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投稿者:デンチャー
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歯は心も体も元気にする 入れ歯保険制度に異議あり
2004/04/10 15:08
高齢社会は、「入れ歯」社会
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中西しげあき著「歯は心も体も元気にする—入れ歯保険制度に異議あり」は、一般医科医療に比べ直接的に生命に関ることが無いこと、或いは「保険の利かない自費治療」部分が存在する怪しさなど、社会的評価の低さの秘密とその存在を容認・利用してきた行政・厚生労働省(旧厚生省)の不作為の構造を暴き出している。
・高齢社会は、「入れ歯」社会
現在日本が迎えた高齢社会は、高齢者が健康で自立しながら地域社会・財政と調和し互いに支え合わなければ、健やかな明日を築く政策・制度ことは出来ない。
高齢者の死亡原因の中で社会的努力によって明日からでも減らすことが出来ることに、「肺炎」がある。日本の高齢者の口腔内(口の中)は、細菌の巣となり、病原菌が増殖し続け、高齢者の生命を奪っている。
日本の老人医療・福祉の現場では、「流動食・キザミ食」と言う名のドロドロに加工された味も食感も無い無残な「栄養」の給餌が横行している。
この日本の高齢者の現実を変革し、希望ある日本型超高齢社会の基盤を築く可能性を、著者中西は「心も体も元気にする」新時代の歯科医療に見出している。
・根腐れする歯科業界
しかし、現在の歯科医療界・歯科業界の単純な延長線上には「心も体も元気にする」新時代の歯科医療は来ないと著者は言う。それは現在の歯科医療界・歯科業界が抱える構造欠陥があまりに根深いことにより、発展が見込めず現状維持すら困難になっていることを著者は赤裸々に語る。
・「入れ歯差益」の秘密
歯科医師国家試験の試験問題漏洩、日本歯科医師会の政治団体である日本歯科医師連盟(日歯連)の不正経理・使途不明金問題、歯科がニュースに登場する時それは社会規範からの著しい逸脱の時である。
日歯連の政権政党に対する献金額は、会員数が数倍以上多い日本医師会の政治団体を上回っている。少ない会員で多額の政治献金を可能とする、現在の「入れ歯保険制度」の構造「入れ歯差益」が患者の利益の最大化を犠牲にし抑制し、歯科業界の発展を阻害しているとの著者の指摘は注目される。
長年に渡って社会を騒がせた「薬価差益」が思い起こされる。公定価格である保険から医療機関に支払われる診療報酬上の薬価と実勢価格の乖離である「薬価差益」は現在国民の力によって、その姿を消そうとしている。しかし、診療報酬上の「入れ歯価格」と、著者らの職業である歯科技工士が製作し歯科医院の手に渡る際の「歯科技工料金」との差額である「入れ歯差益」は現在も温存され更には拡大していると著者は言う。
・患者が声を上げるための情報公開
歯科医療は誰のためにあるのか? 本書は、患者利益の為に最大限生かされ正当に支払われるべき公的医療保険に我々が支払った保険料、税金からも投入された公的医療保険財政が効率的に運用されていない現実を暴き出している。
私は、著者が主張する改革の方向を更に一歩進め、「歯科医療の質」「入れ歯の質」の更なる一層の情報公開を関係者に望みたい。情報公開が、著者ら歯科技工士の正当な評価に繋がり歯科医療関係者の正当な評価に繋がると考えるからだ。
・「チーム医療」が、未来を創る
著者のビジョンで注目すべき点は、医科と歯科の垣根を乗り越え関係専門職種の協力と協業によって新たな「チーム医療」を築く可能性への言及である。
この点に評者は新たな医療関係者の胎動を感じた。
本書を、超高齢化社会に立ち向かう当事者である日本の全ての人々にお勧めしたい。
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