RYOUKOさんのレビュー一覧
投稿者:RYOUKO
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レンズの向こうに自分が見える
2004/05/06 00:47
写真は「心のレントゲン」
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著者は大阪府立大手前高校定時制課程の先生である。総合学習と写真部で、生徒たちに写真を指導している。
この本には、居場所を見失っていた6人の生徒たち(定時制課程の5人は全員不登校の経験を持つ女生徒で、あとの1人がアイデンティティの確立が困難なインターナショナルスクールの男子生徒である)が、写真部や授業で写真を撮り、写真を「心のレントゲン」として読む著者の指摘アドバイスによって、自己を見出し居場所を獲得し、さらには自信を持つまでに至る軌跡が、先生と生徒の双方によって語られている。その内容は深く胸を打つ。
人は大人も子どもも、日々言葉に尽くせない思いを抱く。それは喜びであったりやりきれなさであったりの喜怒哀楽であるが、言葉の未熟な子どもたちの、そんな心や感性を、私たち大人は十分に受けとめているだろうか。
通勤バッグにデジカメを持ち歩き、「花鳥風月」を取りまくっている忙しいおばさんである私の読後の思いはそれにつきる。そして思う。これは果たして中高生が読む本だろうかと。大人こそ読むべきであると。
田舎暮らしの達人たち
2004/08/06 18:46
美味しい湧き水を飲む心地
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私が田舎(山村)にセカンドハウスを建ててから、15年が過ぎた。子どもたちが幼い頃は、蛍狩り、川遊び、夜の森探検等など、大いに楽しんだものであった。が、末っ子が高校生になってからは、休日に山へ帰るのは夫婦だけであることが多くなり、日帰りを余儀なくされることが多くなった。街での仕事を辞めて、山住みを願ったこともあったが叶わず、退職後には夢の田舎暮らしをすることを楽しみにしている。
この本は、フローレンス西村、藤井旭、イーデス・ハンソン、野田知佑、田島征彦、佐伯一麦、キャシー中島、上條恒彦、畑山博、俵萌子、高橋治、C・W・ニコルら各氏の田舎暮らしの実際がエッセイで紹介されている。皆さん著名であり、また立派に仕事をなさっておられる方々である。共通しているのは、肩肘はらず、垣根を持たず、人とも社会とも自然体で関わって、生きることを楽しんでおられること。
さて、私の蔵書もけっこう増えて、書棚に収まらなくなって久しい。eBOOKOFFを利用することにして、取りあえず30冊を抜き出したが、これがなかなか時間がかかった。入れて出してまた入れて、結局書棚に戻ったのがこの本である。
最初は、「皆さん、豊かさを満喫されている、私もそのうちにはできることだから」と、段ボール箱に入れた。一応30冊ほど揃えたところで、何故か気になって取り出した。田島さん、この炎暑の日々ももくもくと畑仕事かしら。ニコルさんの自然環境保護に取り組む気迫も凄い。私もがんばりたい。
他の本でも迷うことがあって、なかなか30冊にならない。「何も一流人の話ばかり集めたのでなくても、もっと地道に田舎を支えている人たちだって大勢いるのだし」と、地道組の私は、再び段ボール箱に入れた。
そして最終チェックは、集荷に来てくれる日の朝。やっぱり気になって手に取った。書棚に戻した。思うに、美味しい湧き水を飲んだような読後感のせいか。大自然と共に暮らすということは可能だし楽しいという展望がある。心が乾いたとき、疲れたときにまた読んでみようか。
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