で、いつも家にいてくれたので、あまりそれらに脅かされることなく無事育ってこれたのだろう。
でも、もはや世界は「原則・人を見たら泥棒と思え」なのだなあ、と、じんわりと切なくなる本でもある。だからこそ、せめて楽しく学びましょう。あーあ。
りんちゃんクッキーのひみつ (少年画報社コミックス)
2006/12/25 22:17
味わい深くて、素朴。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
しっかりものの小学生・りんちゃん、おっとりしたお父さんの父子家庭と、お隣さんの増子さん、クラスメイトのともちゃんや舞ちゃんとの日常を描くやわらかめの作品。これがヤングキングで連載されていたというのがよくわからないけれど、優しくて好きなお話し。
主人公があくまで小学生のりんちゃんということもあり、なんとなく対象年齢が低そうな感じもするけど、実際は「対象年齢が低いように描いてあるように見える」という構成ごとまとめて楽しむ本かな。
人懐っこくて料理が好きなりんちゃんが、毎回ぬいぐるみのアプーとアブラをつかわない「クッキングアワー」を繰り広げつつ、ちょっとずつ周りの環境も変わって行き、お父さんはお母さんの事を忘れてしまうの…?という、片親家庭では避けて通れない命題を、きちんと描ききる。そのあたりはさすがにリリカルだけど、でも気持ちに対して真正面からの描写はかなり好感度高い。
私は本誌の方で、続編にあたる「りんりんDIY」を先に呼んでいたので、ほー、あの人たちにはこんな過去があったのかー、と思いちょっと感慨深くなりました。
週刊石川雅之 (イブニングKC)
2006/12/09 23:10
味わい深い短編群。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
最近もやしもんでブレイクした石川雅之の短編集。いや、いいですよコレは。やっぱり構成力が確かなんだね。一回読んで笑って、もう一回読んで「あーここはそーゆー…」と違う笑いを呼べる、するめのようなじっくり味わい深い作品群。
半分くらいが上記のようなニヤニヤ笑いもので、半分くらいがしっかりした人情話。いいねえ。毎日を漫然と過ごしているOLの話しが私にとってはじめての石川雅之だったんだけど、それを読んでからずっと気になってたんだよね。
そのあと話題のもやしもんがこの人の作品だと知って、なんかうれしくなってしまいましたよ。大バケするタイプじゃなさそうだと思ってたからね、注目されたことが純粋に喜ばしかったり。
ってなわけでそのOLの話しと、あとフェチについて延々語り倒す話しが好きでございますー。買って損なし!しかし本当にカタリベと同じ人なのか。すんげー成長っぷりだ。
まるでてんですみません
2006/11/07 13:58
行間を読めば深い。むしろ大人向けかも。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
自分たちが一番素敵だと信じて疑わず、周りのものを認めようとしないで突き進むまる。ちっぽけであることを自覚しつつも、また一人になりたがるてん。さんかくは大変、といつも文句をいいながらも、ある日自分が丸になってしまったら泣き叫ぶさんかく。
そして一緒に暮らしていたまっすぐな線とぐにゃぐにゃの線は、仲たがいしてそれぞれのカテゴリに属したらみんな同じで自分がどこだかわからなくなってしまい、また二人で暮らし始める…
こうやって少しずつ違うシチュエーションで、理解する、自分をみつめる、などのいろんなパターンを紡いでいく。よくも悪くも自分は自分だ、良くも悪くも相手は相手だ、そしてそのことはいい事でも悪いことでもない…という。
それ自体は素晴らしいことだと思うし、またうまく書いたもんだな、とは思うんだけど、でもそれはそれとして、行間を読む必要があるので、子供が見て理解できるものではない、と思う。若干シニカルだしね。
家政夫パタリロ! (花とゆめCOMICS)
2006/10/23 13:41
厳密に言えばパタリロじゃないのよー
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
主人公は父親の残した膨大な借金を返すため、家政婦協会に加盟して家政夫として働いている「越後屋波多利郎」10歳。
第一話目で、機転を利かせた波多利郎(おパタ)がだんなさまから謝礼を受取ったことから、労働以外での収入を得ることに目覚めた波多利郎が色々な問題を解決していく…という話の流れ。
家政夫、という体裁をとっているだけあって、嫁姑問題や教師によるイジメなど、家庭問題の話がメイン。マンガなりの誇張があって、ちょっと大げさだけれど、でも程度の違いこそあれ、世間にありそうな話ばかり。その嫌な状態がリアルに想像できるから、ラストシーンで仲違いが収まると、結構スッとする。
主人公の波多利郎は、特別ボーナスのためにちょっとずるはするけれど、基本的に常識人。パタリロのようないきすぎたがめつさはなく、めいっぱい貰って10万円。結構謙虚だし、丁寧だし、人を陥れたりはしない。仕事もこなすし、かわいげがある。
…で、思うのは。
波多利郎とパタリロって、境遇とかじゃなく、既にもうキャラクターが違うよね。それなのに見た目を一緒にしてタイトルを「パタリロ」にしてしまったところが情けないというかなんというか…
マリネラ国王が家政夫仕事をしているならともかく、設定も性格も違うんだから、これは新しいキャラで新しい作品にするべきでしょう。もしくはタイトルからパタリロを外すとか。なんか既に出来ているキャラクタを使って楽な仕事をしたという感じがして、作品のクオリティ云々より、そっちが気になっちゃった。
それと、途中までいい人情話なのに、最後はおパタが報われない、読後感の悪い話で終わったのがちょっと面白くないなあ。シリーズ全体の締めがこれかあ…ううん…
そういった意味で、ちょっと点が辛くなるかな。借金まみれのお姉ちゃんとか、途中のお話は面白いんだけど。
WORKING!! 2
2006/10/23 13:53
若干安定してまいりました?
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
変わり者ばかりが働く変わったファミレス4コマの第二巻。
小鳥遊くんの残りの家族や、新しいキッチンスタッフなど新キャラも出てきて、さらに賑やかに。1巻の時点でどうかな〜と思っていたんだけど、2巻、意外と面白かった。
まあ、全く期待していなかったからというのも正直ある。でも1巻の時は読み直すとき飛ばす回が半分くらいあったんだけど、今回はそこまでネタになってない回というのはないので安定はしてきたかな。
キャラを動かしなれてきて、極端から極端へ走らせなくても話が動くようになって来たのが大きいと思う。
あと、1巻ではやりたい放題でおとがめなしだった八千代や伊波も、新キャラによってちゃんと突っ込まれているというのも自分としては大きい。
個人的には「なにやっても許されるキャラとそのとばっちりをくう不幸キャラ」っていう相関図をつくるネタが好きじゃないので、ちょっとそこんところ点が辛くなっていたんだけど、もうちょっと読み続けてみてもいいかなあ、という気になったよ。
おおきな木
2007/11/20 15:25
自己犠牲もほどほどに。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
一本のおおきな木が、かつて自分を愛してくれたぼうやだったものに、自分のすべてを与え、見返りもなく「それで うれしかった」と繰り返すこの絵本を、無償の愛だとか究極の母性だとか見る向きもあると思う。
だけど それは ほんとかな?
チェイホフだってあれで本人は喜劇だというのだから、この本が無償の愛をといているようでとてつもない皮肉を言っていたとしてもアリだと思うんだけど。
原文では、このおおきな木はshe、つまり女性として描かれている。itじゃないんだね。そしてこの木とぼうやの蜜月は、ほんとうにぼうやがぼうや足りえていた時の、ほんのひと時でしかない。
それでも彼女は、すでに青年となった彼にブランコで遊ぶかいと尋ね、最後には老人となった彼に「りんごがあげられないよ」と嘆くんだから、なんというか、こう…愛情のベクトルがずれている。
なんでも提供すればいつか愛されると思っている「便利な女」っているでしょう。私にはこの木がそういう、愛し方が下手で利用される女に見えて仕方がない。
そしてその間に、彼が他の女と暮らすための家をつくる資材として、彼女自身をごっそり持っていかれるわけで、そこではじめて「きは それで うれしかった だけど それは ほんとかな?」っと、なるわけ、でしょう。
話が前後したけれど、そして老人となった彼が戻ってきて、自分に腰掛けると再び「きは それで うれしかった」と。
この木、怖い。
この木は、自分のことをだましていると思う。便利使いされているだけなのに、それでうれしかったと思うようにしている。
だから私はこの絵本、一昔前なら「純愛」と言われていたような、冷静に考えると自己満足の延長線上の愛情の押し付けに対する皮肉であるような気がしてならない。
まあ、ゆがんだ見方をしてるのはわかってるけどね。今こんな年だとそんな見方もできるってことで、でも、自分としてはそのほうが楽しい。
だってそう思うと、原著名の『The Giving Tree』ですら、壮大な嫌味になるんだもん。
奥様はパタリロ!
2006/10/23 13:46
今度は波多利郎ですらないのよ
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
波多利郎がなりすました実業家の奥様(マシュマロ)は、学生時代みんなの憧れの存在。偽者でも、学生時代の憧れと擬似夫婦として過ごしてみたい!という依頼で今度はアメリカへ渡り、代理妻(パートタイムワイフ)として働くことに。
今度はその姿でおクマさんと一緒に…いや、おクマさんの荒稼ぎに付き合わされることになる一作で、設定は前作の『家政夫パタリロ』を引き継いでいる、ん、だ、け、ど、今度は波多利郎である理由さえ見出せない…
話のほとんどは女装姿だし、「マシュマロ」の設定さえあまり生かされていないうえに「パタリロ」どころか「波多利郎」ですらないよなあ…確かに出来上がったキャラクターを動かすほうが、一から創作するより楽だろうけどさあ…セルフパロディのさらにセルフパロディなんて、ねえ。
ちなみにお話は、前作の人情話風味を引き継いでいて、それなりには面白い。んでもおクマさんが守銭奴キャラになってしまってちょっとがっかり。もてなくてがめついオカマ。作者がオカマの扱いを変えちゃったのかな。
あとこちらも、依頼人が蜂の巣になって死亡というシリーズ最終話。なので読後感がものすご悪いの。一つ前の話で終わらせても十分では…というわけで、またも面白さが半減。もったいないなあ。
キムチ百科 韓国伝統のキムチ100
2005/11/23 00:09
もう一味!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
キムチ100種類のレシピと解説。とはいえ、どちも半端で、キムチ好きならまあ楽しめるんじゃない?くらいの感じだな。誌面が固くて、眺めてて楽しいという印象はまったくないのが惜しい。キムチのレシピ100種って、結構凄いことだと思うんだけど…もったいないなあ。もうちょっと遊び心というか、オマケというか、色気があればよかったのに。
梨のキムチ、とうがんを入れ物にしたキムチ、包みキムチとかその姿も素材も様々。作ってみたい!という人にはいいかもしれないけど、ちょっと興味がある!くらいで手にした知的好奇心(大きく出すぎか?)は満たされないなあ。コンセプトはいいのになあ。惜しい。ほんと惜しい。もっと贅沢なつくりにして楽しませて欲しかった。
WORKING!! 1
2006/10/23 13:47
打率3割。安定すれば化けるかも?
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ネット発作家さんの4コマで、一時期はまってました。過去形。3回に1回くらいの割合でツボな回があるんだけれど、それ以外はつまらないので、総合評価としては低めかな。
ただ、そのツボな回のテンションなりネタなりが気に入った場合は、結構な中毒性があるので、なんだかんだいって読み続けているのはそういうこと。
Webもこちらも、基本的には「ちょっと変なところもあるけど常識人」な突っ込み主人公が、「ちょっと変なところもあるうえに常識小さじ1、且つ、概ね自己中心的」な人々に揉まれて日々突っ込みまくる、というスタンス。
作者は同人経験がないのは知っているけれど、ネタといいキャラといい、良くも悪くも同人誌的。この内輪っぽい雰囲気になじめるかどうかが、好き嫌いの分かれ目になるでしょう。
ちなみに作品世界は圧倒的な女尊男卑。女性が強すぎるので、男性が虐げられる場面が多く、キャラクター間の幸福度が偏りがち。それでもバランスが保てているうちはいいんだけれど、やはり例によって打率は三割なので、たまに読んでいてイラッとするときもあり。
もうちょっとクオリティが安定すればな…と、正直思います。
仕切るの?春日部さん 1 (角川コミックス・エース)
2006/01/16 23:59
地味に期待してたんだけど…
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
作者、blogで「鳥山先生も昔はウンコとかチンチンとか出てくる作品描いてたんだぜ」とか言ってる場合じゃないよ。もっとがんばれ!!
Dr.リアンが好きだったからこそ、春日部ではもっと新しいものを見せてちょうだい!これならそのままDr.リアンやっててくれてもよかったじゃない!私に岡崎さんを帰せ!
というわけで、正直期待はずれ。やってることは前作と一緒。師匠=モロヤマ、もみじ=シンディ、岡崎=春日部(ただしボケ)みたいな…前回ははじめての作品だったからキャラたってるなあと思えたけど、2回目ともなると、「な〜んだ、これしか描けないだけか…」とがっかりさせられる。いや、それでも面白ければいいのよ、勢いがあればいいのよ。相変わらずだなあと笑って済ませられるのよ。なのにこの失望感はなんなの?
このテンポの悪さはツッコミがエロくないからか?ノリツッコミがないからか?ムダな大コマが多いからか?校長がキモイからか?あきらかに絵がヘタになっているからか?私が前作好きすぎたからか?同じようなキャラクター配列を狙ったんだろうに、「ナオト=」が成立していないあたりに失望感の鍵があるとおもうんだが、どうか?でも2巻が出たらまた買っちゃうけど。
渡良瀬医院へようこそ (マンサンコミックス)
2005/11/18 18:30
もっといいもの描けるでしょ?
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
みた森たつや は小池田さんと遊ぼう!ではじめて読んで、結構気に入った人。既刊のさらくーるやめいどIN!の評判もなかなかなので、これもちょっと買ってみたんだけど、正直いまいちかな。
作者と読者の間で、キャラクターに対する愛着や情報量が違いすぎるのね。大事にしてるのはわかるんだけど。どこか読者がおいてきぼりで、いまいちノリきれない。作者だけが理解している部分とか、語られないなにかをチラつかせられても興味をもてないのよ。そこまで世界が成熟してないし、こちらのテンションもあがっていないから。だからなんか色々描かれても、別段ミステリアスだとも思わない。むしろひいちゃう。今日見た夢の話とか、聴きたくもない趣味の話とか、対して親しくもない人に聞かされてるときの気分に似てる。「で?それが?」っていう気分。あなたはたのしそーねー、みたいな。
まあ、マンサンだし、そこまで求めちゃいけないのかもしれないけど、キャラ売りしたいならもっと共通の情報が必要だし、じっくり描かなきゃいけない部分ってあるでしょ?キャラに興味を持たせられるように、そこまで読者の温度を高め努力が必要だと思うの。言っておくけど私はみた森たつやが嫌いで言ってるわけじゃないですよ。好きで読んでこの感想ですので、あしからず。
パパいらず
2005/11/16 23:34
タイトル負け。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本、はっきり言ってとっても名前負けしてる。
いや、手に取らせるという点ではとても成功だと思う。実際自分も、あまりにショッキングなこのタイトルに、思わず即買いしちゃったから。
「パパいらず」なんていう言葉は、センセーショナルでショッキングで、そしてとても頼もしい響き。まだまだ男社会の日本、世間の目が物を言う日本で、シングルマザーであることによる不利益や辛さというのは、計り知れないものがあると思う。もちろん、片親である子供自身にとっても。どんなに世間が理解しているような風潮をつくってみせても、それが実際の生活で個人の身に降りかかるとなればそれはまた、別の話だから。
だからこそ、このタイトルにはとても期待した。この人はここまで達観したのか!と。この一冊で、「パパがいなくても大丈夫」という自信や強さ、ノウハウなんかが詰め込まれていると、このままシングルマザーのバイブル足りえるような本だろうと、思ったわけよ。エッセイ形式であっても、エッセイだから軽いだろうとは思わなかった。そういう良質な本、他にも見てきたし。
でも、実際は単に「パパおらず」という日常を描いているだけ。パパはいないだけなの。もちろん、著者は離婚をしてるから、その途中で「パパはいらない」という判断をしたことは確か。でもそれだけ。「いらない」と断定できるだけの強さも、事実も、この本の中にはなかった。
正直、私が過剰な期待をしたのは認める。でも、こんなただのエッセーなら、ここまで強気なタイトルは必要なかったのでは?この程度の内容でこのタイトルだとしたら、製作者側の売らんかな的な意図まで感じてしまう。「パパいらず」と断定するなら、それだけの根拠を見せて欲しかった。子供がかわいいから、ウチはウチだから、なんてそんなことはどうでもいい。誰にでも言える。強がりでも言える。
それでもまあ、お子さんがまだ小さいようなので、「まあ、最近離婚したならその気持ちだけを描いて昇華するのもありだそうし、それなら準備不足っぽくても仕方ないかな」と思い、読み進めたんだけど。これ、もうお子さんは中学生なのね。少なくとも離婚してから6年くらいたっているわけ。それでこの程度の内容って、作者は今まで何をしてきて、今何を描きたかったんだろう?さっぱり伝わってこなかった。内容と照らし合わせると、今更?って。
シングルマザー軍からは、それなりの評価があるみたい。それはまあ、連帯感みたいなものでしょう。でも、そうではない自分は、どうもちょっと首をかしげてしまった。等身大シングルマザーエッセイとして読むにも味気ないし、絵もうまくもなければ内容もうすい。正直、なにも伝わってこないし、定価では買いたくなかったな。損した気分。
