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yoshioさんのレビュー一覧

投稿者:yoshio

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おかま方式で読んだ本

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いったいどうして、こうも分厚な本なのか訝しく思った。そういうときは、望遠鏡をひっくり返して覗くようにすると、著者が何を狙って書いたか見えてくる。だから「おかま方式」で読んだ本というのだ。

たしかに著者は創業経営者であるには違いはないが、KFi社が「日本の金融界および企業財務の健全な発展に寄与する」といっても、創業7年やそこらで超一流の大会社をクライアントにし、年商10億円の売り上げができるほど創業ビジネスの世界はあまくない。
木村氏のどの書籍にも「東大と日銀」が亀の甲羅のように背中にはりついている。
しかし、きらびやかな経歴をもってしても「戦略経営の発想法」と謳ったにしては「浅学菲才、洟垂れ小僧」には荷が重すぎた。
「ネタ本」を列挙し、それに「ドラッカー」の「第九法則」に「ビジネスモデルは、後知恵である」を加えた10個の法則が「戦略経営の発想法」だという。
わが国を代表する「事業家」にインタービュし、それに木村氏は味の素をふりかけ、ドラッカーを後ろ盾にした第4章から第7章まではやや胃もたれがする。
ところが、序章から第3章までは、シュンペータの「経済発展の理論」を梃子にして、著者のきらいな「評論家エコノミスト」を容赦なくこっぱみじんに叩きつぶすあたりが本書のいわばクライマックスである。
だいたい、わが国ではマクロ経済学者は伝統的に「経営学」というか商業学を卑下してきたのではないか。
旧帝大は経済学部の下位にドイツの経営経済Betriebswirtschaftという人間臭い学問を位置づけ、それこそ昭和初期までは東大の商業学科を卒業した者を日銀では採用しなかったのではなかろうか。超エリート官僚もまたしかりであった。
木村氏は「絹のハンカチーフ」を胸のポケットからすててシャバにでて、はじめて
マクロ経済が実務面でいかに無力窮まる「象牙の塔」の産物であるかをいやというほど思い知らされ、あわせて庶民感覚をも体得し中小企業を思い遣るあたりは稀有にしてまことに貴重な存在である。

ところで、木村氏はビジネスモデル特許を単に「儲かる仕組み」と断じておられるが、必ずしもそうと言いきれないのではあるまいか。いまや金融、経済のみならず科学分野において「知的資産」としてのプロパテント(特許重視)を世界的潮流として無視することはできない。
かつて、クリント政権時代に米国特許商標庁がヒトゲノムの解析で遺伝情報解析ベンチャー会社インサイト・ファーマスーティカルズ社にヒトゲノム解析に係わる4つの文字の組み合わせを特許として承認し,世界を震撼させたことは記憶に新しい。これこそビジネスモデルの先駆けではなかったろうか。
 本書は評論家エコノミストを洗脳し、とかく不勉強な経営者を叱咤し、経営学の真髄を啓蒙するに相応しい価値は十分にある。

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